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ひとり広報がウィズコロナな新製品発表会にチャレンジした話

はじめまして。スタディストという110名ほどのスタートアップで広報を担当している朝倉と申します。

2015年4月に広報未経験で入社し、そこからずっといわゆる「ひとり広報」として主力事業の「Teachme Biz」のプロダクトPRやコーポレートPRを担当しています。

スタディストはずっとプロダクトが「Teachme Biz」ひとつだけだったので、あの手この手でどうにか継続的に露出を獲得してきました。(メディア露出はゴールじゃないけど、産育休中を除いて5年間毎月かならず何かしら取り上げられているのはちょっと自慢。えへへ。)

しかし!ついに先日、ふたつめのプロダクトとなる「Hansoku Cloud」をローンチ!たくさんのメディアに取り上げていただくことができました。

ローンチ時のPR手法は色々あるかと思いますが、諸々検討の結果、今回はメディア向け新製品発表会の開催を選択しました。

が、私はメディアイベントの経験は過去に2回しかない上に、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、オンラインでの配信も不可避という状況。

さて一体どうすれば良いのだ、と色々調べたり広報の先輩方からアドバイスをいただいたりしてどうにか形にすることができたので、感謝と恩送りのため、やったことを公開します。何らかのお役に立てば嬉しいです。

※注意書き※
このnoteは「こうしたら完璧!」というものでは決してなく「メディアイベント超初心者だけどこんな風に進めたらなんとか形になったよ」というレベルのものです。もっと良い方法は山程あると思いますので、もし参考にしていただく場合は他にも色んな人の話を聞いてみてくださいm(_ _)m

新製品発表が決定!PRの企画書を作ろう

PRの手段は色々ありますが、今回は熟慮の末にメディア向けに発表会を開催することに。

はじめにやったことは企画書の作成です。社内でちょっと説明したり、自分で定期的に見返して方向性にずれがないかを確認したりするためのものなので、プレゼン資料などにはせずA4ペライチの簡単なものでOK。

書き出した項目はこんな感じ。

・与件の整理
・課題解決方法
・コミュニケーションターゲット(誰に情報を届けたいのか?)
・イベント概要(目的、日程、場所、登壇者、メインメッセージ、アジェンダなど)
・想定露出(媒体ごとに妄想見出しも書いてみた)
・社内リソース
・予算
・スケジュール

その後タスクリストを作成し、当日まですべてのタスク管理にはBacklogを活用しました。ガントチャート大好き。

いつ、どこで、誰とやる?

【いつ】

事業部にローンチの日程をヒアリングし、関係者のスケジュールが合うだけでなく、広報的にもベストな発表日を検討しました。

当初、事業部からは11月10日発表というスケジュール案があがってきたのですが、この日程は広報的にベストではありません。10月末から11月15日までは上場企業の第二四半期の決算発表が集中するタイミングだからです。

せっかく発表会を実施してもメディアを集客できなかったり、他のニュースで流れてしまったりしては悲しいですよね。それを伝えて発表を1週間遅らせてもらい、他の予定と調整して11月18日発表となりました。

実際にどのくらいの影響があるかは定かではありませんが、弊社のような非上場企業がメディアイベント等を開催する場合、決算発表が集中する日程を避けることが望ましいそうです。(これは広報になりたての頃、某記者さんに教えてもらいました。)

【どこで】

リアル会場は弊社のオープンスペース。加えて、昨今の感染症対策を考慮して、オンラインでも同時開催としました。ツールはすでに弊社でアカウントを契約していたZoomウェビナーを使用。

最近はメディアイベントをオンラインのみで開催する企業も多いようなのですが、よくやり取りをするメディアの方から「オンラインは苦手」という声があったこと、何度も取材いただいているのにまだ一度もお会いできていない記者さんがいらっしゃることなどから、定員を設けた上でリアル参加も受け付けることとしました。

【誰と】

まずはもちろん登壇者。その後に運営メンバーを選定しました。

タイトルに「ひとり広報」と入れていますが、結論、リアルとオンライン同時開催のメディアイベントを1人で運営するのはよほどの鉄人でない限り無理です。早急に社内リソースを確保することをおすすめします。

今回は、弊社の頼れる情シス&総務に手伝ってもらい、合計3名体制で運営しました。役割分担はざっくり以下の通りです。

広報:全体統括、対メディアのタスク全部、事業部や登壇者との調整など
情シス:ウェビナーアカウントの確保、会場の機材セット、当日のカメラ調整、など
総務:会場設営、備品の準備、当日の受付、緊急連絡に備えて待機、など

通常業務ではないことに時間を使ってもらうため、本人の上長へのお願いなど社内調整も忘れずに!

今回は、私からそれぞれに声を掛ける前に代表がSlackで「今度こんなメディアイベントを企画しているから、何かサポートの依頼があったら協力してあげてね」とアナウンスしてくれたのがとてもありがたかったです。経営陣の理解と協力、だいじ!

あと、私はまだ小さな子供がいるので家族の協力も欠かせません。

噂には聞いていましたが、子供って本当に毎週のように熱を出すんですね・・・(ワーママ1年生)

具合が悪いときはなるべく側にいてあげたいのですが、さすがにイベント当日は無理!ということで、日程が決まった時点で夫のスケジュールをおさえ、当日子供が体調を崩した場合は休んでもらえるようにしておきました。

資料から備品類まで。何を準備する?

ざっくりと以下のようなものを揃えました。

【配布物】
・当日の登壇資料
・イベント式次第
・登壇者紹介資料
・新製品に関するプレスリリース
・その他参考情報のための発表済プレスリリース
・会場参加メディアへのおみやげ
・ゲストWi-FiのIDパスワードを記載した紙
(式次第に書けばよかったけど忘れていたら情シス&総務が気を利かせて作ってくれた)

本当は最新のファクトブックも用意したかったのですが間に合わず(涙)

メディアへのおみやげは有名店の和菓子などを用意する企業もあるようなのですが、あまり高級な品だと受け取れないという声もあり、弊社では超質素に新製品のロゴをあしらったチロルチョコをご用意しました。ほんの気持ち・・・ってやつです。

手作り感満載!でも意外と好評でホッ。

【オンライン配信関連】
・Zoomウェビナーアカウント
・集音マイク(配信用)
・登壇者/司会用マイク
・ハンディカメラ(登壇者の撮影、配信用)
・配信用端末
・配信確認用端末
・配信音声確認用イヤホン
など(神情シスにおまかせしたので他にも色々あると思う)
【会場関連】
・バックパネル(登壇者のうしろにあるやつ)
・手持ちのロゴパネル(フォトセッション用)
・受け付け用名簿
・養生テープ(バミリ、ケーブル類の整理用)
・メジャー(ソーシャルディスタンスを保った座席配置のため)
・非接触型体温計
・アルコール除菌液
・予備のマスク

バックパネルと手持ちのパネルはこんな感じ。
※撮影のとき以外はマスクを着用し距離を保って運営しています。

【その他】
・案内状
・イベント参加申し込みフォーム
・製品の素材や当日の写真などのダウンロードページ
・参加メディア向けのマニュアル
・司会原稿
・デモ環境
・公式写真撮影カメラマンの手配
などなど・・・

参加申し込みフォームは、Google formsを使用しました。参加申込をメール返信、フォーム、FAXの三択にしたところ、半分くらいの方からフォームで申し込みがありました。フォームだと申し込みの瞬間に参加者リストができあがるので楽です。ありがたい。ひとり広報、効率化だいじ!

参加メディア向けのマニュアルは、リアル&オンラインそれぞれ用意。メールで説明しても良かったのですが、せっかくなのでTeachme Bizで配信してサービスを体験していただきました。

・・・

いや、多い。準備するもの多すぎる!準備期間の1ヶ月で子供が4回も熱を出すという悲劇に見舞われたため、直前1週間はほんと泣きそうになりながらやってました・・・(ちなみに前々日にも発熱)なにごともお早めに!

前日準備〜終了後のフォローまで。開催前後の流れは?

ひとり広報が当日の運営もプレスリリース配信もその後のフォローもおこなう場合、タスクのタイミングがかぶっていて「物理的に無理では?」となる瞬間がありますが、そんなときにはあらゆるツールの予約配信機能を活用します。Gmailで予約送信ができるようになってくれて本当に良かった・・・

【前日までに実施したこと】
・リハーサル(1週間前に実施)
・登壇資料
 ー最終チェック
 ー来場メディア向けに印刷
 ーオンライン参加メディア向けにダウンロードフォルダに格納
・プレスリリース
 ー最終チェック
 ー来場メディア向けに印刷
 ーオンライン参加メディア向けにダウンロードフォルダに格納
・その他素材をダウンロードフォルダに格納
・ZoomウェビナーURL、当日のマニュアルを参加メディアに送付
・配信予約系の仕込み
 ープレスリリース(発表時間にあわせてウェブサイト公開、メール配信、PR TIMES等の配信を予約)
 ーオンライン参加メディア向けに登壇資料配布(イベント開始10分前にメール送信の予約)
・会場セッティング
・司会の練習
・おみやげに添えるメッセージ書き
【当日の流れ】
8:30  出社
9:00 直前リハーサル(運営、登壇者の全員が参加)
9:30 準備完了
9:45 開場
10:00 イベント開始!!!
11:00 イベント終了、個別取材対応、公式写真の撮影など
11:30 片付け
11:50 解散

とりあえずランチは美味しいものを食べて午後の対応に備える

終了後
・フォトセッションなどの公式写真をオンライン参加メディアに送付
・参加者全員に個別のお礼連絡
・追加質問の電話対応
・メディア掲載のチェック、社内外に報告

一通りの対応が終わったら、よく寝て体力を回復!翌日の対応に備えます。

予算がそんなにないんだけど・・・いくらかかった?

ここまで読んでいただいた方、特に規模の小さなスタートアップの広報さんの場合、気になるのが予算ではありませんか?

お金をかけないのが良いというわけではないのですが、もし予算を確保できていないけどイベントをやりたいというニーズがあった時のために参考情報を。

今回新たに費用がかかったものは以下の通り。参考までに、それぞれの発注先も記載しておきます。

手持ちのロゴパネル
プリオ 等身大パネル マット紙+発泡パネル+曲線カット
 送料込、5,000円くらい(税込)

オリジナルチロルチョコ
DECOチョコ 45個セット 3,596円+送料770円(税込)

公式写真撮影のカメラマン
 いつもお世話になっているカメラマンさん。即日納品、5万円(税抜)

バックパネルは以前発注したものをそのまま流用しました。たしか折りたたみ式のスタンド込で10〜15万円くらいだったと思います。(保管方法が悪くてターポリンがシワになってしまったことを深く反省しています・・・)

反省と感謝

そんなこんなでどうにか無事に終えることができましたが、正直、ここには書ききれないくらい反省点が沢山あります。オンライン会見でのニューノーマルとなっている「50分ルール」も守れなかったし・・・

それでも!

社内外の沢山の人に助けてもらって、どうにか形にすることができました。
心から感謝しています。ありがとうございました。広報担当者という意味では1人だけど、独りではないと改めて思いました。

まとめ

だいぶ長くなってしまいましたが、ひとり広報がやるにはを三行でまとめるとこんな感じ!

・全体像を把握し、早急に社内外に助けを求めよう。
・細々した準備物に地味に時間がかかる。早めに着手しよう。
・予約投稿機能をフル活用しよう。

なお、今回の準備においてはこちらの記事を熟読しました。大河原さん、本当にありがとうございます。

また、春先に開催されたこちらのセミナーにも参加させていただき、とても勉強になりました。加藤さん、三浦さん、小池さん、有益な情報をありがとうございました。

その他細かな準備などについては、こちらの記事も参考にしました。

Hansoku Cloudは、始まったばかり。まだまだ情報を届けたい人は沢山いるので、これから更に頑張ります!!!

長文を最後までお読みいただきありがとうございました。

少しでも役に立てば嬉しいです。

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