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記号の若干の変更と分配律/ドモルガンの法則(その1)

これまでの内容については、
電流が流れるか流れないか学(電流学)|カピ哲!|note
をご覧ください。



記号の若干の変更と分配律

 以降、可能な場合は下記のような記号に変更する。
 
図18 回路記号の若干の変更

  変更した記号で再度分配律について描写してみよう。それぞれ同値となっているので気になる人は試してみていただきたい。
 
 
図19 分配律


ドモルガンの法則(その1)

 ドモルガンの法則は以下のとおりである。電流表でも確かに同値となる。

¬(A∧B)≡(¬A∨¬B)
¬(A∨B)≡(¬A∧¬B)

 前原『記号論理入門』でも示されているように(前原、107ページ)、ドモルガンの法則を演繹論理で証明しようとすると少々回りくどい過程が必要になる。本章では回路を用いた説明でどこまでシンプルな形にできるのかを試みてみることにする。
 まずは¬(A∧B)→(¬A∨¬B)について。これは下の回路図を見ても明らかなように(A∧B)∨(¬A∨¬B)と同値である。

図20 ¬(A∧B)→(¬A∨¬B)は(A∧B)∨(¬A∨¬B)

 そして(A∧B)∨(¬A∨¬B)はトートロジーである。

図21 (A∧B)∨(¬A∨¬B)はトートロジー

 次にその逆、(¬A∨¬B) →¬(A∧B) について見てみよう。下の回路図からも明らかなように、¬(¬A∨¬B) ∨¬(A∧B)でもある。

図22 (¬A∨¬B) →¬(A∧B)

V除去の章で、(A∨B)∧(¬A∧¬B)の回路には電流が流れないことを明らかにした。Aに¬Aを、Bに¬Bを代入すると、

(¬A∨¬B)∧(¬¬A∧¬¬B)つまり
(¬A∨¬B)∧(A∧B)

・・・(¬A∨¬B)∧(A∧B)の回路にも電流は流れない。∧の意味から(¬A∨¬B)と(A∧B)が同時にonになることがないことは明らかである。つまりS1とS2が同時にoffになることがないのである。このことから上記の回路もトートロジーであることが分かる。
 以上より¬(A∧B)→(¬A∨¬B) 、(¬A∨¬B) →¬(A∧B)、つまり¬(A∧B)≡(¬A∨¬B)が証明されたと言えよう。

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