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∨除去、および回路図における規則

これまでの内容については、
電流が流れるか流れないか学(電流学)|カピ哲!|note
をご覧ください。

ここ1週間くらいドモルガンの法則についてあれこれ考えたりしてました・・・

 ∨除去は単純構成的両刀論法(simple constructive dilemma)と呼ばれる推論規則である(前原昭二著『記号論理入門』日本評論社、新装版、2005年、44ページ)。回路図としては以下のようなものになる。

図15 ((A∨B)∧(A→C)∧(B→C))→C の回路図

 電流表を作成してみると、回路全体としては電流学的トートロジーとなっていることがわかる。背理法と異なるのは、(A∨B)∧(A→C)∧(B→C)とCとが同値ではないところか(表6)。つまり((A∨B)∧(A→C)∧(B→C))→Cであっても、C→((A∨B)∧(A→C)∧(B→C))ではないということである(言うまでもないことだが)。

表6 ((A∨B)∧(A→C)∧(B→C))→Cの電流表

 V除去は、Cが矛盾(前述したように、厳密に言えば電流学において一般的・日常言語的な意味の矛盾はないのだが)の場合にも適用できる。

図16 ((A∨B)∧(A→(A∧¬A)∧(B→B∧¬B))→(A∧¬A)の回路図

 B∧¬BはA∧¬Aでも良いしC∧¬Cでも良い。いずれにせよ上の図で示されているように回路における矛盾部分は電流が流れないのだから、その部分を除去しても(電流学的)トートロジーは保たれる。結果、¬((A∨B)∧¬A∧¬B)がトートロジーであることが明らかとなる。また¬((A∨B)∧(¬A∧¬B))としても同じ回路である。
 つまり(A∨B)∧(¬A∧¬B)は常に電流が流れない。このことは下の図のように(A∨B)∧(¬A∧¬B) を(A∧¬A∧¬B)∨(B∧¬A∧¬B)に変形してみるとよく理解できる。

図17 分配律

 分配律をより一般化した形で示せば(A∨B)∧C≡(A∧C)∨(B∧C)となる。



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