![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/149391433/rectangle_large_type_2_8108edbb3be2310d1723eb0f0b5a2f0b.jpeg?width=1200)
命題論理の完全性の証明?:トートロジーのからくり
これまでの内容については、
電流が流れるか流れないか学(電流学)|カピ哲!|note
をご覧ください。
前記事の応用である。
(A∧B∧C)→D
がトートロジーであるとする。
(A∧B∧C)→D は、
(A∧B)→(C→D)
A→(B→(C→D)) というふうに(同値のまま)変形できるが、一方で、
(A∧B∧C)→D
(A∧B∧C)→(¬¬D∨⋏)
(A∧B∧C)→(¬D→⋏)
(A∧B∧C∧¬D)→⋏
・・・というふうに(→の左側、左辺・前件を)矛盾回路へ導くこともできるのである(もちろん論理式全体としてはトートロジーが維持されている)。
このように、おそらくすべてのトートロジーは
矛盾回路→⋏
という形式に変形することができるのではなかろうか。というか、むしろトートロジーであるからこそ(矛盾回路→⋏)という形へ導くことができると言える。
A、B、C、¬Dを前提とし、そこから矛盾を導くことができる。そしてそこからEx falso quodibetあるいは背理法?により(A∧B∧C)→Dというトートロジーを証明することができるのである。
まずは一つ事例を示してみたい。前原『記号論理入門』42ページの例2である。
(A→(B→C))→((A∧B)→C)
矛盾回路→⋏の形へ変形してみる。
((A→(B→C))∧(A∧B))→C
((A→(B→C))∧(A∧B))→(¬¬C∨⋏)
((A→(B→C))∧(A∧B))→(¬C→⋏)
((A→(B→C))∧(A∧B)∧¬C)→⋏
(A→(B→C))∧(A∧B)∧¬Cを変形すると
(¬A∨(¬B∨C))∧(A∧B)∧¬C
回路図にすると、図46のようになり、明らかな矛盾回路であることが分かる。
図46 (¬A∨(¬B∨C))∧(A∧B)∧¬Cの回路図
![](https://assets.st-note.com/img/1722598437071-g2x5DLgRbP.jpg)
前原は、(A→(B→C))→((A∧B)→C)を以下のように証明している。
![](https://assets.st-note.com/img/1722598458734-jNmCUAFo9a.jpg)
一方、((A→(B→C))∧(A∧B)∧¬C)→⋏の証明プロセスは以下のようなものとなる。
![](https://assets.st-note.com/img/1722598529350-VMkabwBztg.jpg)
これを回路図で説明してみよう。
図47 ((A→(B→C))∧(A∧B)∧¬C)→⋏の回路図による証明
![](https://assets.st-note.com/img/1722598549288-sOI1kZEebW.jpg?width=1200)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?