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40歳になったら 40歳になったら 友達何人できるかな

 今からちょうど10年前、あれは30歳の夏。当時住んでいた家の近所にすた丼屋の店がオープンした。すた丼とは、豚肉をにんにく醤油で炒めて、さらに生卵をピットインするというB級グルメ界隈の豪華絢爛メニューであり、単品で1,000kcalを超える本邦有数のハイカロリーメニューでもある。

 胸躍らせて入店し、当然の如くすた丼を注文したときは、「飯増しにしとけばよかった…」と後悔したほどだが、着丼して米粒を胃に流し込んでいると、ある異変に気付いた。

 完食ができない…!!

 今まで外食で完食ができないことは一度たりともなかった。体調が悪いときに餃子の王将へ行った際も(そもそもなんで体調不良で行くんだという話だが)、残すということは一切なかったし、知らない店で不味い料理に遭遇しても、鼻に意識を向けて味覚を事実上無効にするなどのあらゆる手段を講じて、完食マインドを続けていた。

 そんなグルメ野郎が完食できないなんて。もちろんすた丼自体はとても美味しかったのだけれども、胃壁が消化物の残留を全力で拒否していた。「30代の壁」というものを身体で実感した瞬間だ。そして、20代へはもう二度と戻れないと思うと、どこか悔しい気持ちが湧いてきて、今この瞬間を全力で楽しんでやろうと改めて心に誓ったのも30歳の夏だった。

 あれから10年が経ち、とうとう40代へ突入だ。セブンイレブンのレジには客層ボタンがあり、「29」の次は確か「49」だったので、40代になっても“レジボタンの日常”は変わらないと信じたいが、各種アンケートの年齢欄は「40~49歳」にマルを囲むことになると思うので、許されるならば脳内アンチエイジングを行い、運命に抗いながら「30~39歳」にマルしたい。

 さて、40代の10年間、何を目標と掲げようか。家裁へ行って「三日坊主」と改名申立をしても良いほど、目標を立てても続かない“情けねぇ”な小生だが、せっかく大舞台に立ったのだから、何かを成し遂げたい。

 早起きしてトレーニング?寝る間を惜しんで自主勉強?つみたてNISAやiDeCoの鬼になってFIREを目指す?それとも慈善事業に身を捧げる?

 ここで「あたち」の声を聞いてみよう。
「あたちをディズニーに連れてけー!引越先でも友達をつくれー!」

 この数年はコロナ禍ということもあってか、人とのつながりを妙に自粛してしまい、「軟骨の唐揚げ」や「茄子の揚げ浸し」などの居酒屋定番メニューを談笑しながら味わうこともなくなっていた。

 数年おきに引越しを続けていると、人間関係が短期間で遮断されるため、外形的に人とのつながりを持てても、友達という存在は過去にすがるしかない。それに日々何かと忙しく過ごしているため、地域の活動にも運ぶことがなかなか出来ていない。

 小学一年生のように、友達100人作ってみようか。

 チャンスを逃していないかと自問しつつ、全国の40歳の皆様、コロナ明けの友達づくりはどうだろう。

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