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元気を補給したいときにーー『歳月がくれるもの』田辺聖子

立秋が過ぎたとは言え、相変わらずの暑さが続いていますね。皆さま、お変わりありませんか?

女性作家のエッセイを読むのが大好きな私。

小説よりもエッセイの方が等身大の人間味が伝わってくるような気がして、これまでいろいろな女性作家のエッセイを読み続けてきました。

20代のころによく読んでいた田辺聖子さんの作品。
長らく遠ざかっていましたが、先日、本屋さんでこんな文庫本を見つけ、懐かしくて手に取りました。

決して押しつけがましくなく、いろいろな世代の女性の気持ちを代弁し、そっと包んでくれる言葉の数々。

これまでも幾度となく救われてきたことを思い出しました。

ちょっと紹介させていただきますね。(文庫本からの引用です。)

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まずは自分にマルをひとつ。夢を育てていきましょう。

 

 人生ってね、自分で何もかも選べるものと違う。 勝手に向こうからやってくるものなんですよ。だから柔らかな心で大きく迎え入れた方がいい。めぐりあいを愉しんだらいいんです。そうすると、そこから拓けていくものがかならずあるから。

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・・・大事なのは自分が自分を頼みにして「よろしくお願いします」という強い気持ち。

 たとえ今うまくいってないからといって、自分が自分をバカにしてはダメですよ。

 今は神サンがよそ見してるだけ。「私にはこんないいところがある」って自分で自分に言うて聞かせてあげて。これが自信のもと。

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堅苦しい書き言葉ではなく、柔らかな大阪弁の語り口調。そっと背中を押してくれるような優しい言葉が、小さな宝石のようにちりばめられています。

暑さと、原因不明の落ち込みのせいで元気が戻らないときに、お勧めのエッセイです。

少し古いドラマですが、『芋たこなんきん』(2006年)というNHKの朝ドラもBSで再放送中です。

田辺聖子さんの自伝的要素も盛り込まれたドラマ。

こちらも、台詞のあちこちに人生の指針がそっと隠されています。

別に華々しい活躍をしなくてもいい。地に足をつけてまた明日から頑張ろう! と思わせてくれる2作品、

お時間のあるときにぜひどうぞ!!

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