見出し画像

甲蠃宿(ガゼヤドリ)のこと

この前久々に海に行って変なものを拾った。
写真を見ての通りカシパン(ウニのご親戚)の殻から芽が生えているのである。
何ともシュールな…
次の瞬間には採取用鞄に突っこんでお持ち帰りしていた。

図鑑によるとこれは甲蠃宿(ガゼヤドリ)といって、ウニやカシパンの殻を借りる鉱植物なのだそうだ。
甲蠃とはウニの古い呼び名であるらしい。
小さいうちは海の底で育ち、夏になると一斉に海面へ上昇する様はクラゲを思わせるのだとか。(いつか生で見てみたい)

殻の中にはスポンジ状の組織があって、これで海面に浮いている。
ひっくりかえると光合成が行えず死んでしまうらしい。
ある程度大きくなると複数の個体が集まり、最大で人が一人乗れる程度の浮島のような物を形成して花の時期には渡り蝶の貴重な休憩場所となるそうだ。
この現象は花筏と呼ばれ、古くから親しまれてきた。
もしかするとこのガゼヤドリも塩水に浮かべておいたら花が付くのだろうか…

最後まで読んでいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?