愚者(THE FOOL)【今日から深まる!タロットリーディング】
こんにちは!占い師の伴奏慧樹(ばんそうけいじゅ)です!
タロットカードを細かい象徴から読み解き、理解すれば、あなたのリーディングはもっと楽しくなり、能力はもっと高まるでしょう。占いは単なる暗記ではなく、自分の直感を使うことが大切です。
今回は、ライダー版『愚者(THE FOOL)』を象徴から考察していきます。
【『愚者』の基本】
遠くを見つめて軽やかに歩く若者がいます。彼の足元は崖です。傍らの犬が見守っています。
①白い太陽
愚者のカード右上には「白い太陽」があります。
タロット全体を通して「太陽」は”大いなる作業”の象徴です。「太陽」が登場すると「神様の導き」というような大きな力が働いていることを示しています。”「お天道様」が見ている”という感覚がまさにピッタリです。
色に注目してみましょう。「白」には、色自体に「明るくする」という意味があります。光の三原色(赤(Red)緑(Green)青(Blue))がすべて混ざり合うと「白く」見えます。つまり「白」は、光そのものを象徴する色であるといえます。また、太陽からの光や蛍光灯の光はもともと「白」色です。葉っぱが緑に見えるのは、葉っぱに含まれる葉緑体が”緑色以外”の光を吸収してしまうからです。白い壁が「白」く見えるのは、光がほとんどそのまま反射しているからです。そのため「白」は素材がそのままであること、純粋なことを表します。
そして、純粋であるということは、あらゆる可能性を秘めているということです。まだ何物でもないので、これから何にでもなることができます。無から有を生み出す存在であるともいえます。
白い太陽と”純粋さ”
誰もが一度は見たことがある、アニメ『アンパンマン』の世界の空には「白い太陽」が浮かんでいます。
この『アンパンマン』の世界では、誰も”疑うこと”を知りません。毎回のように、敵役であるバイキンマンがばればれの変装をしても、誰もが純粋に信用してしまいます。「白い太陽」は、「アンパンマン」の世界を楽しめるような、純粋な心を思い出させてくれるものです。
②黄色い空
愚者に描かれている空は、とても明るい「黄」色です。
「黄」色には、色自体に「浄化する」という意味があります。黄色で最も有名な天然石(パワーストーン)である『シトリン』は、石そのものの浄化作用から”まったく浄化が要らない石”だといわれています。「黄」色には、それほど強力な浄化力があるのです。
さて、空が「黄」色であるということは、環境そのものが「浄化されている」ということです。そのため、不要なものがない状態=「豊かである」「喜びに満ちている」状態・環境であることを表しています。
黄色い光に包まれたなら
上記の『アンパンマン』の世界では、太陽の周りに「黄」と「緑」の層があります。その外側は、空の「青」です。分解して考えると、太陽から出た「黄」色の光が、空の「青」と混ざって、「緑」の層を作っていることがわかります。つまり、『アンパンマン』の世界の空を包む光も「黄」色が元になっていると考えられます。『アンパンマン』の世界が、「豊かであり」「喜びに満ちている」ということは疑う余地もないでしょう。パンは常に無料で提供され、ほかの食べ物や住む場所は無限にあります。誰も対価を求めたりしないし、通貨の流通もないようです。
③遠くの山並み
愚者の足元から、カードの下半分のほとんどが「山」に覆われています。
「山」は越えていくべきものを表しています。これから旅を始めようとしている「愚者」にとっては、世間の厳しさや人生の課題なのかもしれません。
また、それが遠くに見えるということは、時間的に遠い=将来的に直面するであろうということが示されています。
④白い犬
足元の白い犬は、忠誠心、魂の導き手を象徴しています。旅人にとっての忠実な友であり、ガイダンスとなってくれる存在です。「白」はやはり純粋さを表しており、どこまでも純粋に付き従ってくれることを表しています。
魂を導く犬
ディズニー映画『リメンバー・ミー』に登場する犬の”ダンテ”は、メキシカン・ヘアレスドッグ(ショロ犬)でありながら、主人公ミゲルのお供として〈死者の国〉に”ついていき、魂の導き手である”アレブリヘ”に変化する不思議な存在です。また、ミゲルが困ったときには何らかのヒントを与えてくれる描写も多く、まさに犬が友達であり、人間の魂の導き手であるとして、わかりやすく描かれています。
⑤足元の崖
「愚者」の足元は、岩場の崖になっています。飛び込み板のような形状の崖は、跳躍のきっかけであり、冒険においての試練を表しています。この崖に差し掛かったとき、どう行動するかが問われている状況です。
崖の先に何があるのか
崖の先には何があるのでしょうか?映画『ライオン・キング』では、オープニング曲『サークル・オブ・ライフ(Circle of Life)』のクライマックスで、主人公シンバがヒヒのラフィキに”崖の上で”高々と抱き上げられるシーンがあります。
この崖が、これからシンバを待ち受ける試練とともに、次なる王様として跳躍していくことを象徴しているようです。実際、シンバの父親のムファサは崖から転落することによって殺害され、またシンバが復帰に至るきっかけとなるラフィキの気づきは、崖の上から飛んだシンバのフケによってです。本作のヴィランであるスカーとの決着も、崖の上で繰り広げられます。
また、映画『アラジン』に登場するアラジンの家は、崖の上にありますし、ランプの魔人ジーニーのランプは高い崖の上にあります。映画のなかでは、最終的に主人公が成功しているために、ドラマとして成立しています。しかし、実際には、いずれも(アラジン自身も、ランプの扱いも)大成功する可能性もあれば、失敗に終わる可能性も含まれているものです。
⑥黄色いブーツ
しっかりとした黄色いブーツは、長距離の旅のための装備のひとつです。黄色は、やはり「浄化する」ための色ですから、ネガティブなものを払い除ける力があります。すなわち、前向きで健康的な気分で、旅が進んでいくことを示しています。
「黄色いブーツ」の国民的アイドル
黄色いブーツを履いている有名なキャラクターがいます。彼はいつも元気いっぱいで、人々に笑顔を届けるために、飛び回って(長距離)います。
そう、「アンパンマン」がその人です!
黄色いブーツには、まさに”それいけ!”という気分が表れているのかもしれません。
また、世界的アイドル「ミッキーマウス」もブーツではありませんが、黄色い靴を履いています。彼もまた、世界中に元気を届けているという点で、ポジティブな気分を胸に飛び回るキャラクターのひとりです。
⑦朝顔と草の服
愚者の来ている服には、朝顔と草の模様があります。(朝顔)=はかなさ(朝だけ咲いて、しぼむ)、その周囲の(草)=雑然さ(ごちゃごちゃしているもの)を表しています。まだ、気持ちが安定せず、整理のつかない状態であることが読み取れるでしょう。服自体は、旅をするために、邪魔にならないような軽いデザインの服です。
⑧白いインナー
白いインナーは、内側が「白い」こと、すなわち内面の純粋さを示しています。心の奥にきらめきを持つ人物であると考えられます。
”見かけは地味だけど、中身はダイヤモンド”
映画『アラジン』の冒頭では、アラジンが登場するよりも前に、主人公アラジンのことが「中身はダイヤモンド」だと形容されています。
また、”魔法の洞窟”の言う「我が中に入らんとする者。内側に輝きを秘めたる者。ダイヤの原石のような男。」がアラジンのことであることが、本作のヴィランであるジャファーの魔法によって判明します。
上述のように、アラジンの家は崖の上に立っていて、それは跳躍のチャンスと試練があることの暗示です。
最終的に、試練を乗り越え、一般市民から国務大臣に上り詰めるという、芯の強さと誠実さに”ダイヤの原石”という輝きがあるのでしょう。
このアラジンが王子「アリ・アバブワ」に変装する際、選ばれたのが「クリーム色」~「白色」の衣装でした。特に有名な「A Whole New World」を歌うシーンでは、夜空の紺色と白い衣装のコントラストが非常に美しく表現されていました。アラジン本人の内面の輝きが美しく表現されているシーンです。
⑨オレンジの裏地
オレンジ色の裏地は、頭に血が上ると、可能性を見失うことがあることを表しています。「オレンジ色」がオレンジ色としてではなく、「黄色」に「赤色」で表現されていることがポイントです。「赤色」=「血液」「情熱」が、「黄色」=「状況」「環境」(このカードの場合)を見えづらくしてしまうことがうかがえます。服の裏地としてチラリと覗いていますから、そういう部分もある人物だということでしょう。むやみに感情を爆発させず、冷静に頭を働かせることが大切です。
⑩白いバラ
左手に持たれた「白いバラ」は、このままにしておくとすぐに枯れてしまうでしょう。そのため、はかなく、か弱い存在であること、また純粋さを表しています。
”吐息を「白いバラ」に変えて”
小林明子さんの名曲『恋におちて -Fall in love-』のなかに、「白いバラ」が登場します。
この歌詞のなかでは、逢えない日の吐息を「白いバラ」に変えると表現されています。つまり、はかないものの象徴であり、純粋に貴方を想う気持ちの象徴として描かれていると考えられます。
否定的な「白いバラ」
一方、ディズニー映画『ふしぎの国のアリス』では「白いバラ」はある種、否定的に表現されています。
トランプの兵士たちが、ハートの女王がやってくる前に「白いバラ」を”赤く塗ろう”としているのです。物語のなかでは、ハートの女王が「赤」が好きなため、「白いバラ」を植えると殺されてしまうといわれています。
しかし、実際には「赤いバラ」を見て「どうして花びらを汚したのか!」と激怒し、赤く塗ろうとしていたトランプたちを処刑する宣告をします。ここでは、問題が「白いバラ」があることではないのです。
「白いバラ」は純粋であることの象徴であると書きました。その後の展開を見ていると、ハートの女王は忖度が大好きであることがわかります。そして、周囲の登場人物たちもそれをしっかりと理解して、行動しています。
「白いバラ」は、純粋そのものであり、忖度などまず考えないでしょう。主人公のアリスも、純粋に行動するがゆえに、女王を怒らせ、最後まで追いかけられてしまいます。つまり「白いバラ」のように、純粋であるということが、ハートの女王にとっては好ましくないものだと考えられます。
⑪鳥のカバン
鳥は、遠くまで飛んでいくことができます。そのため、旅と軽やかさの象徴です。また、しっかりとした刺繍がされた鞄は、旅人がある程度豊かで、余裕があることを表しています。誰かに強いられた旅ではなく、自分で準備してきた旅なのでしょう。
⑫赤い羽根の帽子
羽根は、ひらひらと舞ってくるものです。そのため、上からやってくる直感を表しています。さらに「赤色」は情熱の色なので、ここでの直感はとても情熱的なものになります。たとえば、思い立ったら(直感)、勢いで(情熱)ふらりと出かけていくことを象徴しています。
赤い羽根のついた帽子をかぶるヒーローたち
ディズニー映画『ピーター・パン』と『ロビン・フッド』のヒーローはいずれも、赤い羽根のついた帽子をかぶっています。
ピーター・パンは、ネバーランドに住む少年で、自由に空を飛ぶことができます。ディズニーの公式サイトでは、以下のように書かれています。
ここでの”気まぐれな性格”というのが「情熱的な直感」ということに通じていると考えられます。「情熱的に」行動を起こすことのできる男は人気があるようですね。
また、ロビン・フッドは、プリンス・ジョンが国民から巻き上げたお金を取り返し、国民たちに返している義賊です。
彼は、思いついたらすぐに行動に移してしまうため、相棒であるリトル・ジョンが振り回されてしまうという描写がいくつかあります。彼もまた「情熱的な直感」に突き動かされて、次々と行動を起こしていくことができるのです。
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