働き方に関する本を書いています。2021年3月頃出版の予定です。

 ここでは、その内容について順次ご紹介して行きます。

●勤務時間

 長時間労働は良くない、休日はきちんと休もうという考え方が世の中で言われ出したのはごく最近です。私が就職した1986年当時は、残業が当たり前で、定時で帰るにはそれなりの理由が必要でした。職場全体がそのような雰囲気なので、私も特に疑問に思わず、残業と休日出勤が習慣化していました。土曜日と祝日は出勤するものというようになってしまっていたのです。そのような時代でも、残業や休日出勤は一切行わず、定時で帰る人がいました。私はそのような人達に対して、さぼっているというような印象を持っていました。

 入社間もない若い頃は、とにかく仕事を覚えるという点で長時間労働も効果があったのだと思います。しかし、それが習慣化してしまったのは、良くなかったと今では思います。土曜日出勤すると、外部からの電話もないし、社内の他の人からも何も言って来ないので、時間は十分あります。そこで、朝出勤したら先ずはお茶を飲んだり、仕事と関係ないことをしたりして、ゆったりしてからぼちぼち始めるという感じだったように思います。それでも残業や休日出勤をする方が熱心なんだと思い込んでいて、その間違いに気づかなかったのです。

 最近の若い人達は、従来の古い価値観に染まっていないので、もっと自分の時間を大事にした働き方をすると思います。間違って欲しくないのは、長時間労働がいけなくて、短時間労働が良いと一律に言えるものではないということです。一人ひとりが考えて、必要だと思えば残業すれば良いし、必要ないと思えば早く帰れば良いのです。

 会社の仕事で必要と思えば、自宅に帰ってから勉強することも良いし、職場に残ってやっても良いでしょう。要は、自分で必要と思えば働けば良いし、必要と思わなければ働かないというめりはりをつけることです。水曜日は17時半には帰りなさいと会社から言われてその通りしているのは、何か小学生の子供みないではないでしょうか?

●多様な働き方

 従来は、皆が同じ場所で同じように働くという働き方でした。労働人口が減少し、しかも、従来のような残業が当たり前でなくなった現在、1日のうち半日だけ働く、週のうち何日かだけ働くという働き方も認めて、高齢者や小さなお子さんを持つ女性の力も活用する必要が出てきました。ちょうどコロナ禍の影響で、在宅勤務やネットの活用が当たり前になり、この動きを加速するものと思われます。

 これからの時代には、「皆と同じように働く」という考え方はどんどんすたれて行くことでしょう。それぞれの人が、自分の生活や価値観に合わせて勤務時間を決めることが増えて来ると思われます。一人の人が複数の会社に勤務したり、社員ではあるけれども、出勤や勤務時間のしばりはなく、所定の成果を上げれば良いといった働き方も可能になるのではないかと考えています。

 そのような時代には、自分が関わる仕事に、どれくらいの時間を割き、仕事から何を得たいと考えているのか、一人ひとりが明確にすることが求められるのではないかと思います。

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