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1000年残る仕事、一瞬で消える仕事。1000年後の絵画と音楽について。Tokyo 2nd Lockdown day22

私は音楽ドメインをしてきた。あるときからそれは意識的で、音楽に関わる仕事しかしない、と決めた。(それは別のお話)

私は演奏することがメインの仕事ではないが、音楽という芸術は一瞬で消えていくものだ。それを録音・録画したとしても音楽の本質の痕跡を辛うじて捉えているに過ぎない。

しかし絵画や彫刻などの仕事はすごい。日本画家の千住博さんが高野山にふすま絵を描くNHKの特集があった。千住さんの「滝」が見事なふすま絵に描かれたが、そのふすまの裏は狩野派の襖絵だ。時空を超えたコラボレーションがすごい。これは音楽ではできない。

また和紙造りの職人もスゴかった。今から1000年もつ紙を作るのだ。1000年。それは3021年だ。

描き上がった千住博さんの「滝」「崖」の絵を実際に高野山のふすまに入れ込む作業をする京都の表具の職人の方々もすごかった。
今ある高野山のふすまを外して和紙を外す。その和紙は100年以上前の表具職人によって貼られている。その技を見ながら感嘆しつつ、これから自分が作業する表具職人としての技も、また100年先、1000年先の職人が見る。その職人に恥ずかしくない仕事をしよう、と思って最高の仕事をする。この職人仕事の時間を超えたリレーもまた、素晴らしい。

時間を超える絵画や彫刻に対して、一瞬で消えていく儚さの極地のような音楽。遥か先の1000年後、3021年の音楽とはどんなものなのだろうか。

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