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母の復讐に人生を掛けた女性の末路がヤバい『この子の七つのお祝いに』

つい最近まで自分で書いた小説を記事にしていたのですが、ブログで発信しているので、noteでは別の事をしたいなと思って全削除をしました。

何を書こうかと考えた末、ホラーミステリー系の映画が好きなので、勝手に評論&オススメする記事を書いてみようと思います。

最初の記事となる今回取り上げる作品は『この子の七つのお祝いに』です。

この子の七つのお祝いにの作品概要

  1. 作品概要:

    • 原作: 斎藤澪の同名小説(第一回横溝正史ミステリ大賞受賞作)。

    • 公開年: 1982年。

    • 監督: 増村保造。

    • 主演: 岩下志麻。

  2. あらすじ:

    • 昭和25年頃、東京都大森の古い木造アパートで、母親の真弓と娘の麻矢が2人きりで住んでいた。

    • 真弓は麻矢に「お父さんは私たちを捨てた悪い人。恨みなさい、憎みなさい。大きくなったら必ず仕返しをしなさい。絶対に許しては駄目」と毎日毎晩教え込み、虐待していた。

    • 麻矢が7歳の正月、真弓は彼女に晴れ着を着させた後、手首と頚動脈を切って自殺した。

    • 35年後、東京の住宅街で無職の女性、池畑良子が凄惨な手口で殺される。

    • 記者の母田と後輩の須藤は事件の真相を追求し、秘密や復讐の謎に迫る。

  3. 魅力:

    • 深刻なテーマ性と謎解き要素が絶妙に組み合わさったミステリー作品。

    • 岩下志麻の演技が際立ち、感情豊かなキャラクターを魅力的に描いている。

この作品の最大のオススメポイント

かなり昔の作品ではありますが、この映画の恐怖であり最大のポイントは、『人の思い』という部分にあります。多少ネタバレを含みますので、ご了承ください。

岩下志麻演じる麻矢は、母親から聞いた父親のひどい仕打ちに対して復讐するためにその人生を捧げてきました。自分が愛した人でさえ、父親への復讐を優先させるほどでした。

しかし、ラストで明かされる驚愕の内容は、『実は自分が母から聞いた父親の話は間違っていた』という大ドンデン返しが待ち受けています。文章にすると非常に陳腐なのですが、麻矢の母親である真弓は戦後の混乱の中で結婚することとなった夫との間に子供を授かりました。

ある日、ふと目を離したすきにネズミに顔を食いちぎられ子供は死んでしまいました。その日から真弓は日に日におかしくなってしまいます。また、夫は本来の妻であった女性と再会し、真弓との関係を断ち切ろうとします。多額の金と引き換えに真弓はそれを了承しますが、夫と前妻の間に出来た子供を誘拐し、あろうことか自分の子供として育て上げました。それが『麻矢』でした。

つまり、麻矢が真弓から聞いていた父親の話は、母である真弓の妄想であり、精神的に崩壊してしまった母の譫言を信じた挙句に麻矢はその人生を翻弄されることになったのでした。

最終的に再開した父親から事の真相を聞かされ真実を悟った麻矢は、その場に蹲り、自分の人生を振り返るとともに壊れてしまいます。

自分の信じていたものが、実は違っていたと悟った時の人間の心の動きや、人生さえも左右してしまう人間心理に恐怖を覚えざるを得ません。

まとめ

いかがだったでしょうか。文字だけではなかなか伝えられない魅力が詰まったこの作品を是非たくさんの方に見ていただけたらと思っています。多くのオンデマンドサービスで視聴できますので、是非探してみてください。


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この作品と同じように、『人の怖さ』について『リアリティ』『合理性』『衝撃のラスト』に拘って小説を作っています。良かったら下記のリンクからご覧いただき、応援お願いします。
和室の押し入れにあった古い日記


最後までご覧いただきありがとうございました。


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