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儀式③

さて、今日は事件の捜査権を検察に引き渡す<送検>の日です。

逮捕状が執行されて48時間以内に行われるこの<送検>ですが、中々の過酷さであります。
何が過酷なのかというと”長時間、待たされる”ということなんです。

何か予約をして、その時間から1時間待たされた場合、イライラMAXになる方も多い思いますが、ここでの待ち時間は検事に会うまで3〜4時間とまさに異常な世界なのです。それが終わったら勾留質問を受ける為に裁判所に向かうのですが、それも2〜3時間、再度待たされるのです。

検察の取り調べと裁判所での勾留尋問は別日でも良いのですが、この2つを逮捕後72時間以内に終わらせなくてはならないので、できるだけ同一日に行っているようでした。

この時に同行した刑事ですが、今回の事件捜査に関わっていない3名が私の送検にあてがわれました。
なので、何の事件で捕まったかを彼らは知りませんので、こちらの刑事も基本的には優しいです。
待たされる際も基本的には検察庁内の待合室なのですが、待合室も埋まっていると捜査車両の中で、ということになります。

この日はたまたま裁判所の勾留質問の時間まで3時間をセダンタイプの捜査車両で待たされました。挙句に後部座席の真ん中に私なのですが、左隣は女性刑事ということで変に気を使う形となり、とても疲れました。

黙って待っていると精神的にもよくありませんので、少々世間話も。
私「大変なお仕事ですね。」
女性刑事「もう、辞めたいです。この仕事はオススメできませんよ。」

隣の捜査車両で待機している刑事もスマホで漫画を読んでます。
これで、税金から給料もらってると考えると少々複雑な思いです。

以後、何度か別の刑事からも同じ思いを聞かされました。
本当に大変なお仕事のようですが、日本には職業選択の自由がありますので、辛いからといって適当に仕事をするのであれば転職した方がお互いのためかもしれませんね。

さて、話を本題に戻します。

散々待たされた挙句の検事取り調べは、ものの15分程度で終了。
キッパリ全面否認し、署名指印のうえ、終了。
その後、裁判所裁判官より勾留質問され、何の事件でここにいるのかを確認されました。
検察に対して同様「私はこの事件の犯人ではありません。」と言っても「あ〜、はいはい。」といった感じで全く取り合ってもらえません。
それどころか、「弁護士は?」と聞かれ「昨日の今日で、まだ決めてません。」と伝えたら、大変驚いた様子でした。
警察署に戻ったらすぐに弁護人を選任するよう手続きするよう言われ、勾留質問も終了。

来た時と同じ捜査車両に乗って警察署に戻りました。

早速、留置場の担当さんに弁護士の相談をすると、快く弁護士会から当番弁護士を向けてくれる段取りをしてくれました。
しかし、もう夜になってしまったので明日の対応と言うことになってしまいました。

孤独の身はもう少し続くようです。

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