保釈って難しい?
保釈中は色々考える時間が沢山あります。
逮捕勾留と刑務所の制度はどこの国でもあるのかと思いますが、保釈の制度はどうなんでしょう。旅行好きの私にふとした疑問が湧いてきました。
私が大好きなアメリカの保釈制度は日本と似ていますが、大きく異なる部分もあるようです。
アメリカでは保釈金額に関わる部分は検察が決定し、保釈保証金(以下、保釈金)を預かるのは連邦裁判所になります。
なんと、殺人事件でも保釈が認められることもあり、その相場は100万ドルに設定されています(約1億3,500万円/2022年6月20日現在)。他にも性犯罪は$25,000、過失致死罪は$100,000みたいです。傾向として重大犯罪になるほど保釈金額は上がっていきます。
ちなみに、私の窃盗疑いに対する保釈金は500万円(ドルに換算すると約$37,000)でした。アメリカと比較してどうなんでしょうね(笑)
この保釈金を差し出すことがクリアできたら殺人を犯しても裁判で量刑が決まるまで、条件付きで自由の身になることができてしまいます。勿論、保釈金を預けても全てが保釈される訳ではありませんが。
日本では、このような重大犯罪に対しての保釈は認められませんので、そこは大きな違いですね。
もう一つ、アメリカの保釈制度についてご紹介します。
アメリカにはエージェントに所属した<保釈保証人>という人物がおりまして、保釈保証人が被告人を保釈するため保釈金を用意します。 通常、保釈保証人は保釈金の10%を手数料として請求します。この手数料はたとえ裁判の結果が有罪無罪関係なく返金はしません。
保釈保証人は被告人の私物を担保として預かることもあります。担保となるものがない場合、被告に協力的な被告の家族や友人などから担保を受けます。被告人が裁判に現れなければ、保釈保証人は被告を捕えるために第三者を雇うだけでなく、立て替えた保釈金の返済をもとめて裁判を起こす権利があります。
これに似たような制度は日本にもあります。
ただし、立替限度額は500万円までとのこと。
ニュースを見ていると保釈の是非が度々報じられます。
よくあるのは、保釈期間中の<逃亡と再犯>かと思います。この問題はどこの国でも同じようです。
日本でも、よくこの問題が取り上げられますが、被告人は裁判が終わるまで推定無罪の原則があります。
私はたまたま、起訴直後で保釈が認められました。しかし、現実は拘置所や留置場で数百日に渡る勾留も珍しくありません。その期間は檻の中に閉じ込められ、自由は一切ありません。
もしも皆さんが無実の罪で捕まったら、この現実をどう思いますか?
普通に生活していても、逮捕されないという可能性はゼロではありません。
私も経験してわかりましたが、この国の刑事司法は間違っている部分も多々存在していると感じます。
しかし、何をどこまで変えたらいいのかの判断はとても難しいです。
保釈ひとつとっても、逃亡や再犯が起こっている事実があるため、基準となる線引きが難しいのです。
とは言っても、身柄拘束はそれ自体が刑罰になってくると思います。反面、アメリカのように殺人犯を野に放つのもそれはそれで社会の安全が脅かされます。
<保釈>は基本的人権に大きく関係する重要なテーマです。
社会全体で、私たちが我がこととして考えるべき問題ではないでしょうか。
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