見出し画像

NO.15「あるくみるさがす」神津島、英語の愛称に驚き(2023年5月中旬2泊3日)

 私は東京諸島(伊豆諸島と小笠原諸島の愛称、有人は11島)をすべて回りたいと思っている。
 その心は、これほど自然の魅力に富んだ島々がここ首都東京にある有難さを実感したいこと、そして、自分の魂が本当に安らぐ場所を個人的に見つけることだ。

 今まで、大島、新島、八丈島、三宅島を訪れた。そして今回が神津島と式根島だったが、天候不順による船の欠航のため後者は断念した。

 行きは高速船、帰りは大型船+高速船を利用したが、まずはその船の特徴など感じたことを紹介したい。どちらを選ぶかは人により迷うところだが、自分にとっては展望デッキの有無は大きい。

■高速船:最高時速80キロで目的地により早く着き、揺れも少ない。が、外 
 部の展望デッキがない。大型船より欠航が多い。

■大型船:時速35~40キロ程度のスピードなので、目的地までより時間がか 
 かる。が、外部の展望デッキから、航海中、海や島々、夜空の星などの景 
 色を楽しめる。欠航がより少ない。竹芝発の夜行はちょっと体にきつい。
 

東海汽船の高速船
東海汽船の大型船

 今回特に気になったのは、東京汽船クルーの制服のことだ。男性クルーの全員が濃紺の制服を着ているが、自衛隊の制服のように見えてしまい、率直に言ってとても地味でクルーとしての温かみやホスピタリティが恐縮だがあまり感じられない。
 私は「上下真っ白い制服」を着てもらうのがいいと思う。そして女性のクルーも必ず1名は乗船させ、同じく真っ白いスーツを着てもらえれば、船内はより明るく、旅情をより誘う船旅になること請け合いである。船のクルーは「かっこよさ」が必要だと思うがこの提案はいかがだろうか?
 
 さて、目的地の神津島だが、私から見るとこの島は、「天上山トレッキング」と「ダークスカイと星空観賞」の2枚看板の島のように見える。(もちろん、他の島にはない長い遊歩道が自慢の「赤崎遊歩道」も必見のスポットであることは忘れていないが)
 これらの看板はどちらも天気に大いに左右されるところが共通している。
 
「旅は天気によって何十倍も価値が違う」が私の持論で、ほとんどの旅は晴れていることが外せない前提だと思う。旅は好天でなければならないのだ。
 
 従って、これまでできる限り天気を最大限意識して旅行計画を立ててきた。具体的には2週間前に当日の天気予想を見て、その実行を決めてきた。この時点で雨天が予想される場合は旅行を延期してきたが、今回はその時点はパスしたが、1週間を切ったところで雨マークがついてしまった。
 キャンセル料もかかるので、間際の逆転を祈って旅行を決行したが、結果は一番大事な真ん中の1日の午後から大雨に降られてしまった。
 

天上山の10合目(下界は何も見えない)

 山道は雨になると滑りやすく危険で、頂上に上がってもクリアな下界は見えない。雨がやんでも雲に覆われたりガスったりすると同様に行く価値が減じ、苦行に成り下がる。やはり晴れしかありえないのだ。
 
 さらに今回は2晩とも空はどんよりとして名物の星は一つも見えなかった。星空の鑑賞のために、村を上げて街灯を下向きのLEDライトに切り替えダークスカイを実現したその成果を見たかったが、それも持ち越しとなった。
 
 「雨など悪天候になっても又別の魅力や楽しみ方がある」など前向きな考え方をする人もいるが、私にはそれは自分への偽りの慰めのように感じてしまう。
 無理せず「きっぱりと諦める」ことがいいと思う。そして次回に再挑戦を期すと決める。(全く余談だが、これはあたかも投資におけるロスカットに似ている)
 
 それではどうするか?
 替わりに、昼間から読書を楽しむ。(本がなければ地元の図書館に行く)。丸1日温泉三昧と決め込む。地元の美術館や資料館に入り浸る。など結構楽しみ方はいろいろとある。頭を切り替えることが重要だ。
 
 今回、かろうじて曇りだった2日目の午前中、神津島観光協会が主催する所要1時間程度の「島さんぽツアー」に参加した。
 参加者は私一人で、ガイドは観光協会スタッフの江藤さんという方で、ブラタモリ風のとてもわかりやすい解説でお世話になった。
 
 神津島の英語の愛称は何と言うか想像できるだろうか?
 英語表記は「Kozushima」 だが、ツアー中見た案内板には、愛称として「Island of God」という表現があった。なんと驚くべきビックネームだろう。外国人が見たらドキッとするに違いない。
 
 この「島さんぽツアー」はこの名にふさわしく、島の開祖を祀った神社始め、歴史や伝説が刻まれた史跡などを回る内容になっていた。ガイドブックには書いていない話を聴けるし、いろいろと質問もできるので初めての人にはお勧めだ。参加費もわずか2200円だった。
 
 このような各島の地元のガイドさんによる案内は、一般的には半日で5000円位が相場だと思う。これは海外のガイド基準と較べると数分の1の価格でとても格安だ。ぜひ、積極的に利用をお勧めするし、各地元はいいガイドさんの維持、育成をさらに続けていくとさらに来島者が増えていくだろう。
 

島の開祖を祀った「物忌奈命神社」

 

流刑になった徳川家康の侍女、キリシタン「ジュリアおたあ」の墓

 今回は神津島に2泊した。これは平均的な宿泊数だろうが、これからはもっと「ロングステイ」を実現していくことが旅行者と地元の双方にとって大事だと感じる。

 もし、仮に1週間滞在すれば、
 旅行客にとっては、天気のリスクが少なくなる。いい天気に会える日が多分ある。よりその地を理解し、地元の人との交流やふれあいの機会も増える。長い移動の負荷が相対的に下がり、体も楽になる。
 地元にとっては、より多い旅行消費、税収増に結びつき、宿泊施設の整備や観光インフラの充実化につながる。人口減をストップにもつながる。旅行会社にとっても新しいツアー企画として腕を振るうチャンスとる。
 つまりいいところだらけなのだ。
 
 神津島から大島乗り換えで竹芝桟橋に帰ってきた。大島では2時間弱の乗り換え時間があったので、岡田港近くの日の出ビーチで、海に向かって普段の習慣となったストレッチング体操をじっくりとやった。
 海風は、ミネラルとマグネシウムを含んでいるので、これを浴びながらのストレッチングは副交感神経を活性化するなど健康にもよいことは間違いない。
 伊豆諸島の島々の多くは緑にも覆われている。樹木が発散する香りの成分フィトンチッドを浴びると気分は爽快になり健康によいとも聞く。
 つまり海と森に囲まれた東京諸島の島々により長く滞在することは本当に体に優しい行為に違いない。
 
 これからもますます島への旅を続けたい。
 来月末はいよいよ待望の小笠原諸島に行く。

人気スポット「赤崎遊歩道」

備忘録:
「島さんぽツアー」を通じて、伊豆諸島の溶岩が固まった岩石の違いを学んだ。
流紋岩(白色):神津島、新島、式根島
玄武岩(黒色):それ以外の島(大島、八丈島、三宅島など)
白い砂浜のビーチは、流紋岩の島に行くと見ることができる。

備考:タイトルの写真は神津島、天上山の頂上。晴れていればこのような風景が見えたはず。
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?