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NO35.「あるくみる・かんがえる」もしも北海道が外国に奪われたら・・・

 6月下旬に札幌で現役時代に務めた企業の同期会があった。
 懐かしい一夜を過ごし札幌で1泊したのち、旅仲間の同期一人と列車で釧路に移動。そこからレンタカーで根室、納沙布岬、知床半島など初めて東北海道を4泊5日で廻った。快晴が続き充実した周遊旅行を楽しめたが、いくつかの発見もあった。

 「行かないとわからないこと」、「行ってみて改めて考えること」に出会えるのが旅の魅力だ。
 この旅で感じたことをここにメモしておく。

 広大な大地を走り過ぎながら感じたことは、まず何と言っても「北海道が日本の領土でよかった」という思いだ。もっとはっきりと言うと先の大戦でソ連にこの地を取られなくて本当によかったと率直に思う。

 北海道は日本の重要な食料供給の中心地。政府発表の資料によると、水産物は日本全体の約20%、農産物は約15%をこの地が供給している。その人口は約500万人と日本全体のわずか4%なので、域内需要の数倍の食料を本州などに供給していることになる。
 日本の食料自給率が37%で多くを輸入に頼っていることを考えると、絶対手放せない国の生命線のような地であることをその風景を見ながら痛感する。

水揚げ量日本一に返り咲いた釧路港

 北海道の不動産が中国人など外国人に買われているという話を聞く。その規模がどれくらいか発表されないので余計不安が募る。ロシアが攻めてこなくとも、別の国から違う形の侵略を受けているとも言え安心できない。

 北方領土のことは最近のニュースに出てこないが、現在の我が国とロシアとの関係を考えると誰もがしばらく動きはないだろうと感じている。札幌の道庁の玄関口に「北方領土4島返還」をアピールする大きな看板があったが、残念ながら今は無力感を禁じ得ない。

 今回の旅行で納沙布岬から海岸沿いに知床半島に向かう中、歯舞諸島や国後島と思われるものが見えたが、案内板が海岸にほとんどなく、どれがロシアのものでどれが日本の領土なのかが分からず困った。北方領土のことをより多くの人に認識してもらうためにも訪問者向けのわかりやすい掲示が必要ではないだろうか。

 釧路湿原でソーラーパネルの設置が増えて問題になっていることは詳しくは知らなかったが、確かに目立っていた。
 ネットニュースによると、日照時間が長く、平らな土地、送電網も整備されているなど条件も揃い、その面積は東京ドームの45個分の広さに当たるそうだ。
 パネルのリサイクルの問題が全国的に浮上しここだけの問題ではないが、パネルの8割は中国製と言われており、ここでも中国が話題となる。

 その中国だが、おおよそ10年前は中国人観光客にとって北海道が一番人気の旅行先であったはずだが、今回東北海道を周遊して中国人観光客にあまり会うことがなかったことに気付いた。
 香港や台湾の旅行者には会うのにちょっと不思議だ。ブームは完全に去ってしまったのだろうか?観光庁の数値を見ると、他の国と較べ確かに中国人の回復が遅いがその大きな理由がわからない。

 中国人だけでなく日本人の団体旅行バスともあまりすれ違うことがなかったが、これはシーズン的なものと思われる。6月下旬は穴場の季節で、落ち着いて夏前の緑の北海道を楽しめるタイミングということで勝手に納得した。

 知床クルーズでは、あの「KAZU1」の事故があった海域を今回乗った観光船が通った。何事もなかったように船は通りすぎ誰も気づいていないようだった。
 あのような事故は忘れ去られてしまってはいけないと感じ、密かに手を合わせてご冥福をお祈りした。

悲しい事故が起こった現場水域

 北海道は大きく広い。千歳空港など東京からの直行便が就航している空港から短時間でアクセスできる自然の中でのんびり過ごせる自分のお気に入りスポットをぜひ探したいと思う。例えば千歳から30分で行ける支笏湖などはどうだろう。
 お勧めのローケーションをどなたかアドバイスいただければと嬉しい。                
                                (了)


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