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採用面接で使えるウソの見抜き方

アメリカではCIAやFBIの元捜査員が独立してコンサルタント会社を設立し、ウソの見抜き方を教えているケースがあります。ところが私の知る限り、我が国ではそんな会社はありません。実は私が独立を決意したのは刑事として培ってきた「ウソの見抜き方のスキル」をビジネスで役立ててもらいたいと思ったからです。刑事の仕事はウソを見抜く場面の連続です。犯人はもちろん、目撃者、被害者ですらも虚偽の事実を告げる場合があります。常に真実は何か、真実はどこにあるか、を考えながら仕事をしているのが刑事なのです。

ウソを見抜くにはどうしたらよいでしょうか? 実は人間はウソをつくと「ウソのサイン」が現れます。ウソのサインは質問を契機に「しぐさ」と「話し方」に現れるのです。どちらか一方に、また両方でも二つ以上のサインが現れたらウソをついている可能性が高いといえます。

「話し方」のウソのサインの代表的なものは「逆切れ」です。ウソ付きはこの場をウソで誤魔化せないと感じると最後の最後で逆切れしてかわそうとします。私の経験から犯罪者は特に逆切れする傾向が高いといえます。また「余計な説明が多い」というのもウソのサインです。ウソ付きは沈黙が怖いので余計な情報を相手に与えて信用してもらおうとします。その結果、多弁になるのです。その他にも「質問に答えることができない」「質問を繰り返す」「簡単な質問が理解できない」「質問に答えずにそのまま相手の質問を繰り返す」などもウソのサインです。
 

「しぐさ」のウソのサインで代表的なものは「反応しない、反応が遅い」。質問に対して反応しない、あるいは反応が遅い場合をいいます。つまりすぐに答えられないのです。答えに迷っているため反応できません。また「肩が揺れる」。政治家が記者会見など立って話しをしている時にでやすいしぐさですが、困った質問がくると肩が左右に揺れるのが特徴です。居心地が悪くなるのでそんなしぐさになります。その他にも「身振り・手振りがなくなる」「整理整頓のしぐさ」「顔に手をやる」などのしぐさもウソのサインです。
 ウソのサインを見つけたらウソをついている可能性が高いわけですから更に質問をして真実を明らかにします。ウソを見抜くのに有効な質問法として「可能性質問」があります。例えば従業員用のロッカーで現金が盗まれる事案が発生しました。どうもあいつが怪しいという職員が浮上しました。その時に使える質問法が「可能性質問」です。「あなたがロッカーから現金を盗んでいるのを見た人がいる可能性はありますか?」と質問するのです。盗んでいない社員であれば「盗んでいるのを見られた可能性?ないですよ、だって盗ってないですから」と答えます。ところが盗んでいたらどう答えるでしょうか?犯人である場合「もし見られていたらなんて答えようか?」と考え始めます。そこに考える「間」が生まれます。つまり「反応しない、反応が遅い」というウソのサインが出る可能性があります。この質問法は犯人であればあり得る可能性について突っついてみる質問法なのです。このように面接ではウソのサインを見抜いて交渉を有利に進めることができるのです。

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