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読んだ本の感想をひたすら書く その5

 まただいぶ本が読めたので感想を書いておこう。あとで読書メーターに転記しておくのもいつも通り。

MMTが日本を救う (宝島社新書) / 森永 康平 (著)

 現代貨幣理論の書としては米レヴィ経済研究所のL・ランダル・レイのものが話題となっていたが、こちらは新書らしくもっと簡単に誰にもわかりやすく書かれている。MMTについては批判的な意見が多いが、日本政府の金融政策も20年以上効果が出ていないことは明白である。ここらでMMTを採用して一気に財政出動に舵切りをしてほしいところだ。

偉い人ほどすぐ逃げる / 武田 砂鉄 (著)

 世の中を俯瞰するためには批判的な視点、疑問を持つ自分なりの考えが必要である。いつの時代も主流派に異を唱えることは勇気と知性がいることであるが、そういうものを持たない人から無批判に世の中の同調圧力やマジョリティに感化されていく。ときにはこういうクリティカルな文章も読むことも大切なんじゃないだろうか。それにしてもタイトル通り、すぐ逃げる偉い人たちには困ったものだ。見ているこっちが情けなくなる。

伊藤政則の“遺言"3 (BURRN!叢書) / 伊藤 政則 (著)

 伊藤政則が数多のミュージシャンと出会い、インタビューを重ねる中で知った事実と、それを元に分析した(主に)メタルシーンの考察が書かれた第3弾。個人的にはジューダス・プリーストからKK.ダウニングが脱退した後の話は、今年KKのソロアルバムがリリースされたこともあり、非常に興味深く読めた。

ダイナー (ポプラ文庫) / 平山 夢明 (著)

 「特殊設定ホラー」とでも言うべきダークファンタジー的世界観に彩られたホラー作品。話の展開はスピーディーで、ジェットコースタームービーを見ているかのような迫力と勢いがあり、グロテスクな恐怖描写もそのノリで読み切ってしまう。そんなタイプの作品。

本格力 本棚探偵のミステリ・ブックガイド (講談社文庫) / 喜国 雅彦 (著), 国樹 由香 (著)

 これは先日「書評本好き」というタイトルのnoteでも紹介した1冊。個人的にはメタル雑誌『Burrn!』の連載漫画でおなじみだった喜国雅彦が、ミステリ趣味全開で突っ走る内容に大満足であった。マニアックすぎる。

おはしさま 連鎖する怪談 / 三津田 信三 (著), 薛西斯 (著), 夜透紫 (著), 瀟湘神 (著), 陳浩基 (著), 玉田 誠 (翻訳)

 日本代表の三津田信三を皮切りに、香港、台湾の作家によるリレー式ホラー小説。最近何かと話題のアジアンホラー小説だが、自分としてはまだまだその雰囲気になじめていないところがあり、次々とテイストが変化していく書き手の多様さについて行くのがやっとであった。近隣諸国のホラー事情を知りたい人にはいいかも。



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