KK's PRIESTのニューアルバムが来た!
以前、その発売が楽しみということでnoteに記事を書いたKK's PRIESTの新譜が満を持してリリースされた。
イントロを含めて全10曲中すでに4曲が発表されているわけで、リスナーとしては残りの曲がどんなタイプで、アルバム中でどんな構成で提示されるか非常に気なっていた。
KK.ダウニングの書く曲はある意味ベタである。あまりにストレートかつ正統派のメタル曲ばかりで、言ってみれば安心して聞ける。でも今の時代にこんなに伝統的なメタルで大丈夫なのかという心配さえ沸き起こる。てか、これジューダス・プリーストじゃん。当たり前だ。何十年もジューダス・プリーストのサウンドを支えてきたギタリストが作る曲なんだから。
しかしそうだとしても、これはあまりにジューダス・プリーストのサウンドを意識して書かれた曲ばかりだ。ここには、KKの「俺がジューダス・プリーストを支えてきたんだ」という矜持がある。ジューダス・プリーストに対するKKの思いを、目一杯ぶつけてきた感がある。
ティム・リッパー・オーウェンズのヴォーカルは、いかにもメタルという感じで、今にして思えば彼の在籍していたときのジューダス・プリーストもまったく悪くなく、KK's PRIESTにおいてもその資質がいかんなく発揮されている。齢を重ねて、高音の制御が若干ままならない部分もあるようには思うが、メタル的に正しいスタイルであることは間違いない。
と、そんなことは先行PVの4曲を聞いた時点で感じていたこと。アルバムの全貌が見えてきて本当に笑ってしまった。9曲目に控える"Hait For The Priest"。このPriestはどのPriestなのか。
そしてアルバムのラストを飾る"Return Of The Sentinel"。ここでは曲名のみならず、名曲"The Sentinel"のフレーズをも折り込み、まさにKKしてやったりという感じである。
結局、ギタリストであるKKにとってはこれが古巣に対する意趣返しということなのかもしれない。以前の記事で「バンドメンバーの喧嘩は犬も食わない」と書いたが、こんなニヤリとする仕掛けがあっても楽しいだろう。トラディショナルなメロディと、我々メタラーが支持する永遠のスタイルがある素晴らしいアルバムだ。