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ドンキーコング3

 『ドンキーコング3』というゲームがあった。もともと1983年にアーケードゲームとして発売されたゲームで、縦画面のシューティングゲームだ。

 ゲーセンで人気を博した『ドンキーコング』は、その後続編として『ドンキーコングJr.』が発売される。(初代ほどではないが)やはり人気の高かった2作目の人気を受けて、第3弾として『ドンキーコング3』が登場することになる。

 しかし、前2作に比べて、『ドンキーコング3』の人気はそれほどでもなかったように見えた。これは、当時僕がゲーセンに通う中で感じていたことなので、全然的はずれな話かもしれない。しかし、明らかに『ドンキーコング』『ドンキーコングJr.』と比べると稼働数は控え目だったし、プレイしている人も少なかったように記憶している。

 『ドンキーコング3』は、画面上部で蔓にぶら下がったドンキーコングがけしかけて来る蜂を撃ち落とし、画面下に並んだ花の苗が成長できるまで守り切る、シューティングゲームだ。

 殺虫剤を弾丸のように撃ち出し、『ギャラガ』のように円弧を描いて飛んでくる虫を倒す主人公はスタンリー。『ドンキーコング3』にマリオは登場しないのである。

 当時流行ったシューティングゲームの亜流といった趣の『ドンキーコング3』であるが、『ギャラガ』や『ムーンクレスタ』のように自機を左右に動かすだけでなく、ステージ内に設置された足場にジャンプで乗り降りすることができ、それが他のシューティングゲームとは大きく違うところだった。レバー上下入力によるジャンプには多少のもたつきがあり、これがゲームの難易度を上げていた。また、スタンリーの殺虫剤には射程距離があるため、足場をうまく利用し、敵に攻撃が届く場所を確保しながら戦う必要があった。『ドンキーコング3』は、コミカルなキャラクターに反し、テクニカルなシューティングだったのだ。

 僕は、『ドンキーコング』や『ドンキーコングJr.』もそれなりにプレイしたが、なぜかこの『ドンキーコング3』が一番好きで、当時熱中して遊んだ。周囲には、遊んでいる仲間はあまりいなかったようだ。

 『ドンキーコング3』は、一応ファミコン用にも移植されていて、それなりにアーケードゲームの雰囲気を再現しているが、敵の突っ込み具合の厳しさや、攻撃の激しさを考えると、やっぱりアーケード版が楽しい。

 現在、この『ドンキーコング3』は任天堂スイッチ用のアーケードアーカイブスで遊ぶことができる。これは、今までアーケード版に忠実な移植がなかっただけに、非常に喜ばしいことだ。今でも時々起動して遊んでいる。

 ところで、任天堂には他にも『スペースファイアバード』『レーダースコープ』など初期の名作シューティングがある。これらも移植される日が来て欲しいと願うのは僕だけだろうか。


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