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ビル・ゲイツが薦める「成長マインドセット」

 物事を成し遂げる人はどんなマインドセットを持っているのでしょう。ビル・ゲイツ推薦の著書 ”マインドセット「やればできる!」の研究” (キャロルSドゥエック)について要約します。


■能力を伸ばすマインドセット=「◎成長マインドセット」「×固定マインドセット」
 人間の基本的資質は努力しだいで伸ばすことができる。そう信じている分野の能力は、実際に伸びていきます。うまくいかないときにこそ、粘りづよい頑張りを見せるのが「成長マインドセット」の特徴です。それが、人生の試練を乗り越える力を与えてくれます。

■マインドセットは自分の意志で選びとることができる

・人間の価値は、勝負に勝ったか負けたかで決まるのではない。持てる力を出し切って目標を追求したかどうかが重要。
・「私の墓碑銘にはこう記してほしい──自分よりも賢い部下を使う術を知っていた賢者、ここに眠る」アンドリュー・カーネギー

■成長 vs 固定 成功と失敗の定義の違い 

「私は人間を弱者と強者、成功者と失敗者とには分けない。…学ぶ人と学ばない人とに分ける」

<成長マインドセット> = 才能は磨けば伸びる(ひたすら学び続けたいと思う)
 【成功】:頑張って新しいことを習得できれば成功。
      自分を成長させることができれば成功。
      自分のベストを尽くし、学んで向上すること。
 【失敗】:成長できなければ失敗。
      自分が大切だと思うものを追求しないこと、
      可能性を十分に発揮できないことこそが失敗。

<固定マインドセット> = 才能は変化しない(ひたすら自分は有能だと思われたい)
 【成功】:自分の賢さや才能を証明できれば成功。
      自分の価値を確認できれば成功。
 【失敗】:つまずいたらそれでもう失敗。
      (落第点を取る、試合に負ける、クビになる、人から拒絶される)

■成長 vs 固定 その他の特徴
<成長マインドセット>
 【挑戦】:新しいことにチャレンジしたい。
 【障害】:壁にぶつかっても耐える。
 【努力】:努力は何かを得るために欠かせない。
 【批判】:批判から真摯に学ぶ。
 【賢さ】:即座に完璧にできたときではなく時間をかけて何かを習得。
      困難に立ち向かいながら前進しているとき。
       ・難しくても本気で頑張って前に出来なかったことが出来た。
       ・ずっと考えていた問題の解き方がようやくわかりはじめた。
 【他人】:他人の成功から学びや気づきを得る。
 【結果】:より高い成果を達成できる。
      すべては自由な意志で切り開いていける。
<固定マインドセット>
 【挑戦】:できればチャレンジしたくない。
 【障害】:壁にぶつかったらすぐあきらめる。
 【努力】:努力は忌まわしい。
 【批判】:ネガティブな意見は無視する。
 【賢さ】:即座に完璧にこなせるとき。
       ・ひとつも間違えずにできたとき。
       ・何かを素早く完璧にこなしたとき。
       ・人には出来ないことを自分には簡単にできるとき。
 【他人】:他人の成功を驚異に感じる。
 【結果】:早い段階で成長が止まり、可能性を発揮できない。
      すべてを決定論的な見方でとらえてしまう。

■マインドセットをしなやかにするためには

・困難に打ち克って何かを学ぶたびに、脳に新たな回路が形成されていく様子を思い描こう。
・その体験から何を学んだか、あるいは学べるか? どうすればそれを成長に結びつけることができるか? そう考える習慣を身につけよう。
・いつもやりたいと思っていながら、うまくできる自信がなくて、やらずにいたことはないだろうか。それを実行に移してみよう。
・過ちを犯したら、保身にまわるのではなく、過ちをしっかりと認めよう。フィードバックをもっと活かし、失敗からもっと学ぼう。
・あなたは部下に対してどのような態度をとっているだろうか。部下のことよりも自分の権威を守りたがる、硬直マインドセットの上司になっていないだろうか。部下をけなすことで自分の優位性を確認しようとしてはいないだろうか
・適切なサポートや成長をうながすフィードバックは、益にこそなれ、害になることはない。
・エリート主義を根絶し、自己点検、オープンなコミュニケーション、チームワークを重んじる社風を作るにはどうすればよいか、よく考えてみよう

■危険な褒め方
 実験から、能力・特性を褒めると子どもの知能が下がり、努力をほめると子どもの知能が上がったことになります。子どもに「あなたは頭が良い」と言ってしまうと、その子は自分を賢く見せようとして愚かなふるまいに出るようになります。

「今日はずいぶん長い時間、一生懸命に宿題をやってたな。集中して終わらせることができてえらいぞ」
「この絵、きれいな色をとてもたくさん使って描いたのね。色の使い方のことを話してくれるかな?」
「この作文には自分の考えがたくさん書いてあるね。シェークスピアが別の角度から見えてくるようだね」
「心をこめて弾いてくれて、ほんとうに嬉しいわ。ピアノを弾いているときってどんな気分?」
「私たちは、あなたが学んで伸びていってくれることを願っているの。あなたがしっかり勉強してることはよくわかってるわ。こつこつと努力を続けているあなたを誇りに思っているのよ」

■子どもにはこんな質問をしよう
 あなたがたは子どもたちに(または夫婦同士で)こんな質問をしましょう。

「今日はどんなことを学んだ?」
「何か勉強になるような失敗をした?」
「今日はどんなことを努力した?」


■「固定」でもトップにはなれる。維持するには「成長」の人格が必要

 「能力があれば、頂点にたどり着くことはできる。けれども、しっかりした人格が備わっていないと、そこに留まり続けることはできない。……人はいったん成功すると、ろくに準備などしなくても、おのずと〝魅せるプレー〟ができるかのように勘違いしがちだ。よほどしっかりした人格の持ち主でないと、トップの座についた後も、それまで通りかそれ以上に努力し続けるのは難しい。何度も何度も勝ち続けるスポーツ選手やチームは、〝能力〟もさることながら、キャラクターが優れている〟のだと思ってほしい」

■その結果
 人生の質が変わったのがわかります。以前よりも豊かな人生を送れるようになります。失敗を恐れずに、生き生きと、素直に生きられるようになります。


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