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改憲で古き良き日本は取り戻せるか

昨日は、自民党の改憲案が旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の意向を汲んだものであり、とても似ているという東京新聞の記事をご紹介しました。


①「緊急事態条項」の新設
政府の権限強化(権利の制限、食料・燃料の統制…)

②家族保護の文言追加
家族は社会の自然かつ基礎的単位

③「自衛隊」の明記
集団的自衛権の限定行使容認を含む、安保関連法施行を土台に「自衛隊」の存在を明記


でも、それなら現在の世界平和統一家庭連合を見れば、改憲後の日本が垣間見えるっていうことではありませんか?

さすがに世界平和統一家庭連合は軍隊を持っていませんから、3つ目の「集団的自衛権」については予測の苦手な私の浅はかな想像で書きます。

■ 改憲すれば韓国が従軍慰安婦問題を(表立っては)言わなくなるかもしれません。もし何かあったら北朝鮮と戦って命を落としてくれる仲間になるわけですから。でも何かあったときには従軍慰安婦問題の借りをここで返せ、と鼓舞されるのかもしれません。■

では、次に①と②について、教団内でどのように実施しているのでしょうか。報道情報から、日本に適用したケースを想像してみます。

①「緊急事態条項」

信者の財産を、教団がどう扱っているでしょうか。国民であれば税金を納めるように、信者であれば献金をする。もしかするとそんな感覚かもしれません。宗教における献金は自由意志ですが、その自由意志への働きかけはあります。報道では、持っている財産を全て申告させられていました。そして日本はエバ国家として、アダム国家や世界や先祖の緊急事態に対応すべく献金を求められています。これは想像ですが、教団内ではきっとしょっちゅう緊急事態が起こっているので、山上母のようにいくら献金しても終わりがなさそうです。

以下は、自民党草案の緊急事態条項についての記事です。

上記、記事からの転載。
憲法改正後の日本に緊急事態はどのくらいの頻度で、またどのタイミングで起きるでしょうか。

また、下の記事によると、そもそもとして「すべての財産は、神様、いまでいえば韓鶴子さんのもの。すべて捧げなさいというのが統一教会の教え」だそうです。教団なら破産した信者は放り出せばいいだけですが、国として考えた場合、財産を全部没収してホームレスが増えても政府は困るだけでしょうからそこまでやるとは思いません。しかし、お国のおかげで持つことができた財産という認識になれば、お国に言われれば差し出すのが筋という常識になるかもしれません。

②「家族保護」

こちらも独自の制度が実践されています。有名な「合同結婚式」です。自分が会う前に結婚相手が決まるなら、学歴や収入や見た目などに関わらず結婚できますから、婚姻率は飛躍的に上がるでしょう。婚姻率が上がれば出生率も上がるでしょう。少子化への強力な対策になります。日本人は移民を嫌いますから、「集団的自衛権」行使のための兵隊も自前で賄うしかありません。少子化対策はマストです。(中絶も禁止すれば、さらに効果は大きくなります。避妊も禁止すれば絶大です)

合同結婚式といえば聞きなれませんが、親や世話人が決めた相手と結婚するのは昔の日本でも当たり前でした。世界的に見ても珍しいことではありません。

独身男性の幸福度は概して低いですから、結婚できればそれが改善されるかもしれません。自殺率にだって多少は改善がみられるかもしれません。通り魔殺人にも孤独が要素として上がっていますから、犯罪発生率の低下も期待できます。

そもそも結婚は自分が決めることではなくなりますから、自分の好きな相手じゃないから結婚しないなんていう選択は身勝手だと言われるようになるでしょう。江戸時代、恋愛結婚はふざけた結婚と言われたと聞いたことがあります。

しかし互いに惹かれ合っても実際に結婚してみたら性格の不一致で離婚ということもよくある話です。それが性格も関係なく結婚するならば、とても不幸な夫婦が生まれたりしないでしょうか。

聖書ではイブ(教団内ではエバ)がアダムにリンゴを食わせて楽園を追放されたので、教団ではアダム(男性)がリンゴを食べたのはエバ(女性)のせいとされているそうです。そのように本来女性は罪深いので、合同結婚式の相手に暴力を振るわれてもなかなか離婚させてもらえなかったり地獄に堕ちると言われて脅されたりするそうですが、昔の日本でも「出戻り」は恥でした。暴力をふるう夫がいても「お前が夫を立てないから」などと実の親にいさめられて離婚を諦めた女性がたくさんいました。まさにアダムがリンゴを食べたのはエバのせいという理論と同じです。「子どもを父なし子にするのか」という脅しもありました。自身ができそこないのレッテルを貼られるのみならず、親兄弟も世間に顔向けできない人間にし、子どもも不幸にするひどい女であるとなれば、それでも離婚を選択できる女性は少ないでしょう。数十年前は「クリスマス」などと言われ、25才を過ぎた女性は「行き遅れ」と呼ばれました。一流企業に入るのは、有望株の男性を見つけて結婚退職をするための「腰掛け」とされ、女性の仕事はコピーとお茶くみでした。マリハラ、マタハラ、ジェンダー平等などの意識改革、DV法や児童扶養手当の拡充など、少しずつ少しずつ改善されてきた今の状況ですが、それを改悪と感じてきた人もいるはずです。それは別に暴力を振るいたい男性というわけではなく、個人の自由と言いながら専業主夫が受け入れられない硬直した価値観だったり、別に自立など望まない女性など様々です。「古き良き日本」に戻りたい人にとっては待ち望む改正ではないでしょうか。


以下は備忘録

8月5日放送のゴゴスマで、旧統一教会の名称変更を水際で止めていたことについて橋下徹が「官僚なのに勝手な判断をした前川がおかしい。判断するなら政治家がすべき。前川の行ったことは違法だ」ということを熱弁していた。
あまりにも熱弁するので気になって調べてみたら、以下の記事が見つかった。

勝手にやったことではなく、「当時の与謝野馨文部大臣の政治主導だった」とのこと。これが7月22日の記事。
橋本は8月5日の時点でこの内容を知っていて言ったのか、知らずに言ったのか、どっちだろう。知っていて熱弁したなら、その目的が気になるところ。


世界や自分自身をどのような言葉で認識するかで生き方が変わるなら、敬意を込めた敬語をお互いに使えば働きやすい職場ぐらい簡単にできるんじゃないか。そんな夢を追いかけています。