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フィードバック

コールセンターでは、全通話録音といって、通話が全て録音されているところがあります。その通話は、何か問題があったときに確認する証拠にもなりますが、録音された通話を聞いて、評価し、結果を本人にフィードバックすることがあります。
その際に目指していることは、本人がやろうとしていることを手助けすることです。

例えば、「~はできますか」というYesかNoで答えられる質問に対し、対応者が急にだらだらと説明を始めれば、お客さまは当然戸惑いますし、それが録音を通しても伝わってきます。そんなとき音声を聞きながら、まずは、なぜこのような回答をしているんだろうと考えます。
そして「もしかして、『それはできない』っていうのが失礼かと思って、代案だけを案内したのではなかろうか」などといくつか推測します。
その後、フィードバックの際に、本人にも確認します。
本人の意図を確認し、推測が間違っていなかった場合には「だったら『お客さまの希望なさっている回答とは異なるのですが、~ということであれば承ることが可能でございます』って言うのはどう?」と聞くと本人の顔がぱっと輝き、「そうです、そう言いたかったんです!」と喜んでくれます。

他にも、自分の話し方を意識的にコントロールできる人には、「もっと抑揚を」とか「もっとゆっくり」とか「専門用語は別の言葉に置き換えて」などとスキル的な指導をします。

スキルが身についていない人には、イメージなど、その人と共有できやすいものを探りながら伝えます。例えば、とても明るくて元気いっぱいだけれども企業としてのマナーができていない場合には、こんなふうに伝えます。

「今の応対は、子どもに踏まれても犬におしっこかけられてもニカッ✨と咲いてる満開のタンポポ🌻みたい。元気いっぱいで明るくてとってもいい!
でも、クライアントがお客さまに持ってほしい企業イメージとちょっと違うかもしれない。
元気いっぱいで明るいのはそのままに、道端で咲いてるタンポポから、花屋さんで売られているヒナギク🌼ぐらいにできないかな?」

フィードバックが終わったとき、フィードバックの前よりも明るい顔になって職場に向かってもらうのが理想です。

そして、一生懸命お客さまに接している人には、その一生懸命さがお客さまに伝わるようにしてあげたいなと思うのです。
できることなら、一生懸命さがお客さまに伝わったことが、お客さまからの感謝の言葉や態度で本人にも伝われば良いなぁと思っています。

では、また。

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世界や自分自身をどのような言葉で認識するかで生き方が変わるなら、敬意を込めた敬語をお互いに使えば働きやすい職場ぐらい簡単にできるんじゃないか。そんな夢を追いかけています。