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レベルアップした東京浴場に行ってみた

昨日は昼間にクレーム対応研修を行い、その後、何の用事も無かったので気になっていた東京浴場に行ってみた。

東京浴場

閉店した東京浴場が21歳の店長によって再開するとのこと。
毎月、毎年、どこかで銭湯がつぶれていく中で嬉しいニュースなので、一度行ってみようと思っていた。それも店長が21歳と若いのも、銭湯の未来が期待できて嬉しいではないか。

西小山の猫

東京浴場へ行く途中に会った猫

東京浴場へ行く途中で出会った猫。かなり警戒されている(笑)

東京浴場に到着

東京浴場

暖簾こそ新しいが、あとは古いままっぽい。

東京浴場古い看板

あえて残された古い看板もいい味。

入ってみる

中は冒頭の記事にあるように大きな本棚が構えていて、明るくおしゃれにリニューアルされている。これは富士見湯より好きかも。

東京浴場2階

こちらはまだ上がれない2階。アザラシ(?)がなぜかたくさん挟まっている。

受け付けには東京浴場の法被を着たお姉さんが居て、明るく対応してくれる。老舗の銭湯の無愛想なおじさんもいいが、やはり若くて明るいお姉さんに希望を感じる。

東京浴場ふわふわタオル

うわさのふわふわレンタルタオル。(ポスターより実物を撮ってくるべきだったな……)

お風呂

写真が撮れないのが残念だが、かなり広々としている。

カランが5個×4列。本来はもう1列あったようだが、それをつぶしてブランデーのたるを加工した「樽水風呂」が2つ置いてある。
それ以外は、ほぼ以前のままのようだ。

あつ湯と水風呂の交互浴で「整う」を勧めるポスターも貼ってあったっが、残念ながら水風呂に入れない私は、気持ちだけでもと足だけ水風呂に入れてみた。

お風呂はぬる湯とあつ湯。あつ湯はジェットバスもある。

壁にはアルプスの山並みのような絵。

リンスインシャンプーとボディーソープは用意されていて、洗い場の鏡には、これもリニューアル前からと思われるパチンコ屋の宣伝が書かれている。

女風呂にパチンコ屋の宣伝ってどうなんだろうかと思い、隣のお姉さんに声をかけてみた。

すいません。ここは以前からいらっしゃってるんですか?
ええ。前はね、向こうが女湯だったの。だからこっちに入るのは新しくなってから。

なるほどね。男湯の鏡には何の宣伝が書かれているんだろう。

お風呂を満喫して脱衣所へ。

脱衣所

私はかなりの近視でメガネがないと全てがぼやける。自分のロッカーへ向かう数歩の間に何か当たったようだが、どうせ見えないので自分のロッカーへ。

さっきのお姉さんが話しかけてくれた。

ここには椅子がなかったんだけど、年寄りは椅子がないと脱ぎ着ができないって店長に言ったら、すぐ入れてくれたの。いいわね、若い子は、すぐ動いてくれて。

着替えて髪を乾かそうと思ったら、なんとドライヤーが無料。それも、なんかかっこいいやつ。

東京浴場無料ドライヤー

Paname サーモスタットヘアドライヤー

お、化粧水も置いてある。と思っていたら、隣で髪を乾かしていた女の子が、下まで届かない足をぶらぶらさせながら

使っていいんですよ。

と声をかけてくれた。

先ほどのお姉さんといい、この女の子といい、気安く話しかけてくれていいなぁ。昔の銭湯ってこんな感じだったのかなぁ。銭湯って触れ合いの場なんだなぁ。

そんなことを考えていたら後ろが騒がしい。

私は何を踏んだのか。それは

「やだ、う〇ちじゃない?」「え?う〇ち?」「あら、う〇ちよ。あたしお姉さん呼んでくる!」

何?う〇ち?それはもしや、私がさっき踏んだ……あれのことか?いや、決して踏んではいない、少し当たっただけだだが……あれか?

「ほら、お姉さん、見て。これう〇ちでしょ?」
「ああ、どうでしょう。とりあえず、掃除しますね。踏んだ人いませんか?」
「私です。私、踏みました。」いや、踏んだわけではないのだが、つい、そう言ってしまった。私は生まれて初めてう〇ちを踏んでしまったのか。私はとうとう、う〇ちを素足で踏んだ人間になってしまった……。
「え、大丈夫ですか。洗ってきてください。」
周りの人も一斉に、洗ってこい、洗ってこいと言ってくれるので、もう一度浴場に行って足だけ入念に洗った。

再度、脱衣所に戻ると、経験豊富なお姉さん方は、大したことではないとばかりに話している。

「何か落ちてるから掃除しようと思ったらね、あら、う〇ちだわ、と思ってね」
「でも、昔はこんなこと、しょっちゅうだったわよね。」
「そうそう、小さい子がたくさんいたからね。」

銭湯の役割

誰一人文句を言うわけではない。みんなが使う銭湯だから、気づいた人が掃除する。自分でできないことは店の人を呼ぶ。そんな当然のことを当然のようにできる人たちはすごい!本当にそう思う。

誰かを悪者にすれば、あっという間に対立の構図ができあがる。それは誰にとっても居心地の悪い場所しか作らない。居心地のよい場所を作りたかったら誰も責めず、自分のできることをすること。
だから、銭湯は社交場で、家庭だけでは覚えられないマナーや配慮を学ぶ場なのだ。

おかげでとってもいい気分で一日を終えることができた。

東京浴場さん、ご一緒させていただいた皆さん、どうもありがとうございました。


世界や自分自身をどのような言葉で認識するかで生き方が変わるなら、敬意を込めた敬語をお互いに使えば働きやすい職場ぐらい簡単にできるんじゃないか。そんな夢を追いかけています。