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インパクトあるタイル絵〜有馬湯
東京は台東区、「龍泉」なんてかっこいい地名の場所にある、有馬温湯へ行ってまいりました。
なんといってもここのポイントはタイル絵です。男湯と女湯をまたぐ大きなサルに圧倒されます。
多分、今、あなたが想像しているサルとは違います。
シンプルで、大胆で、インパクトのあるサルです。
そして、その下には、日本画のような鯉。
まったくタイプの違う二つの絵が、互いを強調しています。
この絵だけでも見に来る価値あり!ですよ。
さて、外観からは、かなり年季を感じます。創業は明治時代だそうですから、外観ももしかしたら一度はリニューアル済みかもしれません。
しかし、下駄箱をのぞくと、意外とキレイ?
中へ入ってみましょう。
待合室
受付はフロント形式です。リニューアルしたのか、外観と比べると待合室もキレイです。
男性客には下駄箱のカギと引き換えにロッカーキーを渡すのですが、一人一人、ロッカーはどこをお使いですかと聞く細やかな対応。
風呂上がりの牛乳もありますよ。(これはリニューアル前からありそう)
でもしっかり者(ケチとも言う)の私は持参したお水をお風呂の前にグビグビ。
すると、「コップあげましょうか」と声を掛けられました。
「お客さん、持ち込みは困ります」と叱られるならまだしも、コップあげましょうか、とはどこまで細やかなんだ!
位置について、という短編映画の舞台にもなったこの銭湯には、出演者たちの写真もありました。
そして、気になるのが、もう一つ。
何か得体のしれないフィギュアたちが……。
一つアップで撮ってみました。
タグは付いていますが、値段は書かれておらず、売り物ではなさそうです。
う〜ん。店主の趣味でしょうか。
そろそろ、脱衣場へ移動しましょう。
脱衣場と中庭
脱衣場へ入って、まず目に飛び込むのが中庭です。
窓を開けると縁側があり、外へ出られるようになっています。
縁側でキョロキョロしていると、
「どしたの?」
と扇風機の前で涼んでいるおばさんに声を掛けられました。
「いやぁ、中庭があるなんてすごいなぁと思って」
と答えると
「あら、中庭なら中にもあるわよ」
何!!?
と振り向くと、確かに、浴室の脇にも、もう一つ中庭が。しかも池があり、魚が泳いでいるじゃないか。しかし池に網が掛かっていて、何が泳いでいるのかよく見えない…!
それを察したかのように、またもおばさんが教えてくれました。
「いくら金魚を放しても、全部ネコに持ってかれちゃうから網掛けたのよ」
なるほどね。
池があり、石灯籠があり、なぜかヤシの木がそびえる不思議な中庭を眺めていると、今度は
「あなた、初めて来たの?」
との質問。
「そうです。ここ素敵ですね」
と答えると
「そうでしょう、天井も高いし」
とおばさんの顔もほころびました。
この近くには、湯どんぶり栄湯という人気銭湯があります。
そこと比べると閑散といってもいいほどの人数しかいないのが、昔ながらの銭湯の常です。
でもやっぱり、ここを気にいって通っている人にとっては、こここそが”マイ”銭湯であり、ナンバーワンなんだろうなぁと高い天井を見上げながら思いました。
浴室へ
冒頭でも述べましたが、浴室で目を引くのは、なんといってもタイル絵です。
浴室の写真は撮れませんが、同じ絵柄がネット上にアップされていましたので、そちらを載せます。
女湯と男湯をまたぐ巨大な👆これがあるんですよ。
こうやって小さくなってしまうと、変わった絵だね、ぐらいになってしまうかもしれませんが、実際に見ると、かなりのインパクトです。
その下の鯉は、映画『位置について』の予告編から、カットをご紹介します。(☟の「位置について」と書かれている青いところが、上のサルの絵になります)
風呂は二つに分かれていますが、両方とも44度か45度ぐらいのあつ湯。
ジェットバスか、深い風呂かの違いです。
ボディーソープもシャンプーも置いてありませんが、タライは木桶です。
木桶の置いてある銭湯なんて、とても珍しいんじゃないでしょうか。
木桶に水をためて体にかけると、ずっしりと重みを感じます。
壁側の一列しかシャワーはなく、残りはカランのみ。立ちシャワーもなし。という至ってシンプルな造りです。
必然、客は壁側の一列に並ぶように座り、おばさん同士のおしゃべりが始まります。
暑い夏の日に熱いお湯でさっぱりした後、扇風機に当たりながら中庭を眺める……。これぞ日本の夏。
ここも無くなってほしくないなぁ。
そんなことを思いました。
あぁ、今日もごちそうさまでした。
世界や自分自身をどのような言葉で認識するかで生き方が変わるなら、敬意を込めた敬語をお互いに使えば働きやすい職場ぐらい簡単にできるんじゃないか。そんな夢を追いかけています。