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生まれ変わった大正レトロ~五色湯

椎名町から徒歩3分。やる気のない番台が有名だった五色湯がリニューアル。

まだ花輪も新しい

入場待ちで整理券が配布されているとの情報もあったが、台風だから空いていると思い行ってみた。
店先に止まる自転車も少なく、これは読みがあたったと暖簾をくぐる。

まるで老舗旅館のような雰囲気

下足箱には、旅行者のトランクも入るような大きなサイズもある。
近隣の客だけを狙っているわけではないということは明らかだ。

銭湯界隈では有名な今井健太郎の手によるその改装は、鬼滅の刃を思わせる大正レトロ。待合室は黒を基調とした木造。これまで番台さんが暇にまかせて没頭してきたプラモデルがかっこよく飾られている。

ただ、脱衣場や浴室だけでなく、ここは待合室も撮影不可。
なので、写真はホームページをご覧ください👇

イ草の香りが心地よい脱衣場、タイルの手洗い場にあえてのレトロ水栓。

こういうやつ

待合室にはレトロマッサージ機が置いてあり、

こういうやつ

脱衣場にはおかまドライヤーがある。

こういうやつ

はて、これって前からあったかなぁ。
もしかしたら、、、もしかしたらだけど、山の湯からもらい受けたという可能性はないだろうか。だったら、ちょっと嬉しいなぁ。

話を戻そう。
そして、ステンドグラスに飾られた少し暗めの浴室は、きっと日中や夕方も素敵だろう。

水風呂や外気浴スペースもあり、サウナーには持ってこいの銭湯である。

満喫して待合室で休んでいると、常連さんと番台さんの会話が聞こえてきた。

「最近、どうだい」
「ずっと忙しい。もう、ずっと忙しい。」

もう、いい加減にしてほしい。
言い方から、そんな気持ちが伝わってくる。
プラモデルを作る時間はないだろうに、プラモデルを作るためのヘッドルーペを頭につけたまま、おじさんは常連客に愚痴る。常連客も笑顔で聞いている。

なんか、いいなぁと思ってしまう。
儲けることだけが人の働く目的ではない。
とはいえ、今井健太郎設計、と聞けば銭湯好きはやってくる。
すばらしい整いスペースに、サウナーは引き寄せられる。
しばらく、忙しい日々は続くだろう。

きれいに陳列されたプラモデルは、なかなか今後プラモデルを作れなくなるこのおじさんへ、せめて自作のプラモデルを愛でられるように、そしてみんなにも見てもらえるようにという、三代目からの配慮なのだろう。

あぁ、ごちそうさまでした。

世界や自分自身をどのような言葉で認識するかで生き方が変わるなら、敬意を込めた敬語をお互いに使えば働きやすい職場ぐらい簡単にできるんじゃないか。そんな夢を追いかけています。