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毎週水曜日はコールセンターの話

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コールセンターのオペレーターからリーダー、SV、企業向け電話応対研修講師へと叩き上げた経験から学んだことを書いていきます。電話応対に必要なこと、コールセンター運営に必要なこと、コ… もっと読む
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#ストアカ

クッション言葉

クッション言葉

クッション言葉とは、後に続く言葉によって受けるであろうショックを和らげるために、予め前に置く言葉のことです。

「申し訳ございませんが」「恐れ入りますが」「失礼ですが」などが代表例です。

クッション言葉を用いる場面は3つ。
1)何かを質問するとき
2)何かをお願いするとき
3)相手の意に反する案内をするとき

要するに相手の負担になる場面です。
言葉で説明するとこれだけなのですが、これだけでは伝

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フィードバックの基準

フィードバックの基準

先週、通話録音を聞いて応対品質について指導するフィードバックについて書いたところ、のぼる師匠よりコメントを頂戴しました。

かしこまりました。
師匠のご質問にできる限りお答えしましょう。

保管期間まず保管期間ですが、これは企業によって異なるとしか答えられません。
音声データは重いので、もっと保管したいんだけれども保管しておく容量がないというところもあります。

全通話録音の機能がなく、クレームな

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応対クレームは半分、運

応対クレームは半分、運

長くコールセンターで働いていれば、クレームの1000や2000は引きます。

その中でも、
「てめえ、何様のつもりだ!」とか
「何だ客に向かってその口のきき方は!」とか
「お前、オレをバカにしてんのか!」などなど、
自分の応対についてクレームになってしまうものは、コールセンターで電話に出ている誰もが避けたいクレームの一つです。
(これを、応対クレームといいます)

応対クレームが多い人、少ない人の

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コールセンターはダイバーシティと相性がいい

コールセンターはダイバーシティと相性がいい

ダイバーシティ

初めてこの言葉を聞いたとき「お台場の街」と思った人はいませんか?
私だけでしょうか。

さて、今盛んに叫ばれているダイバーシティについてですが、実は、コールセンターはとてもダイバーシティに向いています。

本業でも副業でも本業はあってもそれだけでは生活できない人が収入の足しとして職を求めてくることもありますし、芝居やバンドに命をかける人々もエンタメ系と呼んで重宝されていました。

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あんた!人の話、ちゃんと聞いてたの?

あんた!人の話、ちゃんと聞いてたの?

「あんた!人の話をちゃんと聞いてたの?」
コールセンターで働いたことのある人なら、何度か言われる言葉ではないでしょうか。

的外れな対応は、お客さまのせいではない質問に回答したり解決案を提示したりしたつもりが、全く的外れだったときのお客さまの反応です。

「だって、お客さまがこうおっしゃったんです。」
「いえ、お客さまはそんなことおっしゃいませんでした。」
応対者は、必死になって私に訴えます。

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コールセンター失敗談

コールセンター失敗談

先週ご紹介したコールセンター小ネタ集で、tamadoca様より失敗談を書いてほしいとオーダーを頂戴しました。

いやいや、理知的じゃないから頑張ってるんですけどね💦

では、本日書く失敗談は、私が見聞きした失敗談ということで、承りましょう。
よろしいですね。私の失敗談では、決して決してありませんからね。
その辺り、お間違えのないように願います😁

では、ご了解いただいたところで、この担当者をA

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コールセンター小ネタ集

コールセンター小ネタ集

今日は、ちょっと楽しい記事にしたいと思います。
コールセンターでありがちな、ちょっとおかしな習慣、文化、癖のようなものをご紹介しましょう。

小ネタ1~コールセンターで背伸びをしてはいけないコールセンターでは、お客さまが何より優先です。
通常の職場では、部下が上司のところへやってきて質問するのが普通かと思いますが、コールセンターでは1秒でもお客さまをお待たせしないために、部下が上司を呼びつけ、上司

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命令形と依頼形

命令形と依頼形

「命令は上から目線なので、依頼形を用いましょう」
よくコールセンターで言われる言葉です。
電話応対研修でもこのように教えているものが多いのではないでしょうか。

私はこの表現は正確ではないと思います。

形の違いではなく、大切なのは確認すること正しくは
「お客さまの意思を、確認しながら話を進めましょう。
そのためには命令形ではなく、質問形を用いましょう」
ということになろうかと思うのです。

どう

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分類は、くまなく、かつ重複なく分ける

分類は、くまなく、かつ重複なく分ける

さて先週は、テーマと分類、ということでお話をさせていただきましたが、今週も、もう少し詳しく考えたいと思います。

ガイドブックの地図にある分類ガイドブックを買うと、大体は地図がついています。
その地図には、縦には1,2,3…、横にはA,B,C…と記号が振り当てられており、行きたいお店を探すときには紹介ページに書いてある「3-B」などの指示に従って地図を見れば、簡単に探せるようになっています。

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続)改善施策を考える際のポイント

続)改善施策を考える際のポイント

前回は、改善施策の実際の運用にあたって、手間の問題はないか、繁忙になった際の改善施策の優先順位はどの位置か、メンバーからの反発が起きたらどうするか、効果が見られない場合にどの程度続けるのか、など、様々な問題を想定してから始めないと、自分のモチベーションも維持できず、当然メンバーのモチベーションも維持できず継続できなくてなんとなく終了してしまう、という話をしました。

今回は、その次の段階の話をしま

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受ける電話(インバウンド業務)と、かける電話(アウトバウンド業務)の違い

受ける電話(インバウンド業務)と、かける電話(アウトバウンド業務)の違い

以前、お客さま窓口のコールセンターが職場だったとき、「前職何してた?」という話題で盛り上がったことがあります。

「保険の外交」と答えた人が複数いました。

保険の外交員は職業安定所の前で勧誘していることも多く、”とりあえず”保険の外交員に転職する人も多いとは思うのですが、「自分に売り込みは向いていない」と感じている人が多いのも共通でした。

受電業務と発信業務のニーズお問い合わせ窓口のような受け

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様々な定義を使った教育への活用

様々な定義を使った教育への活用

4つの定義を意識すると、マニュアル作成にも、電話応対にも役立つというお話をしました。

今回は、この4つの定義の、教育の場面での活用です。

例えば、「語尾伸びを止めましょう」と目標を掲げたとします。

語尾伸びとは、「それではぁ、まずはじめにぃ、お名前をぉ」と語尾を伸ばすのが癖になっている話し方のことです

一人のオペレーター(電話対応者)は「やりたくありません」と反発します。
別のオペレーター

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お客さまにわがままを言われやすい3つの話し方

お客さまにわがままを言われやすい3つの話し方

お客さまからわがままを言われやすい人がいます。

どうもそういう人に当たる、運が悪い、そんな風に考える人もいるかもしれませんが、そうとも限りません。

接し方を変えることで、わがままを言われづらくすることは可能です。

儀礼的距離化コールセンターとは関係ありませんが、『おひとりさまの老後』(上野千鶴子著)に「儀礼的距離化」という言葉が出てきました。
社会学の用語だそうで、

丁寧語は、相手とのあい

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つまりは単純に君のこと大切なのさ

つまりは単純に君のこと大切なのさ

スーパーマーケットで買い物をしていたときのことです。

「走り回っちゃダメでしょ」と子どもを叱る母親の声が聞こえてきました。

私は見るともなくそちらを見て、少し驚きました。
子どもを優しく抱きかかえながら叱っていたのです。

私は無意識のうちに、立って子どもを見下ろしながら叱っている親という構図をイメージしており、それとはあまりに違う光景に驚いたのでした。

お客さまへの電話応対も、このようなも

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