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『メイドインアビス 1st series(2017)』を観ました。

このなんともかわいらしいキャラクターが、洞窟を探検するお話(テレビシリーズ 23分×13話)を観た。
アビス=巨大な竪穴の洞窟のことで、主人公のリコがこの洞窟の底生まれということで『メイドインアビス』というわけだ。

だったら、毎回ドタバタみたいのがあって、なんとかお宝を見つけて帰ってくるような、少年少女の成長ものを思い浮かべた人は多いだろう(私がそうだった)。
それで見てみたら、なにやらこの洞窟に一度潜ったら帰ってこれずに死んでしまう人もいると言う、次のお話で平然と生き返るわけではなくて、一度死んだらお終いの世界だ。

ウサギのようなモフモフな毛並みのナナチ

ネタバレせずに結論を言うと、私は終盤のぬいぐるみみたいなナナチという生き物が出てくるお話(10話〜13話)で泣いてしまった。そこから最後まではかなり衝撃的であった。
よく言われる感想に「こんなグロいなんて思わなかった」というものがある。子供が見る前に大人が一度チェックしないと、毎晩夜泣きしてしまうような「トラウマ埋め込み」作品になってしまうかもしれない。まさか(このテレビシリーズの)最後にこんな話に行き当たるなんて思っていなかった。お宝を見つけてハッピーエンドになんてならない。

▼どんなお話なのか

探索されつくした世界で、唯一その全貌が明らかになっていない最後の秘境、大穴『アビス』。底が見えない深く続くその縦穴には、不可思議な生き物たちが生息し、貴重な遺物の宝庫となっています。
「アビス」の謎は探窟家ならば誰もが魅了され、人々を冒険へと駆り立てるのでした。
そのアビスに魅せられた冒険家を探窟家と呼び、人々はアビスの周りに大きな街『オース』を作ります。『オース』に暮らす孤児のリコは、いつか母のような偉大な探窟家になり、アビスの謎を解き明かすことを夢見ていました。
そんなある日、リコはアビスを探窟中に、少年の姿をしたロボットを拾い・・?

https://tasmolin.com/madeinabyss1/

なんでリコはそこまでして洞窟の底を目指すのかと言えば『どうしても抑えきれない好奇心』があるためだが、もうこれは好奇心なんてことばでは表現できない。『魂が欲して暴れる』みたいなものだろう。
「もしも死んでしまったとしてもこの目で見たい」「ここで安全に生きていくより、見て死んでしまった方がいい」「見に行かないでずっとここにいたら、頭がおかしくなってしまう」なんてことなので、これはもう誰にも止められない

どこの閉鎖された世界(島とか山奥の村とか)にもこういう「ちょっと普通でない人」がいることで、閉じていた扉が開くことになるのかもしれない。もしも誰一人冒険しなければその集団は新たな発見もなく、同じ繰り返しでどんどん劣化していってしまう

今作がヒットするってことは、もしかしたら多くの人がありきたりの現実に飽き飽きしていて、想像の枠を超えた冒険やスリルを求めているのかもしれない。
「いかに失敗しないで他より安定して有利に生きるか」なんてことだけをみんな考えてるなんていうのは、もう既に大きくハズレた思い込みなのではあるまいか。

後先考えないで冒険に出たい。命懸けの冒険に出たい。そこで今まで見たことのなかった風景を見てみたい。そのためなら命をかけたってかまわない。そういう生き方ができたら、「本当に生きてる」って感じかするのかもしれない。


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