中国・台湾TPP申請

中国と台湾がTPP加盟申請をした。
中国は「一つの中国」を原則に、台湾が加盟することに断固反対をしている。中国をとるか、台湾をとるか議長国である日本は難しい舵取りを迫られている。

選択肢としては以下のいずれかであろう。
①中国のみ加盟を認める
②台湾のみ加盟を認める
③中国・台湾両国の加盟を認める
④中国・台湾両国の加盟を認めない

結論から言うと、②の台湾のみ加盟が認められると個人的には考える。

まず、そもそも中国が加盟できるのかについてだが、TPPの法規制はかなり厳しいものとなっている。データの透明性や、国営企業への補助金規制など、今の中国にとっては妥協できない要件がある。また、TPP加盟には、加盟国の全会一致が必要だが、ベトナムやオーストラリア、ペルーは外交・経済的問題から賛成はしづらいと言える。何よりも、加盟国ではないがアメリカが断固反対をするだろう。ひとたび中国が加盟すればアメリカが今後加盟したいと言っても中国に加盟の拒否権を持つことになるからだ。したがって、これら総合的日時考えて、中国が加盟することはほぼあり得ないと思われる。

一方で台湾はどうか。たしかに中国が「一つの中国」を原則に反対しているが、そもそも台湾は世界貿易機構(WTO)に加盟しているという前例がある。また民主主義国家であるため、TPPの法規制もより遵守しやすいだろう。何よりも台湾の総統が全てのルールを受け入れるとまで明言しており、余程の覚悟なのだろう。台湾としては、先に中国が加盟すると台湾が加盟することができなくなることを懸念しているため、これほどにまで積極的なのだろう。また、仮に中国の反対を押し切って台湾の加盟を認めたとしても、中国が加盟国に対して何かしらの報復をするということは考えにくい。なぜなら、そんなことをすれば米国だけでなく、TPPという貿易取引高2.9兆ドルの大型連携の加盟国から逆に報復される事態になる可能性もあり、中国のほうがより損を被る可能性が高いからだ。

したがって、中国からの経済的報復に恐れることなく、TPP加盟国は粛々と台湾の申請を進めればいい。台湾は世界GDPランキング21位とベトナムやシンガポール、北欧諸国よりも大きい経済規模だ。また、安全保障上も中国包囲網の一角となる。目先の経済だけを見れば中国を加盟させるのもいいが、そもそも純粋にTPPの公平な競争原理に満たすだけの法規制ができていないのだから、認められるわけがない。粛々と台湾の加盟を進めることを期待したい。

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