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記録6(忘却癖)

 この記録で書こうと思っていた事をもうすでに忘れているので、当初の予定とは違った内容になる。

 私は幼少期どころか中学、高校の事をかなり覚えていない。このせいで、大変なことがよくある。
 大学時代に見知らぬ人から久しぶりと声をかけられた。人違いだと思い素通りしたが、覗き込まれ「やっぱり」と言われた。ここまでくると私のこと以外ありえない。しどろもどろになっていると名乗ってくれた。まだ分からない。そうすると落ち込んだ様子で去っていった。申し訳ない本当に、でも貴方が一体いつの頃の知り合いかも分からない。私は人気者なタイプではなかったので、おそらくそこそこ仲良くしていたはずなのだが、一体何者だったのだろうか。

 フレンドリーに電車で声をかけてくれた方、申し訳ない、顔は分かる垢抜けて綺麗になった、ただ名前が分からない。よく会う友達が懐かしそうに話す人の名前は分かるでも顔が思い出せない。私の学校にはものすごいイケメンがいたらしい覚えてない。私の母校にはアイドルがいたらしい。最近のポスターを見た、5人の内どの子か分からない。

 ひたすら失礼な奴になのだが、本当に思い出せない。私にも思い出はたくさんあるのに、なぜこれほど大切な事を忘れてしまうのか。

 最近バイト先に中学の時の私を知っている人が応援として私の店舗にやってきた。「久しぶり、覚えてる?」

お・ぼ・え・て・な・い!!!

 誰なんだ!心当たりもない!彼女は私が何部で誰とよく一緒にいたかまで覚えている!そんなに私の事なぜ知っている!彼女に会うと凄く緊張する、相手は昔の友人いる気分でいるだろう、しかし私は初対面の人と話してる気分なのだ。誤魔化しきれるか、バイトを辞めるまで。

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