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ご存じですか?グリーンプリンティング(GP) 20210912解説

毎年9月は「印刷の月」です。これに合わせて各種表彰が行われますが、そのなかに、「GP表彰」があります。GPはグリーンプリンティングの略です。

https://www.jfpi.or.jp/topics_detail6/id=36

グリーンプリンティングとは?

グリーンは、環境配慮を象徴する色・表現ですね。グリーン購入、グリーン・イノベーション、税制のグリーン化、など。

プリンティングは、印刷です。

したがって、グリーンプリンティング=環境に配慮した印刷。

しかし、「環境に配慮した印刷」とは、具体的に、何を・どのように・どこまでやっていればよいのでしょうか?その判断基準がないと、各社各様、テンデバラバラに主張することになり、印刷物の発注者も、利用者も、何が何だかわかりません。

結果、全体として「あやしい・いい加減・手前味噌」といったイメージが広がってしまうでしょう。

そこで、グリーン購入や、環境配慮製品を進めるにあたっては、最初に重要なのが、明確で客観的な評価・判断基準の確立です。

グリーンプリンティングの場合には、日本印刷産業連合会が定める「グリーン基準」です。


国のグリーン購入法の場合、「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」で、その評価・判断基準を定めています(特定調達物品等の判断基準)。http://www.env.go.jp/policy/hozen/green/g-law/index.html
グリーン購入ネットワーク(GPN)という民間団体では、品目ごとにグリーン購入ガイドラインを定めています。各種グリーン基準に該当する環境配慮商品のデータベース「エコ商品ねっと」の運用も行っています。https://www.gpn.jp/econet/

グリーンプリンティング(GP)認定制度

GP認定制度は2006年11月に制度がスタートしています。ですから、本記事執筆時点で、ほぼ丸15年が経過してるわけですね。

印刷に伴う環境負荷は、大きく3種類に分けられ、それぞれに対応したグリーン基準が策定されています。

①資機材:紙、インキ、製本のりなどの原材料の製造や、洗浄剤、印刷機械等の使用に伴うもの
②印刷工場:実際に印刷物を生産する事業所でのエネルギーの使用やVOC(揮発性有機化合物)の発生など
③印刷製品:様々な用途に使われ、最終的にその多くが廃棄される

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出典:https://www.jfpi.or.jp/files/user/pdf/greenprinting/GPandSDGs_leaflet.pdf

このうち、認定制度の対象となっているのが、資機材と印刷工場で、印刷製品については、認定を受けた印刷工場が仕様を確認した上でマーク表示を行います(GPマーク表示)。

GPマーク表示

GPマーク、「見たことがないよ」「知らないよ」という方も多いと思いますが、下図のようなものです。冊子であれば、裏表紙や奥付、チラシであれば片隅に、探してみてください。

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出典:日印産連HP

GP表彰

さて、印刷業界は15年間、地道にこのような活動を進めてきたわけですが、残念ながらまだまだ認知度が低い、というわけで、2015年に表彰制度が創設されました。

2015年は日本印刷産業連合会(印刷業界の団体)設立30周年の節目だったわけですが、実はSDGsを含む2030アジェンダの採択と、ほぼ同じタイミングでした。

この表彰は、GP環境大賞と、GPマーク普及大賞、GP資機材環境大賞の3種類。表彰基準は単純です。

GP環境大賞:GPマークをより多くの自社印刷物に表示した発注者
GPマーク普及大賞:GPマークをより多くの受注印刷物に表示したGP認定工場
GP資機材環境大賞:より多くのGP資機材認定製品を登録したメーカー

なお、GP環境大賞には2021年度から、「GP 環境大賞ゴールドプライズ」が追加されました。GP環境大賞を3回以上受賞した企業・団体が対象で、いわゆる「殿堂入り」ですね。こちらの3者です。

NTTタウンページ株式会社
大阪阪商工信用金庫
株式会社タカラトミー

2021年度の表彰の詳細は、こちらをご覧ください。みなさんとご縁のある会社・団体、入っていますか?

GP制度とSDGsの関係は?

最後に、GP制度とSDGsの関係について。

GP制度は2006年にスタートしましたから、時系列でいえば、SDGsより10年ほど先行しています。

その内容は、印刷物のライフサイクルにわたる環境配慮を受注者の立場から積極的に進めようとするものです。

その目論見が社会的に大きな効果を発揮するためには、印刷物の発注者の役割が重要です。

発注者はGP認定工場に発注することで、印刷物の環境負荷低減に貢献することができるからです。

そういう意味で、GP制度が本質的に寄与するのは「ゴール12:持続可能な生産と消費」です。印刷会社を選ぶことが、実は、SDGsに貢献する具体的な行動の1つとなるのです。

VOC発生抑制、CO2排出抑制等の環境負荷低減は、それぞれ関連するゴールの達成に寄与します。詳しくは、こちらの資料をご覧になってみてください。

https://www.jfpi.or.jp/files/user/pdf/greenprinting/GPandSDGs_leaflet.pdf

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