見出し画像

この世で一番寂しいのは、もう二度と戻らない昨日を本質的に感じ取ってしまうこと

限りなく10年に近い9年の交際を終えた。
どこで何を間違えたのか、もはや分からない。
いや、そもそも間違いだらけのまま進んでしまっていて、今ようやく正しい道に互いに戻ろうとしたというだけの話なのかもしれない。

別れて1か月強が経って思うことは、今感じている寂しさは、ただ相手の不在を感じているからというだけではなく、人は良くも悪くも変わり、去っていくものだという真実を得てしまったことで感じる孤独なんだと思う。
私が全力で愛し、そして愛してくれたあの人は今、この世界のどこにもいない。二度と同じ昨日が繰り返されないのと同じように、あの頃の、キラキラして見えて堪らなかったあの人は、もういない。

この世で一番寂しいのは、もう二度と戻らない昨日を本質的に感じ取ってしまうことなんだと、身をもって知った。

知りたくなかった真実が強引に眼前に示されたことで得られたものは、ただ空しくて寂しい孤独だけだった。だから私はずっと真実から目を背けてきた。だってどうせこうなることは分かり切っていたから。私は傷つきたくなかった。だけど、その最後の砦は最悪の形で崩れ去った。彼は、私がそれで傷つくなんて全く思ってなかったみたいだから、驚く。

浮気の白状とプロポーズを同時にするなんて、頭がイカれた人間のすることだ。今ならそう言い切れるのに、その瞬間は「教えてくれてありがとう」なんて、感謝の念まで感じていたんだから、私はただのバカだ。

本当の意味で自分自身を大切にするためには、他人の欺瞞や嘘や傲慢さから目を背けちゃいけない。今回それを学べただけ、私の人生はまた一歩前に進める、と思うことにした。だから現実的な人物の不在による寂しさは、もうほとんど感じない。それが、ほんの少しだけ寂しい。

結局のところ恋愛は、自己満足の積み重ねでしかない。
だから私は、この先しばらく一人でも大丈夫だと言い切れる。
あなたをこれだけ長い間愛することが出来た自分自身に、今、とてつもない充足感を得ているから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?