世にも珍しい祭り河童祭りの話① 〜1ヶ月前〜

今から、数年前のまだ独身時代の話。

広島駅の川沿いにでかでかと「河童祭り」のお知らせがかかげられ、

河童という得体の知らない生き物の祭りなんてあるんだ!と衝撃をうけた。

面白そうだし、行きたい。しかし、このような祭り、誘う時点で恥ずかしい。

「河童祭りがあるんだけど、一緒に行かない?」

はかなりハードルが高い誘い文句だ。

私の友達は20代の女の子ばかり。

今のところ、河童祭りには、お洒落な要素もトレンドな要素も感じられない。

来てくれたとしても、楽しんでもらえないと意味が無い、

お互い気を遣ってしまい疲れるだろう。

それでは、申し訳ないし、私も行きたくない。

こんな面白そうなイベントは一緒に楽しんでくれる人でなければならないのだ。

しかし、一人だけ一緒に行っても、楽しんでくれそうな人を知っていた。

 
その人は、職場のJ先輩だ。

先輩はバンドを組んでおり、たまに不思議なイベントを開催され、

度々私も誘われては、そのイベントを楽しんでいた。

私も高校の時から、前衛書道をやっており、表現をする者同士話が合った。

そんなJ先輩とは、職場の上司が河童に似ている気がするという話から、

河童の話に花を咲かし、そこから先輩の妖怪好きが判明した。

そして、当時私は「インスタント沼」という映画に河童がでてきた影響もあり、

真剣に河童を見えるようになりたい!と思ってるという事を話したばかりだった。

そもそも、こんな話をいい大人が話す話ではないように思えるが、

先輩と私は気にせず、そのような会話で友情を育んでいた。

何てタイムリーなイベントなんだろう!

先輩はきっと用事がなければ来てくれるし、面白いそうと言ってくれるだろう!

と思い誘った。

すぐに「いいよ」と言ってくれた。


私は早速、ネットで河童祭りを検索した。

そうすると、河童のモノマネ世界大会や、

きゅうりの早食い世界大会が行われると書いてあった。

何と、すぐ近くで世界規模の大会を見る事ができるなんて、すごい!

しかし、これは言い過ぎなのでは?

世界各国から、河童のモノマネやキュウリの早食いをするために人は集まるのか?

みんな河童祭りにむけ、日々練習をしているのか?という疑問をもちながらも、

確かに他の国でやっていなければ世界大会になるなーと妙に感心した。

こうなると、言った者勝ちだ。

その事を先輩に報告すると、

「河童もよくわからない存在なのによくモノマネなんて出来るよね。基準も曖昧だよね。」

と冷静な返答が返ってきた。

確かに、それもそうだ、河童なんてみんな見た事もないのに、

どこで判断するんだろうと思うと笑いがこみ上げてきた。

この祭りは、かなりおもしろやべえ祭りなんじゃないか。

続く

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