世にも珍しい河童祭りの話⑤〜ついに始まったかっぱのモノマネ世界大会〜

再び、ステージに戻ると、さっきはなかった人だかりがあった。

いよいよモノマネ大会が始まったか?我々は焦った。しかし、様子が違う。

子供がステージで踊っており、ステージのギャラリーは子供達の家族であった。

ビデオ片手に盛り上がっている。

さっきのバンドでは、このような盛り上がりはなく、この席は食べ物を食べることにしか使われていなかったのに一変していた。

「何か、切ないですねー」「切ないねー」

とこんな会話をかわし、我々は知らない子供達の踊る姿をみていた。

最後は、大学生のダンス部。

頑張ってはいるが、キレがないブレイクダンスであった。

ブレイクダンスは切れがあるから楽しいし、かっこいいのだ。

どんどん、私たちはここに、何をしに来たんだろうという気持ちになってきて、気持ちは下降傾向にあり、会話もなかった。

しかし、ブレクダンスが終わると、ついにお待ちかねの河童のモノマネ世界大会が始まった。

審査員は3人いて、そのうち1人は、河童の格好をしたおじさん。

全身タイツはもはやこの暑さで汗びっしょりであった。

他の2人はかっぱの格好はしていない。

エントリーしたのは、6人。そのうち3人は子供で、グループでの出場だ。

この世界大会は実質4組での戦いになった。せっ世界は狭い…。

最初の挑戦者は3人の子供のグループだ。

格好はいたって普通。何も河童の要素は見かけではわからない。

大丈夫なのか?と心配していると、自己紹介が始まった。

んっ?モノマネではない?!

自己紹介後、モノマネが始まった。

女の子1「私たちは河童です」

女の子2「暑さでお皿が乾いちゃった」男の子が水筒を取り出す。

女の子1「あー!お水だ!ゴクゴクゴク。復活—!」

女の子2「これでモノマネを終わります」

終わった、モノマネじゃなかった、ただの自己紹介だった、拍手がぱらぱらと聞こえる。

こっこれは…と先輩も言葉を失っていた。私も笑うしかない。

その間に、審査が始まった。

1組目の挑戦者の審査の方法は、審査員が、札を1人でもあげるとチャンピョン暫定ボックスに残れるといった方法であった。

気になる審査は…。

2人札をあげていた。河童のモノマネは甘いなぁと思った。

子供グループは、チャンピョン暫定ボックスへ。

「緩いねー」「緩いですねー」と私たちは同じ感想をもっていた。

続く

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