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少年ジャンプ40号ひとこと感想

2023年40号 表紙

ONE PIECE

第1091話 “戦桃丸”
籠城からの脱出という流れはちょっと魚人島を思い出すけど、当時(?)と全然規模が違うあたりに物語が最終章になったんだな~!と感慨深くなります。

私は個人的に黄猿のあり方には共感を覚えるため、今回の回想を挟みながらの黄猿VS戦桃丸戦は見ていてあまりにも切なかった。黄猿は今の海軍の在り方が「絶対的に正しい」とは思っていないはずで、それでも今の形が最も「まし」だと思っているから未だに海軍大将をやってるんじゃないかと思っているんですが(つまり何かを切り捨てることを承知で自分の守れる範囲のものを守っている)、黄猿にとってベガパンクや戦桃丸はそう多くはない守りたいもの、変わらないで欲しいものだったんじゃないか……とか考えてしまってうっかり泣いてしまった。ワンピースがルフィの物語である以上そっちが本筋として書かれているわけだけど、こういう敵対キャラクターの背景もしっかり想像できる書き方なのが本当に天才のマンガだと思います。

ベガパンクの暗殺を目論んだルッチによってステューシーが負傷、ゾロVSルッチの形で場外へ。ここで動いたのがルッチだけで、カクが取り残されたのもなんだか今後の展開に影響しそう。ルッチが動いてすぐにナミからバブルガンを取り上げてカクを閉じ込めるサンジの視野の広さ(そもそもナミがバブルガンを持っていることも把握していた)が好き。アラバスタ、W7での暗躍を思い出します。ゾロとサンジ、両翼と言っても左右対称ではなくそれぞれの特色があるキャラクター造形も最高。

なんか久々のワンピースにテンションが上がってワンピースをめちゃくちゃ持ち上げる人みたいになってしまいましたが、実際ワンピースのことはマジですごいと思っているので大体毎週こんな感じかも。

次回は黄猿VSルフィから……かな!?
マジで手も足も出なかったシャボンディ諸島の戦いから実力差がどうなったのかは気になりますが、ここで完全決着はつけないような気もするし、どうなるんだろう……。というところで来週は休載。2週間後が楽しみです。

そういえば黒ひげの船がエッグヘッドに来ているっぽい描写があったのも気になる。このタイミングで現れる黒ひげと言えば思い出すのは頂上決戦ですが、今回も海軍VSエッグヘッド防衛装置(?)の漁夫の利をやるかもしれないと思うとハラハラする。

僕とロボコ

第151話 理央とロボコ
長編完結編。オチはかなり王道SFって感じで私は好き。
手のひらを回転させるスピードが爆速のロボコがめちゃくちゃよかった。

SAKAMOTO DAYS

DAYS 132 餌
坂本と南雲はちゃんと情報交換しろ!!!!!

お互いの立場上できないのはわかっていても、学生自体の親友(?)と距離ができてしまっているところを見せられると心の弱いオタクはこの社会の世知辛さで普通に傷ついてしまう。

上終(カミハテ)が大沸のことをかわいいと思っているらしいシーンと「帰っていい?」「送ってくわー」の緩さがいつものSAKAMOTOで良かったです。

勢力図としてはこんな感じ?
・殺し屋展を見たい会長(麻樹)
・会長ごと殺し屋展を爆破したい×(スラー)陣営
・会長を殺しに来た×(スラー)=有月を始末したいORDER陣営
・会場の爆破を止めたい坂本商店陣営

ただ、南雲は本当に麻樹を守る気があるのか、真実が明らかになれば神々廻も麻樹への好感度は低いだろうところを踏まえて考えると各陣営の動きはもっと複雑になりそう。

×(スラー)陣営に攫われっぱなしの虎丸・マフユと日本に戻ってきたらいるはずのナツキの動向が気になるところ。ナツキは坂本商店陣営で動いて欲しいけどどうなるかな……。

どちらにしても「なんでも武器にする」坂本がいろいろな武器が展示してあるであろう殺し屋展で大暴れするってだけで今後がめちゃくちゃ楽しみです。そろそろセンターカラーも見たい。巻頭でもいい(?)。

アオのハコ

115 ラッキー
今回は恋愛というよりもスポーツマンガ回だった。
ライバルだと思っていた相手と戦うことすらできない、というプライドの傷つけられ方は興奮しました。

9月の新刊のお知らせコーナー

SAKAMOTO DAYS 13巻とキルアオ 1巻が同時発売になったおかげで見開きで殺し屋が並んでるのちょっと笑ってしまった(後ろに夜桜の太陽もいる)。

あかね噺

第76席 志喜彩祭②
人と人の才能の「差」とでも言えばいいのか、残酷な現実を見せてくる回をあの明るい回の次にやるんだ……という緩急のつけ方にぞっとした。しかもその「差」を「焼きそば、すっごく美味しかった」という単体で見れば何でもない台詞で表現したのがあまりにも天才。あまりにもキツかったからか、私にまで花火の幻聴が聞こえた。

アンデッドアンラック

No.173 今のアイツは
先週世界救済RTAみたいだって言ったら今週でいきなり時間を15年スキップしたので「こいつ……本気すぎる……」になった。

前ループでも印象的な幕引きだったリップ&ラトラ編がもう!?という驚きはあるものの、アンデラならそうかも……という納得感もある。また、かなり強引な時間のスキップには私も「取りこぼし大丈夫?」という気持ちがあったんですが、これの回答もしっかり準備されていてよかった(占いだって言ったらニコは怒るだろうが……)。

しかし、ここでスキップするorしないで登場人物を分けて年齢の調整が入る辺り、前ループのときからしっかり練られたキャラクター設定がある(というか多分年表がある)んだろうな~と思ったし、この設定をWJでやり切ろうという試みが本当にすごいと思う。完結後でいいから99~101回目のループ年表をファンブックとかで見せて欲しい。

あとリップは記憶持ち越してないのにめちゃくちゃ強そうになっててそんなことある!?になった。頼もしい……。

キルアオ

page 19 バレた
今週しっかりバトル路線に入ってて、マジで作風の幅が広くてすごいと思った。
その上で十三の元々の殺し屋としての人柄や腕前、なぜ偽名じゃない名前で中学に入学してしまったんだ……という謎も明かしてくれてよかった。ベタな流れだと「この十三の愛人」発現で元奥さんに誤解されていざこざが……とかありそうですが、元奥さんが十三の現状をしっかり把握しているのでそれはなさそう。

相手の話とか聞いた感じ、ミツオカの力(?)による超人(?)をここから敵役として出していけそうな感じもあるので、そういう足場作りも上手いと感じる。

来週あたり一般人の天馬が殺し屋と戦ってしまいそうだけど本当に大丈夫か!?
とはいえ天馬と戦う相手は元々スポーツ好きな男の子って描写を先に入れているため、バランスが取れているのもすごい。

夜桜さんちの大作戦

作戦192. ふたご は おこっている!!
思ったよりもさくっと七悪救出が完了。
大人の成長って子どもの成長をメインに描くと忘れがちなところですが、ラストの狂一郎が2人の機嫌を取るだけの情けない大人ではなく、2人の考え方を尊重しているという姿勢で接してくれたところがよかった。

ウィッチウォッチ

123 災いの日-⑩
ウルフ、強い。
ウルフがこんなに強いことを知らなかったためめちゃくちゃビビった。ウィッチウォッチ、実は中間あたりで読んでいない話があるんですが、その辺りの話で出てきてるのかも……。

しかしまあ、アオリで「比翼」って言われているのがめちゃくちゃエモですね。

鵺の陰陽師

第16話 学郎の影
負の感情が吹き出すシーンってライバル戦の見せ所だと思うんだけど、それがちゃんと見せ場として描かれていてアツい戦いの演出力の高さを感じた。

代葉の人生はこれまで散々なものだったんだろうけど、「羨ましかった」という本音を吐露する相手を見つけられたことがこれからの救いになって欲しいと思う。なんか切なくなってきてこれを書きながら涙が出てきてしまった。

狂骨、代葉を裏切らないでくれ(ずっと言ってる)。

逃げ上手の若君

第124話 力攻め1337
ここから先の作戦~~~~~!!!
読者視点だと斯波の「あれ」が演技であることがわかっているのでめちゃくちゃ不安。本当に不安。

アスミカケル

Round11 地下へ
先週言っていた「必殺技」は固有の超技を作ろうという話ではなく、いわゆる「強み」の軸を作ろうという話だったのを見て、そういえばこのマンガは格闘技ものであってバトルものではなかったな……と再認識。

そろそろ二兎の試合も見てみたいな……というタイミングで地下試合の話を持ってきてくれるこのテンポ感、ファンになってしまう。読者の気持ちだけではなく、二兎自身も戦ってみたいと感じ始めているタイミングなのが良い。

暗号学園のいろは

第三十八号 「後のまつりごと」
このマンガ、章が終わるごとにバームクーヘン回やるのかも。
サブタイトルはまつりごと=政ともとれるので暗躍する凍の動きが気になるところ。

一ノ瀬家の大罪

第39話 颯太の追憶
疑似家族の崩壊を通して、颯太の「家族=幸せに暮らせない」「家族じゃない=幸せに暮らせる」という極端に偏った価値観を(語弊のないように書いておくと、この逆が「正しい」と思っているわけではないです)示した回。
そろそろ一ノ瀬家のターンに戻るかな~と思ってるけど、どうだろう……。

アイスヘッドギル

第10話 王命
再びリッチを倒しに行くことになるものの、今度は「王命」であるところが今までとは違うところなので、その違いによって今度のギルの動きがどうなっていくのか気になる。

王もちょっとヤバい感じだったので、思ったよりも解決するべきことが多いのかも。

【読み切り】 箱入りお嬢とグータラ執事

武鴨樹
15ページの過不足なくおもしろいマンガ!!!って感じで好き。
主な登場人物は2人だけでも話が上手く回っていて、かつ人数が絞られている分キャラクター描写に割ける割合が多かったからか2人とも好きだな~~~と思える内容なのがよかった。

ドリトライ

第17話 悟り
先週あたりから超次元ボクシングバトルになってきて(腕が太い辺りから片鱗はあったと思う)、こういう思い切った感じの演出結構いいなと思いました。

「心の強さ」を周りに押し付けて傷つけてしまった罪、これは割とどんな作品にも刺さるテーマの1つだと思うのでこの作品なりの答えがどんなものになるのか、そこは結構楽しみです。

テンマクキネマ

20 コンクール出品前夜
さくっと予選(?)は飛ばして最終選考へと進む「渚」。
この上映会では「渚」の評価と、姫希と母親の関係がどう変化するのかが気になる。また、マンガ自体が続くのであれば「渚」を契機にプロ編に話が進みそうなフラグはあるけど……この先どうなるかな……。

人造人間100

第36話 契約履行
最後の最後まで人間と人造人間それぞれのスタンスを貫いた幕引きで、その一貫した世界観が魅力的な作品だった。ラストに向けての流れも不自然な駆け足という空気ではなく、ちゃんと最後までペース配分をして、きれいな着地になったのがとてもよかった……。最後まで作品テーマを読者に見せて、かつ楽しませてくれた作家だという印象で、次回作も応援したいと素直に思える作品でした。

「制作者の意図に最も近付きたい」という望みと「生物として、より強いものになりたい」という望み、「どちらが真に生物的であったか」や、人間と決してわかりあえない人造人間は「生まれてきてはいけなかったのか、そうだとしたら生まれてしまったものはどうするべきだったのか」など、考えても答えのない難しい問いかけが良い意味で心に残る作品だった。

本当におつかれさまでした!


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