少年ジャンプ2023年42号感想
表紙: カグラバチ
巻頭カラー: カグラバチ
センターカラー: 魔々勇々
センターカラー: アンデッドアンラック
センターカラー: 鵺の陰陽師
新連載: カグラバチ
連載終了: ドリトライ
読み切り: なし
カグラバチ
第1話 “すべきこと”
先週の魔々勇々に引き続き、絵が上手い新連載が始まった!!!というのが第一印象。
日本刀がキーアイテムになるということで現代~近未来か、異線現代が舞台になるのかな?と思っていたんですが、読んだ感じだとハイファンタジーっぽい? 「最近の新連載はハイファンタジーものが少ないね~」と言っていたのがウソみたいにアイスヘッドギル、魔々勇々、今回のカグラバチとハイファンタジーが続いてる。
前半部分が主人公の過去、時間が飛んで本編軸という1話の構成はちょっとONE PIECEの1話も彷彿とさせる感じ。主人公のバックボーンを知った上で物語が動き出す、という丁寧な走り出しが好印象でした。
絵柄、世界観的にアングラ系アクションって感じになりそうで、この方向性は今の連載作品と方向性が被らないところも新鮮で良い感じ。なにより、アクションの決め画がかっこいい。刀+金魚の組み合わせも「和」のテイストへのこだわりを感じる。
主人公だけでなく、味方・敵の双方が刀+妖術(または妖刀)の要素で戦っていく感じなのかな~と思うんですが、主人公で言う「金魚」の部分が他のキャラクターではどうなるんだろうな~とか、刀の方も変わった刀が出てくるんだろうな~という想像がかき立てられるのがいい。なんなら自分が学生だったら自分の考える最強の妖刀とか考えてしまいそうな設定が少年マンガ!!!って感じで中二要素も含んでいて期待値が高いです。
1話の感じだとちょっと世界観が暗めなので、この辺りはそのまま行くのか、もう少し軽快なバトルものになっていくのかは2話以降で方向性が示されるといいな~と思いました。
SAKAMOTO DAYS
DAYS 135 上終
ORDER時代の豹・坂本・南雲の楽しそうな様子を見ていると、この豹がもういないことがじわじわ悲しくなってくる……。あと、南雲の乗り物酔いが冗談じゃなくてマジっぽかったので「だからこの人、車の上乗るの好きなんだな」と思いました(風が気持ちいいってそういうことか~感)。
上終のスペックが射程距離8kmとか言う化物じみたもの、かつギネス保持者、「世界で最も影響力のある100人の殺し屋」に日本人で唯一選出されている、などとんでもない情報が出てくる中で「お天気お姉さん好き」という謎情報まで出てきてしまったけど、顔は未だにわからないのがおもしろすぎる。なんなら先週に引き続きライフルの銃口を眺めている清掃員が一番おもしろい。
というか、この上終よりも評価が高かったORDER時代の坂本ってホントになんなんだ?
坂本は自分を狙ってくる上終を倒してチケットも強奪するつもりっぽいですが、ORDERって別にあくの組織ではないため、主人公の行動として「それでいいのか!?」感がすごい。SAKAMOTO DAYSはそういうところある。もっとやって欲しい。
次から平助VS上終のスナイパー対決になるみたいなので超作画が来そうで楽しみ。でも実際問題狙撃手同士ってどうやって戦うんだろう……と思いました。
ていうか「外ってこえぇ~~」って言ってる上終、チケット取ったところで展示場行けるんだろうか?なんかその辺話し合ったら「あ、そうか……じゃあチケットあげる」「サンキュ」くらいのノリでチケットもらえんか?と思ったけど流石に上終が怒られるかも。
ONE PIECE
第1092話 “暴君くま聖地暴走事件”
くまも痛々しいが、赤犬も痛々しいし、なんなら黄猿も痛々しい。
この辺り、子どもの頃に読んでいたら「天竜人の味方をするなんてやっぱり海軍はわかってない!」って気持ちになったと思うんですが、今読むとこの……、仕事と私情の間で折り合いをつけなければならない遣る瀬なさをひしひしと感じてしまうので、読んでいてかなりキツい。しかもこれは読者側が深読みしすぎているわけでもなく、赤犬、黄猿の葛藤はしっかり表情や台詞として描かれている辺りが本当に……、この世界の限界を表しているようで……。
くまが一度レッドラインにぶつかってしまったのは高度不足って感じがしたので、今度こそくまがエッグヘッドに来るんじゃないかな?と思っているんですが、同時に「既にこんなにめちゃくちゃになっているエッグヘッドに……!?くままで……!?」という気持ちもあります。これ以上戦況がめちゃくちゃになること、あるんだ。
社畜の黄猿見てると本当につらい。誰か助けて欲しい。
ボニーの「あたしが戦うべき相手は変わったんだよ!!」というセリフを見た感じ、くまの過去をになにかあったんだろうな~というのは想像できるので、もしかしたらくまがたどり着いたタイミングでその辺りは語られるのかも。
また、最後の2ページでギア5のルフィ、目に光が灯った巨大ロボまで出てきて……なんかもうエッグヘッドはめちゃくちゃ。ゾロたちの音沙汰がないのも不穏だし(ルッチごと迷子になったかも)、最近は1話ごとに最終章のすさまじさを感じさせられているな~と思います。
あと巻末コメントで「LA」言ってきました~って軽く言っていたのも見たんですが(実写版の関係)、尾田先生、ホントにめっちゃ仕事をする人だな……と感動してしまった。
魔々勇々
No.2 「走れコルレオ」
2話目も好きな感じでした!よかった!
モノローグの雰囲気が小説風で、良い意味で「マンガ」というよりも「文章と絵が上手く混ざり合った読み物」みたいな空気感の作品だな~と感じます。サブタイトルも強めに意識しているのか、今回の話だと冒頭の「誕生日の子供のように走った」とラストの「逃げろ!走れ!!」で走るシーンが左右逆に描いていて(ラストの方はマママの怪我を見てすぐに戻ったけど)、そういう「言葉」と「画面構成」を大切に描いているところがいい(ただ、このペースで描くの大変そうだな……という不安もちょっとあります)。
この引きの感じだと1~3話で魔々勇々という物語のプロローグが完成するのかな?という雰囲気なので来週も楽しみです。
また、マママが前勇者のハロハロのことが好きそうだったシーンがめちゃくちゃかわいくてよかったんですが、ハロハロってもう死んじゃったんだよなあ……と切なくなりました。でもこのマンガが長く続いたら黄泉還りしたハロハロか、ハロハロの姿をした「何か」と戦う展開はありそう。
アオのハコ
117 第一歩
嫌な感じの相手に気持ちよく勝つ展開、爽快感があってよかったです。とはいえ、まだ本命の遊佐との戦いは残っているので、次はそっちが大きな壁になるのかな~という感じ。
試合後の千夏先輩と大喜のやりとりがめちゃくちゃ初々しくてよかったです。
スポーツと恋愛の2ラインを上手く同時進行していて、かつどちらも不要な感じにならない辺り、情報の取捨選択が上手くて読みやすいな~~~としみじみ思います。
僕のヒーローアカデミア
No.400 限界を
400話!?すご!!!
こんな最終決戦の戦場でも、ちょっと微笑ましい(とはいえキャパ超えしている辺りはマジで限界の戦いをしているんだとは思う)やりとりを見せてくれて良かったです。緩急があることで救われる命もある(読者とか……)。
アンデッドアンラック
No.175 RIP
前のリップのカラーと対になるようなセンターカラー、天才!?
こういうところ、作品をすごく大切に作っているんだな~って感じがあって好きです。
リップがどれだけ最高の医者だったのかを描いた上で、「二度と医者として(働くことができなくなる)」、“不治”の力でUMAシックを倒さなければならないというのが最悪すぎて最高になってしまった。リップにとって「自分が最高の医者であること」は目的ではなく「患者を救う」手段であったからこその即断だとわかっていても、リップにこんな決断をさせる神は……最悪で……。苦しい……。
ところでサブタイトルがイラストに溶け込みすぎていてこれであっているのか自信がない。
キルアオ
page 21 凄腕は考えない
展開自体はベタと言えばベタ。でもその展開の中でキャラクターを魅力的に動かすのが上手い。どちらかと言えば加点方式よりも減点方式に強いタイプのマンガに見えるものの、その中で着実に好感度を上げていく安定感が良い感じ。
アクションのかっこよさと軽快なツッコミが両立したバランスのいい1話だった。なんかキルアオの感想っていつも食レポみたいになっちゃうのなんなんだ?
夜桜さんちの大作戦
作戦194. 幸三の結婚式
途中から読んでいる読者である私は今回でようやく気づいたんですが、「双子が夜桜家の兄弟みんなからスタンプをもらう」って展開、途中から読んだ読者に一家を紹介するためにはかなり良い構成なのかも。もっと早く気付けって話ですが、今さらながら頭いいな……と思いました。
僕とロボコ
第153話 燃え尽きとロボコ
私はこういう楽屋ネタ(楽屋ネタなのか?)好き。
1回終わったと勘違いさせるメタネタもすげ~好き。素直に「最近がんばってたもんね!ロボコ!」って気持ちになってしまった。ロボコのこと実在してると思ってる!?
鵺の陰陽師
第18話 鵺と代葉
周防先輩久しぶり!!!!!
というか、陰陽師の組織自体が一枚岩ではない(意図的なものにしろ情報伝達がしっかりしていない)ところや、鵺さんがどう見ても善良な雰囲気なのに協力体制を取れていない状況を見た感じ、まだまだこの地域(陰陽師・幻妖を含む)には隠された何かがあるような気がします。
これが12クールのアニメや美少女ゲームだったらヒロインが出揃った辺りで実は学郎のいるこの地域以外は全て幻妖に制圧されていて、この市にしか人類は残っていないってことになりかねない雰囲気がすごい。でもこのマンガは週刊少年ジャンプだからそんなことはないと思う。オンラインゲームも生きてるし……。
鵺さんを疑うわけではないけど、こんなに善良で強大な幻妖である鵺さんがこれまで動かずにいたというのが(メタ的な事情を除くとして)今後の話のキーになるんじゃないかな?と思います。
ちゃんと次の中ボス的な存在もサクサク示唆して、テンポよく進んで行くのがいい。
ウィッチウォッチ
125 災いの日-⑫
もう3ヶ月くらい災いの日やってる!?おもしろいので早く終わって欲しいとかは微塵も思ってないけど、もうそんなに!?ってびっくりしてしまった。早く終わって欲しくはないけどギャグ回も恋しい!!!でも今回モイちゃんの戦闘にちょっとねじ込まれてたギャグ、よかった!!!
とはいえ切り札も出てきたのでそろそろ戦闘も佳境っぽい。
バトルマンガだともう一捻りくらいありそうだけど、ウィッチウォッチの場合はこれで勝負決まるかも……、とも思うのでやっぱり目が離せない。
アスミカケル
Round13 必殺技
修行回(回想)とか選手紹介とかもっと挟むかと思ってたのに、あっという間に1戦終わった。
二兎の名前にかけた戦闘スタイルが披露されたのは「おおっ!」と思ったし、このまま二兎が嫌々格闘技をやるってことになるとちょっと大変かな……と思っていたところにこのメンタル、格闘マンガとしてよくできてるな~~~と思いました。
一ノ瀬家の大罪
第41話 一ノ瀬家の再会
今週も引きが強い!!!
ただ、このタイミングで冒頭に戻った(厳密には颯太がいたり、翔が不穏だったりするので戻ったわけではないですが)ってことは、謎解きのターンが見えてきたのかな?という気もします。
暗号学園のいろは
第四十号 「まず解より始めよ」
次にくるマンガ大賞2023コミックス部門4位おめでとうございます!このマンガで「4位」っていうのは偶然にしてもちょっとうれしい気持ちになります。
そして先週の「説得したい1人」は縁ちゃんであることが発覚。まさかの「エピソードがない、がエピソード枠」だとは思っていませんでしたが、ここでいろはの親友枠としての覚醒はアツい(ただし、私自身は目隠れ属性持ちではないんですが、目隠れ属性持ちの人にはちょっと酷な展開なのかな……と不安に)。
また、さらっと流されたものの、保留組の綿菓子が經梨慕と密会(?)していたのも気になるところ。とはいえ經梨さんは対A組戦のときの動きを見た感じ、完全な敵ってわけでもなさそうなので(なんならちょっと良いこと言って退場枠にすら見える)どうなるんだろう……。
戦場の踊り子の話も夜鳴鶯アンヴィシャスの話もいろはには諦めて欲しくないところだけど、どうなるんだ……?この辺りは東洲斎さん、凍と組んだことが上手く機能してなんかなんとかして良い感じに収まらないか!?
あと熊、ほんとに何?
アイスヘッドギル
第12話 心臓樹と…
扉絵の航海中の修行風景が微笑ましくてよかった。
知の書がギルのおばさんで、そのおばさんが古トロル語を読めるという前提の元、リッチが知の書を消すことを目標にしているってことはドレキの形見が示すレクリスはリッチの王を倒すために必要なものなんだろうな……とうっすら……。
不穏要素はまだ結構残っているので、この戦いの中でどういう方向に話が進んで行くのかが気になるところ。一番気になるギルとサナ殺しの名を受けているスリズは別行動なので、この相手を倒した辺りで響いてくるんじゃないかなって気がします。
グレイティストとスリズの戦闘シーンかっこよくてよかった。
ドリトライ
最終話 令和
最終話のサブタイトルが年号になっちゃうことあるんだ。
一瞬生まれ変わり!?と思いましたが、そもそも時代設定的にちょうど祖父くらいの年齢だってところは納得できました。
こういう構成(最終話で未来に飛ぶ)だとしても主人公の死を明確に描くのはめずらしいような気がしましたが、その心の強さを孫が受け継ぐという流れは好きでした。でもやっぱり連載を見ていた主人公が亡くなってしまうのはちょっとしんみりしますね。
ジャンプGIGA2023冬号に読み切りが載るとのことなので楽しみにしたいと思います。
連載おつかれさまでした!
少年ジャンプ2023年43号 予告
表紙:ツーオンアイス
巻頭カラー: ツーオンアイス
センターカラー: カグラバチ
センターカラー: 夜桜さんちの大作戦
センターカラー: 鵺の陰陽師
新連載: ツーオンアイス
しかし、アンケートの票、3票だと足りなすぎる。
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