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8月23日|藤原辰史×石井美保「戦争と私の結びつけかた」『中学生から知りたいパレスチナのこと』『裏庭のまぼろし』刊行記念トークイベント


「終戦」から79年が経とうとする今も、戦争はまったく過去のものとなっていません。

ガザやウクライナで起こる暴力は報道で見えにくくされ、また、日本における戦争経験者は年々亡くなっていく――。 そんな今、私たちはどのように戦争と自分を結びつけ、歴史に出会い直すことができるでしょうか?

歴史学者の藤原辰史さんは、2024年7月、『中学生から知りたいパレスチナのこと』を上梓しました(岡真理さん・小山哲さんとの共著、ミシマ社)。 藤原さんは、ガザのジェノサイドは日本の植民地主義の歴史や、私たちの日常(たとえば食卓)とつながっていると述べ、そうしたつながりを見過ごさない「新しい世界史」が必要だと訴えます。

「力を振るってきた側ではなく、力を振るわれてきた側の目線から書かれた世界史が存在しなかったことが、強国の横暴を拡大させたひとつの要因であるならば、現状に対する人文学者の責任もとても重いのです。」

(『中学生から知りたいパレスチナのこと』より)

同月、人類学者の石井美保さんは『裏庭のまぼろし──家族と戦争をめぐる旅』(亜紀書房)を発表。 石井さんは、1930~40年代の日本に生きた祖父母たちの手紙・手記を読み、みずからの家族史をひもときながら、戦争の時代を過ごした一人ひとりの苦しみ、不安、生きる強さに出会っていきます。それは、想像もできなかった近親たちの経験を知るとともに、かれらが「見ようとしなかった」加害の歴史も含めて、語りなおしていく道のりです。

「痕跡と断片を私は探し歩き、拾い集め、自分の言葉に変えて、もうこの世にいない大叔父や、祖父や祖母たちに伝えなくてはならないような気がしている。そしてまた、彼らがその中に深く巻き込まれ、それを駆動してもいたあの戦争によって死に至らしめられた人たちに、捧げるように手渡さなくてはならないと。」

(『裏庭のまぼろし』より)


ふたりの人文学者は、どのように、等身大の「私」に「戦争」をひきつけ、言葉にしようとしているのか。 この夏、ひとりでも多くの方にお聴きいただけたらと願っています。


<開催概要>

■登壇者: 藤原辰史、石井美保
■日時:2024年8月23日(金)19:00開場 / 19:30開演(21:00終了予定)
■会場:恵文社一乗寺店COTTAGE(ハイブリッド配信)
■主催:ミシマ社
■定員:30名

※お申し込みは「ミシマ社の本屋さん」まで
(恵文社一乗寺店では受付けておりませんのでご注意ください)。

● 会場(恵文社一乗寺店「COTTAGE」)ご参加はこちら
● オンライン配信ご参加はこちら



<登壇者プロフィール>

藤原辰史(ふじはら・たつし)
京都大学人文科学研究所准教授。専門は現代史、特に食と農の歴史。主な著書に『中学生から知りたいウクライナのこと』『縁食論』『カブラの冬』『ナチスのキッチン』『分解の哲学』。2024年7月に『中学生から知りたいパレスチナのこと』(ミシマ社)を上梓。

石井美保(いしい・みほ)
京都大学人文科学研究所教授。文化人類学者。これまでタンザニア、ガーナ、インドで精霊祭祀や環境運動についての調査を行ってきた。2020年の夏、アジア・太平洋戦争で戦死した大叔父の遺した手紙を手にしたことから、戦争と家族史について調べ始める。主な著書に『環世界の人類学』『めぐりながれるものの人類学』『たまふりの人類学』『遠い声をさがして』など。2024年7月に『裏庭のまぼろし──家族と戦争をめぐる旅』(亜紀書房)を上梓。


※当イベントに関するお問い合わせは、「ミシマ社の本屋さんショップ」へのメール、もしくはミシマ社オフィス(TEL:075-746-3438 / 平日 10:00〜18:00)まで電話くださいませ。



<注意事項など>

*お客様都合によるキャンセル・返金は承っておりません。
*チケットの転売・共有は固くお断りいたします。
*イベント中のカメラ / 携帯 / スマートフォン / タブレットなどによる撮影・録画、および録音は禁止いたします。


(担当:韓)

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