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7月26日|石岡丈昇 × 藤原辰史 トークイベント「学問はスラムにあり ─ 空腹や呼吸、発汗から考える ─」

この度、石岡丈昇さんによる『タイミングの社会学――ディテールを書くエスノグラフィー』(青土社)を刊行いたしました。本書の刊行を記念して、農業史や食の思想史を研究されてきた藤原辰史さんとトークイベントを行います。

『タイミングの社会学』は、フィリピン・マニラの貧困地区を舞台とするエスノグラフィーです。本書には、減量に励むも相手の都合で試合が延期、そして白紙になるボクサー、政府からの自宅の強制撤去通達を受け取るも、いつ本当に撤去が行われるのかわからないまま暮らす市民、雨の日の通勤のための乗り合いバスに、濡れた髪と落ちた化粧のまま乗り込む女性の姿などが描かれます。

かれらは、住まうため、働くため、食うために、いつまで待てばいいのかわからないタイミングを待ち、疲弊し、それでも絶えざる今を生きのびていきます。こうした細部との出会いとその描き方について、スラムから問う知のあり方を中心に語りつくします。

また本書は、生身の人間が空腹に耐えかねること、酸欠にならないよう呼吸すること、汗水を流して働くこと、といった生理学のレベルからエスノグラフィーを書くことにも挑戦しています。貧困や暴力、差別といった人間社会の問題を考えると同時に、生きものとしての人間のあり方も問うことを通して、歴史学や社会学の知をどのようにとらえ直すことができるのでしょうか。

フィールドも学問も時空を超えて縦横無尽に越境する、知の冒険となる一夜です。どうぞお楽しみに!

主催:青土社からのメッセージ


日時:2023年7月26日(水) 19:00〜20:30頃まで(開場18:30)
場所:恵文社一乗寺店 イベントスペースコテージ
参加費:1500円
定員:30名

こちらのご予約フォーム、もしくはお電話(075-711-5919)、店頭にてご予約ください。
●当店よりの「受付完了」ご返信メールをもってご予約受付完了とさせていただきます。定員に達した後にご予約希望をいただいた場合、ご参加いただけない可能性がございます(その際は、その旨を当店よりご連絡差し上げます)。予めご了承ください。

●本イベントはオンラインでの配信も行います。
オンラインでの視聴をご希望の方は、こちらよりお申し込みください。
(オンライン配信の受付は7/25の23:59に締め切らせていただきます)


<登壇者プロフィール>

石岡丈昇(いしおか・とものり)1977年生まれ。
現在、日本大学教授。専門は、社会学。著書は本書の他に、『ローカルボクサーと貧困世界』(世界思想社;日本社会学会奨励賞)がある。共著に、『質的社会調査の方法』(有斐閣)、『アスリートたちが変えるスポーツと身体の未来』(岩波書店)、『人間と社会のうごきをとらえるフィールドワーク入門』(ミネルヴァ書房)などがある。


藤原辰史(ふじはら・たつし)1976年生まれ。
現在、京都大学人文科学研究所准教授。専門は農業史、食の思想史。著書に、『ナチス・ドイツの有機農業』(柏書房;日本ドイツ学会奨励賞)、『カブラの冬』(人文書院)、『ナチスのキッチン』(水声社/決定版:共和国;河合隼雄学芸賞)、『稲の大東亜共栄圏』(吉川弘文館)、『食べること考えること』(共和国)、『トラクターの世界史』(中公新書)、『給食の歴史』(岩波新書;辻静雄食文化賞)、『分解の哲学』(青土社;サントリー学芸賞)、『食べるとはどういうことか』(農山漁村文化協会)、『縁食論』(ミシマ社)、『農の原理の史的研究』(創元社)、『歴史の屑拾い』(講談社)、『植物考』(生きのびるブックス)、『これからの日本で生きる経験』(編集グループSURE)他。共著に『農学と戦争』、『言葉をもみほぐす』(共に岩波書店)、『中学生から知りたいウクライナのこと』(ミシマ社)他がある。


<注意事項など>
*発熱、体調不良、風邪の諸症状が見られる場合のご入店はご遠慮ください。
*イベント中のカメラ / 携帯 / スマートフォン / タブレットなどによる撮影・録画、および録音は禁止とさせて頂きます。

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