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【レポート】haru nomura 草木染めWS「身の回りの草木で染めよう!」

haru nomura主宰・野村春花さんに教わる、自宅でも手軽にできる草木染め。

過日、温かな雰囲気の中での開催となりました。

思い入れのあるものを持ち寄り、どんな色になるかな?とワクワクしながらのひととき、みなさん楽しんでいただけましたでしょうか?

WSの様子を少しだけご紹介します。

まずは染料となる草木の枝葉をみんなで切るところから。染料に選んだのはお料理でも親しみ深いローリエ、夏の名残を感じるブルーベリー、秋の訪れを感じるどんぐりの三種。ローリエは言わずもがな、ブルーベリーは枝や葉からも実のようなよい香りがします。どんぐりは少し香ばしいみたい。手で、はさみで、折ったり切ったり。和やかな空気の中、小気味よい音が響きます。

スタッフが近所の森へ採取に行ったどんぐり。草木染めには、夏の終わりの枝葉や実がちょうどいいのだそう。クヌギやコナラ、シイ、カシなどいろいろな種類がありました。

切り終えた枝葉は大きな寸胴鍋に入れ、いよいよ煮出しへ。あたりはたちまちいい香りに包まれます。

お湯が沸騰してくると、薬草茶のようななんとも言えないよい香りが広がります。

ローリエはいつもは赤っぽくなるそうですが、この日は少し黄みがかった色になりました。天気や気温、染める人の気持ちが色にゆらぎを生み出すのだそう。全く同じ色には出会えない、それが草木染めの醍醐味。この色は、この日に、この場に集ったみなさんとだからこそ出会えた色です。

煮出すとこんなにきれいな色に。
(左から ローリエ ブルーベリー どんぐり)

煮出した染液に浸すと、早速うっすらと色づいていきます。そして媒染を施すとまたちがう色が現れる。一瞬一瞬が色との一期一会の出会い、刻々と移り変わり、巡る命の色です。はじめて発見した人はどんな気持ちだったのだろう、と思いを馳せずにはいられません。

同じ染液でも染めるものの素材や状態によってまたちがった色合いになるのだそう。最後までどんな色に染まるか分からない、その過程がとても興味深く、みなさん真剣に向き合っていらっしゃる様子が印象的でした。

上:ビー玉やおはじき、カメラのフィルムケースを使った模様染め。
下:煮出した草木の中から好きなものをひとつ選んで染めていきます。
媒染の種類や組み合わせで幾通りもの色が生まれます。
今回はミョウバンとアルミの二種から選んでいただきました。

自分で染めれば愛着もひとしお、新たに暮らしの景色を彩ってくれることと思います。ご自宅でもぜひ試してみてくださいね。

教えてくださった野村さん、ご参加くださったみなさん、お気持ちを寄せてくださった方々、誠にありがとうございました。

野村さんの草木染めWSは今後も定期的な開催を予定しています。

実際に五感を通して体験すると目にするものの解像度がぐっと上がり、WSの前と後では展示を見る視点も少し変わるような気がします。草木染めの楽しさと奥深さに触れられる機会、次回もお会いできるのを楽しみにしています。


写真:堀井ヒロツグ

haru nomura

草木染め作家・野村春花さんによる、かばんを軸としたブランド。東山に小さな土間のアトリエを構え、全国各地のギャラリーや店舗で展示会を開催。NHK「趣味どきっ!染めものがたり」では柿渋の回に出演。長野出身、京都在住。

・HP https://haruka-nomura.info
・Instagram @haru_nomura
・Twitter @harukanomura

haru nomura 草木染めWS
「身の回りの草木で染めよう!」〜ローリエ・ブルーベリー・どんぐり〜
2023年9月23日 13:00−15:00
恵文社一乗寺店 イベントスペースコテージ

haru nomura sacks and bags works exhibition 「柿渋」
2023年9月16日-9月29日(※最終日は14時まで)
作家在廊予定:9月16日 17日 18日 23日(いずれも13-16時まで)
恵文社一乗寺店 生活館ミニギャラリー

(文・写真:岡本)

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