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恵文社のフリーペーパー『しましま』 vol.5

こんにちは。
書店の原口です。残暑厳しい毎日ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。積読は減りましたでしょうか。そうですか、増えていますか。
実は私もです。いえ、悲観してはいませんよ。好きが好きを呼んでしまう悩ましい状態だということ。じっと本のタワーを見つめて、にまにまとしていれば、なんとなく、幸せな気持ちになります。
そう、そういうことにいたしましょう。

さて、5枚目となる当店のフリーペーパー「しましま」、
今回のテーマは「京都土産」です。

じゃじゃ〜ん!目印は商売繁盛の「た」ぬき。

元は寺社などからの「授かりもの」を持ち帰る、また参拝の証というものが「お土産」の原初的な意味だそうで、土地のものを持ち帰り、旅の無事と出会いを報告するなど、お土産はひとつのコミニケーションの形でもあります。そんな「お土産」、なかでも「京都土産」について、当店の愉快な仲間たちに原稿を募集いたしました。
なるべく等身大の、気張らずささやかな定番や一品について、そして お土産を携える気持ちについて。今回はスタッフ5名による1枚です。
※恵文社一乗寺店フリーペーパー『しましま』についてはこちら

そして今号、わたくし僭越ながら表紙を担当いたしました。
妙齢になり、一目散にふるさと玩具に吸い寄せられる原口です。24個入りで量産されるおやつに2400円かぁ〜と、絶妙にケチくさい己に悩まされ、消え物がベスト・オブ・マナー?そんなものはどこふく風。
見てくださいよ!こんなものがありました。食べてみてくださいよ!こんなものがありました。微妙なズレ、違い、遊びのあるものに惹かれ、ついつい手に取ってしまう品という品を、いつか誰かにと思い浮かべる日々でございます。

京都は職人さんの街であり、作り手の育つ街。
個人の商店もたくさんあります。
そんな中、今回の表紙モデルに選んだのは「山崎張子」。
縁起のよいモチーフ、驚くべき造形センス、別れ際に友人のポケットに突っ込めるサイズという文句なしの狸さん。
「張子」という一点一画の世界は、一期一会の出会いともいえます。
職人のおじいさん、いつの間にか張子の作り手となっていたそうなんだよ。そんなことを耳にしたらさいご。知らないおじいさんの人生をぼんやり空想し、狸はより愛らしくより大事にしたいと思える不思議。
街を歩き、品々を眺め出会う手作りの品たち、そんなひとつをお土産にするのも旅の醍醐味。

”かたち”という無限の可能性。
実物です。なんとも言えないとぼけた瞳。

さて、京都といえば、日本でも有数の観光地。
今日もどこかでだれかが「お土産」さがしをしていることでしょう…。
心配りのひととき、今号がお相手になりましたら幸いです。

配布は主に恵文社一乗寺店店頭、各フロアのレジ前に設置しています。
ご来店のお土産にぜひ。

それでは。

原口

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