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2021年11月の記事一覧

恵文社一乗寺店|10月の本の話 2021

みなさまこんにちは。 今月も遅ればせながら、2021年10月の書籍売上ランキングをご紹介します。 今回の首位は『翻訳目禄』。精神科医で翻訳も手掛ける阿部大樹さんが"私的なノート"に書き溜める、国や地域、時代をまたぐ味わい深いことばたちをひろく紹介する一冊です。当店では先月、本書に挿画を添えられたタダジュンさんの版画展を開催いたしました。 「被愛的人」、「Scape goat」、「闘争か逃走」、「セロ弾きのゴーシュ」などインクの深い黒色が印象的な作品の数々。暖炉上の壁面の小

12月14日-20日|奥山淳志『動物たちの家』出版記念写真展

『庭とエスキース』の著者である写真家の奥山淳志による、新しい動物記『動物たちの家』。その出版を記念し、本書に収められた写真を中心に未収録作品を加え展示・販売します。 幼いころからハムスターやインコ、犬など数々の動物たちと共に暮してきた奥山淳志は、動物たちへとむかう自身の感情の源を丁寧に見つめ続けます。目の前に現れた小さな友だちを想う個人的な経験は、やがて、生命や存在への普遍的でいて新しく、あたたかな思索へと繋がっていきます。 小さな生命たちが放つ、存在の確かな美しさを、ま

11月1日-11月30日|『季節を脱いで ふたりは潜る』刊行記念フェア

書店・窓辺の一角にて、菅原敏さんの3年ぶりとなる新詩集『季節を脱いで ふたりは潜る』(雷鳥社)の刊行を記念して、詩と香りのフェアを開催しております。 幾重にも着込んできた 季節をすべて脱ぎ捨てて、 今では遠く無くしたものに、水の中で手を伸ばす――。 燃やすとレモンの香る詩集や毎夜一編の詩を街に注ぐラジオ番組など、数々の試みをおこなってきた菅原敏さん。今作には、移ろいゆく暮らしをやさしく抱き寄せ、季節の情緒を写した詩が月ごとに4篇ずつ収録されています。 カバーを“脱ぐ”と

12月12日 |『せいいっぱいの悪口 増補版』刊行トークイベント 堀静香×大森静佳「もっとせいいっぱいの悪口」

「今日生きていることも、昨日生きていたことも全部本当。明日生きたいことも本当。今がすべてで、いやそんなはずはない。適当で怠惰であなたが好きで、自分がずっと許せない。事故が怖い。病気が怖い。何が起こるか分からないから五年後が怖い。二十年後はもっと怖い。今がずっといい。でも今が信じられない。なのに今しかない。晴れていて、風が強くて、花粉がすごい。くしゃみが出る。」(本文より) 2019年より頒布開始し、当店でも長らく愛されているロングセラー『せいいっぱいの悪口』がこのたび増