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中京記念を振り返る~頭をよぎる『あのホープフルS』~

ちょっと時間がないから簡単に。

中京記念、ちょっとしたハンデ戦だった。いや、元々ハンデ戦なんだけど。

●中京記念 出走馬
赤 ③アンドラステ 川田
緑 ⑧カテドラル 福永
桃 ⑪クラヴェル 横山典
白 ①ミスニューヨーク 加藤
黄 ⑤ロータスランド 藤岡康
橙 ⑨ボッケリーニ 浜中
水 ⑩ディアンドル 団野

12.5-11.3-12.1-12.0-12.0-11.6-11.5-11.5-11.7

道中12秒前後が続いた後、11秒台が4連続。前半緩めの流れから後半速いラップが刻まれたことで、『内にいるかどうか』が問われるレースだったと思う。小倉はまだ内が持ってるしね。

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向正面。先に結果から書くと、

赤 1着アンドラステ 川田
緑 2着カテドラル 福永
桃 3着クラヴェル 横山典
白 4着ミスニューヨーク 加藤

橙 6着ボッケリーニ 浜中

このように、内にいた馬が上位を占めている。内有利になるラップなんだからある意味当たり前だ。外を回ったボッケリーニは6着止まり。

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内枠の命運を握っていたのは、逃げた水ディアンドル、2番手にいた黄ロータスランド。

内枠が進出するにはこの2頭を突破しないといけない

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赤アンドラステの川田は非常に上手かった。少しハミを噛みがちだったアンドラステに、ハミを噛ませながらポジションをキープ。抜くところを抜きながらインの3番手を確保している。

白ミスニューヨークはその後ろ。赤アンドラステの真後ろだから、アンドラステが前を捌ければ一緒にやってくるパターンだ。

ただ前半1000mは59.9。道中ラップは極端に緩んではいないが、ペース自体はそこまで速くない。今の小倉で59.9は平均より遅いくらい。

普通なら前を走る水ディアンドル、黄ロータスランドが残れるペースと言っていい。アンドラステ川田は前をどう捌くか、この時点で考えていたと思う。

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ここがレース最大のポイント。

水ディアンドルが4コーナーで曲がれなくなってしまったのだ。当然その外についていた黄ロータスランドが、ディアンドルに連行されて一緒に外に行ってしまった。

赤アンドラステ川田の前が勝手に開いたわけ。自動ドアだよね。アンドラステにとってはラッキー以外の何物でもない。楽に逃げてる馬が勝手にレースを投げてくれて、コースまで開けてくれたんだから。

その後ろにいた白ミスニューヨークもラッキー。アテにしていた馬の進路が空いて、あとはついていけばいい。

上手かったのは桃クラヴェルのノリさん。前を見てるんだよな。ディアンドルが膨れているのを見て、当初馬群の中に行こうとしていたところ、切り換えて内に視線を向けている

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4コーナーのパトロールを見ると、団野が右腕を引いて、ディアンドルの顔が内を向いている。

逆手前になったのが気性なのか、馬のなんとなくの思い付きなのか、前走左回りだった分かは分からないが、ここで外に逃げてしまったことで、外にいた馬がまとめて飛ばされている。もらい事故のようなものだ。

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4コーナーの入口。水ディアンドルがその外にいた黄ロータスランド、橙ボッケリーニを更に外に飛ばしている。

黄ロータスランドは一番苦しかったと思う。ディアンドルに寄っかかられる形になってるからね。

逆に内にいた赤アンドラステ、白ミスニューヨークは進路が空いた。その後ろにいるクラヴェルもラチ沿いに切り返している。

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内自体は走れる状態だったんだが、直線よりいいのは外目。赤アンドラステ川田は内から外目に持ち出している。

対して白ミスニューヨークはずっと内目を走っている。悪くはないのだから別にいいのだが、桃クラヴェルはミスニューヨークが進路変更しない影響で更にラチ沿いを走らされることになってしまった

最初から内枠だったら、もっとレースを組み立てやすかっただろうね。切り返しなどは上手かったものの、最後まで外枠が響いた部分がある。だいぶ折り合い面に進境が見られるし、より乗りやすそうな1800mなら更に上の着順がありそう

勝ったアンドラステは川田のスタートからの位置取りが非常に良かった。ディアンドルが外に飛んだから進路が開いたとはいえ、そもそもディアンドルの後ろにいなければ恩恵を受けられなかったからね。

ちょっとハミを噛み気味だったのも事実。現状2000は長そう。マイルから1800mで、内目で前に壁が作れる枠から立ち回る戦法が取れるかどうかの馬だと思う。次も条件次第。

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改めてパトロールを見ると、2着カテドラルは向正面ラチ沿いにいる。それでも早々に内ラチ沿いを手放したのは、前が白ミスニューヨーク加藤だったからだろう。

前半は緩かったから、誰かまくるかもしれない。まくられた時に内目で、加藤の後ろにいたら進路が取れない。それも踏まえて早めに外に出したのだろうが、ディアンドルが外に飛んでしまったことで、更に外を回されてしまった。

レース後騎乗した福永が「今日は勝った馬がスムーズでした」と話していたのは、色々な意味が込められていると思う。団野が外に飛ぶなんて向正面で予想できないからね。

ロータスランドも一緒に飛ばされた組。慣れてない一周コースの影響もあっただろうが、この形はかなり厳しい。マイルに短縮すれば違うだろう。京成杯オータムハンデに出てきて。

ミスニューヨークは枠の利がとにかく大きかった。ラチ沿いをロスなく回っていたら、前走っていた馬の進路が勝手に開くなんてそんなラッキーあるかって進路

加藤が「もう一列前で競馬が出来ていれば、もう少し際どい競馬になったのではないかと思い、その点が悔いが残るところです」と言うように、アンドラステのポジションで競馬できていれば勝ち負けだっただろう。

まー、ミスニューヨークでそんな位置取りが取れていたら、ここ2戦福島牝馬Sどん詰まり、マーメイドS外詰みで大敗なんていう騎乗にならないのだ。

もったいなかったのはボッケリーニ。後半速いレースでうまくエンジンが掛からず、外を回されてしまい、ディアンドルのおかげで更に外に飛ぶ不利。これは無理だ。

小倉の1800だったらもっと断続的に流れるくらいのほうがいいんだろうね。中京2000の重賞ウイナーであるように、もっと広いコースの2000mで更に良さそう。今日に関しては仕方ないと思う。

8着ディアンドルはレースの行方を左右してしまった。ここ2走左回りの影響か、体に苦しいところがあるからかは分からないが、ホープフルSのランドオブリバティのような状況にならなかったのが不幸中の幸い。うまいこと立て直されればいいんだが…

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