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フェブラリーSを振り返る~明暗を分けた内枠勢の思考~

金曜朝の話だ。

枠順抽選結果を見て頭痛がしたよ。もちろん枠なんぞは思い通りにはいかないが、こうも難しい枠を出してくるかと思ったね。

砂を被りたくないエアアルマスがまさかの最内。揉まれたくないインティ、カフェファラオが2番、3番。逆に内枠で前に壁を作りたいレッドルゼルが大外枠。ここまで難しいレースにするかと思うほど、難解な枠順が登場した。頭を悩ませたファンは多かったと思う。

●フェブラリーS出走馬の砂被り
エアアルマス→×
インティ→△
カフェファラオ→△
ヘリオス→△

こういう状況だったものだから、果たして内枠は自力で先行し砂を被らないポジションを取りに行くのか、それとも外枠に砂を掛けられて終わるのか、一気に色々考えないといけなくなった。

週中に租界で◎ワンダーリーデルとは書いていたが、この枠だと当初重視予定のカフェファラオが揉まれる危険性が出てきたりするため、色々軌道修正を余儀なくされたんだよね。普通にカフェが外枠だったらもっと簡単なレースになっていたと思うのだけれど。

●21年フェブラリーSラップ
12.5-10.8-11.4-11.8-12.0-11.9-11.9-12.1 1:34.4

結果カフェファラオは勝ったわけだが、凄い時計が出たものだ。1:34.4って、フェブラリーS史上2番目に速いからね。しかもレースレコードのモーニン1:34.0は重馬場で超高速だった。

いくら今日やや速い時計が出るコンディションだったとはいえ、良馬場で1:34.4は速過ぎる。稍重の芝ですと言われても信じるラップだ。

ペースに緩みがなく、最後まで落ちない持続型ラップ。通常だったら差し競馬になりやすい展開だけに、3番手から勝ってしまったカフェファラオは強いという他ない。

そんなフェブラリーS、勝負を分けたポイントは『内の使い方』だった。

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2つ前のヒヤシンスSで内ラチ沿いを通った黒ラペルーズが1着、逃げた黄プロバーティオが2着だったように、日曜の東京ダートは土曜に比べて内有利が加速していた。ダートに馬場は関係ないという人間もいるが、大いに関係ある。今日の後半の東京ダートを見れば分かる。内しか来ていない

ならみんな内を狙えばいいじゃんという話になるんだが、前述したように内枠には砂を被りたくなかったり、揉まれたくない馬が揃ったのがフェブラリーS。レース前一番頭を悩ませたのがこれだった。

実際レースでは内枠の馬たちがそれぞれどう揉まれないかを考え、レースを運んでいた。内枠に揉まれ弱い馬が入ってしまった分、各ジョッキーの思考が結果的にレースに大きな影響を与えたと言っていい。


さて、早速レースをパトロールビデオを使いながら振り返っていこう。過去一番長く、濃密に書いた気がするぞ。パトロールビデオを見ながら読み進めていってほしい。

●フェブラリーS出走馬
茶→エアアルマス
白→インティ
黒→カフェファラオ
灰→ヘリオス
緑→サクセスエナジー
赤→アルクトス
青→ワンダーリーデル
水→ワイドファラオ
黄→エアスピネル
橙→オーヴェルニュ
桃→レッドルゼル

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まずスタート。緑サクセスエナジーが両サイドに挟まれている。

そもそも出が遅かったから挟まれていなくとも先行できたとは思えないが、内枠に砂をかぶせる可能性が高かった馬の1頭だけに、サクセスエナジーがこの時点で終了したことはカフェファラオらにとっては追い風となる。

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白インティもそんならにスタートが速くなかったのだが、注目したいのは青ワンダーリーデル、赤アルクトスの動きだ。

7番枠のワンダーリーデルはスタートから一目散に内ラチ沿いを目指している。対して赤アルクトスは6番枠からやや外目に向けて走っている

対照的な動きなのだが、結果的にこの2頭のスタートからの動きがレース全体に影響を与えることとなった。非常に大きいポイントとなる。

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スタートして200m。青ワンダーリーデルは半ば強引に白インティの前に入った。まー、ワンダーリーデルのノリさんはインティが追い込み策を取るとは思ってなかったはずだが、そもそも今回の騎乗テーマは『内ラチ沿いを取ること』だったのではないか。

今回ワンダーリーデルは初ブリンカーだった。前走の根岸Sで早め先頭に立った瞬間気を抜いてしまって、そういう面を出させないために今回からブリンカーを着けた。

ブリンカーというものは劇薬みたいなもので、集中力を増す効果はあるが、加えて前進気勢を高める効果もある。つまり行きたがってしまう。調教からテンションが高めだったこと、今回距離延長であることを考えると、ノリさんとしては何としてでも道中、折り合って運ぶことを命題としていただろう。折り合わないことには鋭い脚が使えないからね。

そうなると道中外ではなく、ラチ沿いで脚を溜めに溜める作戦がベスト。一目散にラチ沿いを取りに行ったのはおそろくこれが理由だ。

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ラチ沿いに入った青ワンダーリーデルに対し、赤アルクトスは内枠ながら外を選択した。

これは田辺の過去の反省による進路選択だろう。昨年のフェブラリーSは先行馬が少ないこともあって先行したら、ペースが速まり後続に捕まった。前走の根岸Sは調子が万全ではなかったとはいえ、道中外から直線内を突いたら詰まった

アルクトスという馬は跳びが大きい。前走の根岸Sから内でゴチャつくより外からという思いがより一層強まったのだと思う。しかも昨年より先行馬が多く、いかにもペースが流れるメンバーだ。

内枠6番を引いた時点で、田辺は『いかにスムーズに外に出すか』をテーマにレースに臨んでいたはず。ワンダーリーデルのノリさんとは対極だよね。もちろんどちらも馬のことを考えて作戦を組んでいるわけだから、どちらが正解、不正解とは言えない。

田辺がレース後、「馬の調子は良かった。器用に脚を使えるタイプではないし、外を回る形になったが、この馬のしたい競馬はできた」と話していたのも分かる。負けたのは結果論。アルクトスという馬のタイプを考えるとこの手は最善だったと思う。

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そうやって内、外で思考のやり取りがある中で、真ん中で上手さを見せているのが黒カフェファラオのルメールだ。

もちろんめぐり合わせはあるんだが、内で揉まれたくないカフェファラオで、スタートから真っすぐ走らせている。外からプレッシャーを掛けられてもただひたすら真っすぐ走らせている。3コーナーから直線で内に押し込まれないようにポジションをキープしているんだよな。

もちろんカフェファラオがパワーがあって、実力があるからできることではある。しかしルメールのリスクを踏まえて乗っているからこそ成り立つ位置取りだ。

幸運なことに向正面でカフェファラオの両サイドのスペースが開いたんだよな。これはつまり前述のアルクトスが、スタートから外目外目に張っていったことも一因だ。アルクトスが『防波堤』のようなポジションにいることで、カフェファラオの両サイドが空いてプレッシャーが掛かっていない。アルクトスのサポートを受ける形になり、カフェの勝率は高まった。

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防波堤』の赤アルクトスを外枠の先行馬は乗り越えないといけない。アルクトスは迫りくる先行馬の波を乗り越えて外に出したい。向正面でアルクトスがかなり締められていたんだが、それでもアルクトスは強引に外に出した。田辺の強い意思を感じるよ。

アルクトスのおかげもあってスペースを作ることができたカフェファラオは、外のポジションが埋まっても、まだ黒丸で記した内のスペースが開いている。もうこの時点でカフェの内枠のリスクはだいぶ下がっていた。外から締められてもカフェにはこのスペースがある。

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3コーナー前。更にここでカフェに追い風が吹く。

水色ワイドファラオが外の2番手のポジションを取りに行ったのだ。その内にいるのはヘリオス。ヘリオスとしては砂を被りたくない。

ヘリオスに騎乗しているのはデムーロ。ワイドファラオを行かせず、自力でワイドをブロックし外の2番手を保つorワイドファラオを行かせてその外に切り返す、この2択となった。

ヘリオスは1200mで実績を残してきた馬だ。現状マイルは長いと言わざるを得ない。仮に張っていって外の2番手を死守した場合、脚を使ってしまって下がるのも早くなってしまう。

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灰ヘリオスのデムーロもやはりそう考えるようで、ワイドファラオを行かせて、切り返し外に出す後者の作戦を実行した。

この切り返しによってブロックされたのが橙オーヴェルニュ。3コーナーの時点で外の4番手とだいぶ外を回されている。更に外を走ることになるアルクトスに至ってはもう内から5、6頭分外のポジションを回されてしまっている

ペースが締まっていることを考えれば、物理的に考えてここまで外を回されるのはしんどい。ヘリオスの切り返しによって3、4コーナーもロスのある回り方をすることになったオーヴェルニュ、アルクトスは相当な負担が掛かっていると推測される。

しかもここで灰ヘリオスが切り返して外の3番手に行ったおかげで、その後ろ、黒カフェファラオの前のポジションがガラ空きになっているのだ。当初内で揉まれる心配をしていたのがバカみたいな状況となっている。

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外を回る馬に負担の掛かるペース、展開の中、内ラチ沿いに目を移すと、インの3番手にいる黒カフェファラオの後ろに青ワンダーリーデル、その後ろに黄エアスピネルがいることが分かる。

気づいた人間は多いだろう。そうだ、今回のフェブラリーSの1、2、3着馬だ。3コーナー前からこの3頭は内ラチ沿いに綺麗に並んでいたのである。外を回っている赤アルクトスとは対照的だよね。

エアスピネルはそれまでの写真に入れた矢印を見てもらえれば分かるように、一気に内ラチを狙いに行ったワンダーリーデルに対し、徐々にラチ沿いに入ってきた。

騎乗した鮫島克駿がレース後「ロスなく立ち回って、しまいを生かしたいと思っていた」と言うように、当初から内への意識はあったんだと思う。ただ引いた枠は10番。決して内枠というわけでもない。本人の思考的に『入れれば内ラチ沿いで』というくらいの構想だったのかもしれないな。すでに前にワンダーリーデルがいるから、差していくにはワンダーなどを乗り越えていかねばならない。簡単に言えばワンダーが邪魔なのだ。

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4コーナーの時点で、黒カフェファラオは外を回すことがほぼほぼ決まっていた。揉まれたくない馬をわざわざ内ラチ沿いから突き抜けさせる必要がないからね。

その後ろの青ワンダーリーデルに騎乗しているノリさんも、カフェが外に動くことは分かっている。しかし逃げ馬のエアアルマスがそのまま下がってきてもいいように、この時点ですでに内1頭分のスペースを開けているのがノリさんの上手いところ。

一応黄エアスピネルの前は開いている。1頭分。ところがそこに入っていけば、もし逃げたエアアルマスが垂れてきた場合避けようがない。『突いてはいけないポジション』をあえて開けて作っているノリさんの冷静さがニクいよ。

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残り600m過ぎ。直線手前の地点だが、赤アルクトスは灰ヘリオス、橙オーヴェルニュが邪魔で更に外を回されている。この時点でかなり苦しい。

ならアルクトスは最初から内枠を利して内をキープしているのが正解だったかというと、それはまた違うと思う。内突いてスペースなく詰まった前走の根岸Sで叩かれちゃっているからね。もっと外の使える馬場で、ペースが緩んでいればアルクトスのこのポジションはむしろ良かった。一つの要素で競馬は変わる。よく分かる例だと思うよ。

黒カフェファラオは灰ヘリオスが外をブロックしていること、距離が長くてすぐには上がってこないおかげで外にスペースが開いていることから、楽に外に出せる状況ができている。もうこの時点でアルクトスがカフェファラオに先着できる可能性はだいぶ低い

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直線入口。黒カフェファラオは楽に外に出して後は伸びるだけという状況ができた。問題はその内だ。

青ワンダーリーデルの進路は開いているんだが、その後ろにいる黄エアスピネルの進路がない。ラチ沿いにスペースはあるんだが、もしそこを突いた場合、前にいるのは逃げた茶エアアルマスだ。

エアアルマスが最後まで踏ん張ってくれるならまだしも、ジョッキーの体感的にもペースは速かったはず。アルマスが伸びる可能性より、止まる可能性のほうが高い。

もし内を突いてエアアルマスに詰まってしまった場合、『同馬主の馬に詰まってしまう』という情けない状況が発生してしまう。一番情けないパターンだからそれだけは避けたい。

ある程度エンジンを掛けながらエアスピネル鮫島は進路を探した。内ラチ沿いに行って賭けに出るか、詰まることを避けて馬群を突破するか。一瞬迷っている姿がパトロールを見ると分かる。

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結果として黄エアスピネルは馬群を通す作戦に出た。まー、ここで邪魔になったのは水色ワイドファラオだ。

ワイドファラオは裏情報にも書いたように、今回が角居厩舎の最後のGIとはいえ、仕上がりは8割程度。まだ完調ではなく、直線入口のあたりですでに手応えが怪しかった。

止まりかけて勢いのないワイドファラオを交わす時、一瞬スムーズさを欠いているんだよな。もちろんこの狭いスペースを考えたらよく捌けたなとも思うのだが、ここにワイドファラオがいなければエアスピネルはもっとうまく加速できていた可能性がある

もちろんタラレバになってしまうから、仮にワイドファラオがいなくとも状況は変わらないかもしれない。それでも最後エアスピネルとカフェファラオの差は1馬身以内だったことを考えると、スムーズだったらもしくは…と思ってしまう

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実は最後の最後で青ワンダーリーデルと茶エアアルマスの間にスペースは開くっちゃ開くんだが、最初からそれが読めていれば苦労しないわけで、これもまた結果論に過ぎない。

直線入口でエアスピネルがラチ沿いを選択していればもしかすると勝っていたかもしれないし、エアアルマスに詰まっていたかもしれない。外に出したからこそ肉薄できたのかもしれない。こればかりは今更議題にも上がらない話だと思う。その一瞬の進路選択が未来を変える。


さて、ここで注目してほしいのは桃レッドルゼルだ。ここまで一切話に出してこなかった。

これまで出してきた画像を見てほしい。レッドルゼルはどこにいるだろうか。上位3頭が3コーナー手前からラチ沿いを回る中、レッドルゼルはラチ沿いを走っていない。ラチ沿いを走っていた馬が圧倒的に有利だったレースだったにも関わらずだ。しかもレッドルゼルは大外。内に入りようがない。なのにレッドルゼルが4着なのだ。

・21年根岸S
12.4-10.6-11.4-11.9-12.1-12.0-11.9
・21年フェブラリー
12.5-10.8-11.4-11.8-12.0-11.9-11.9-12.1

お分かりだろうか。

レース後、俺はTwitterなどで『1400質なレースになった』と書いたのだが、それがこれだ。スタートから1400m通過まで、今年の根岸Sと今年のフェブラリーSはほとんど変わらないラップなんだよ。

●21年フェブラリーS
1着カフェファラオ
2着エアスピネル→20年プロキオンS2着
3着ワンダーリーデル→21年根岸S2着
4着レッドルゼル→21年根岸S1着
5着エアアルマス→19年エニフS1着

このように2着エアスピネルから5着エアアルマスまでは全て、ダート1400mの重賞で連対するか、ダート1400mのオープンを勝った実績があった。そりゃ、1400mの根岸Sとほぼ同じ流れになっているのだから、1400m実績のある馬が上位に来るのは不自然な話ではない。レッドルゼルが大外枠からでも上位に来られたのはこのラップの影響が大きいと言える。

ではここで考えてほしい。勝ったカフェファラオにダート1400m実績はあっただろうか?

そもそも1400m以下を使ったこともないし、1900mのシリウスSを勝っているような馬だ。それでも1400m質なGIを3番手で流れに乗り、緩まないペースを3番手から押し切ってしまうのだから、とにかく能力が高いとしか言いようがない

もちろんユニコーンSで1:34.9という時計で圧勝していたり、これまでの数字が歴代のダート王とそん色ないことは知っている。能力はオバケ級だとこれまでの予想に書いてきた。

今回マスクが心配していたのは、バケモノ級の能力を内枠3番から100%出せるかどうかだった。揉まれるとジャパンダートダービー7着のようなことになる馬。もしかすると60%くらいしか出せない可能性があった。

サクセスエナジーという逃げ馬が出遅れたことで一気に楽になったことは事実だが、ルメールが好位で両サイドにスペースを作ったり、盤石の動きを見せた点は見逃せない。完璧なエスコートだったと思う。


エアスピネルは10番枠、ワンダーリーデルに主導権を握られてしまったのが痛かった。結果的に後手に回ってしまった面は否めない。ただもし今日内がいつもと同じくらいの状態だった場合、ハイペースで今度は外差しが入っていたはず。

そう考えれば10番枠は良かった可能性があるし、これまた結果論でしかない。相変わらず距離短縮だと動くね。2歳から活躍して8歳でもこのパフォーマンス。凄い馬だ。

ワンダーリーデルはもうノリさんがこれ以上ない、完璧な競馬で乗ってきた。ミスが一切ない。道中もなんとかなだめて、初ブリンカーの負の部分を消してきた。

馬の状態も見た目からして良かったのだが、スタートしてからすぐにラチ沿いを確保しに行って、これで負けたら仕方ないという乗り方。まー、勝負騎乗だよね。大ベテランのエグい勝負騎乗を見せてもらったよ。3着とはいえ、ノリさんは満足感あるレースをやれたと思う。

レッドルゼルやエアアルマスはやることをやっているから、もうこれ以上はなかったと思う。枠を変えてあげない限り、これ以上は求められない。


6着インティは今回、道中後方3番手からレースを進める新しい形を見せて6着だった。最初から出していかず、今回内枠を引いた時点で後方に控えるというプラン通りだったとマスクは思う。

インティという馬は見た目よりも遥かに難しい馬なのだ。スタートからガンガン押していくと機嫌を損ねるタイプで、スッとスピードに乗せて出していかないといけない。今回陣営が「自分のリズムで気分良く運べるかが鍵」と言っているのはこれで、先行させるのが非常に難しい先行馬なのだ。

過去に逃げていたのも、逃げれば自分でペースを刻めるから。マイペースであるかが大事な馬。だからこそ今回差しに回しても、ペースが緩まず淀みない流れになったからこそインティはマイペースで運べ、差せてきた可能性がある。

武さんはレース後「道中掛かったので、ラストはもたなかった。折り合えば、更に伸びたと思う」と話しているように、実は我々の中でインティ=先行馬というイメージがついているだけで、実は1400mくらいであれば差し競馬で上位に食い込めるのではないかと思った。

1200mだとスタートからついていかないといけない。そうすると前半急かしてしまってインティは機嫌を損ねるだろうから、差す形で狙うのであれば、東京など広いコースの1400mじゃないかな。マイルだったら今回のように緩急のない形のほうがいい。

9着アルクトスに関しては、田辺の騎乗ミスとは思えない。田辺はアルクトスのタイプを考えて行動した。そもそもアルクトスが今年のフェブラリーSの求めてきた要素とは逆のベクトルを向いていた、これに尽きる。馬場が湿っていればまた話は変わったんだろうがね。

逆に13着オーヴェルニュなんかはもうレースに参加していないよね。中距離で出世してきた馬。体重減も影響はしていたと思うが、レース後丸山が「忙しかったし、追い通しだった」と言うように、それが全てだったと思う。1400m質のレースで中距離馬はなかなか苦しい。まだ明け5歳、更なる成長に期待したいところだよ。






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