マガジンのカバー画像

マスクのレース回顧シリーズ

95
競馬とは入念な復習、入念な予習の繰り返し。 ただ回顧するだけではない。 マスクの回顧はジョッキーの一瞬の判断にもスポットライトを当て、検証していく。
運営しているクリエイター

#中央競馬

24年宝塚記念を振り返る~捲りのずれが生んだ襟裳の夏~

歳は取りたくないものだね。宝塚記念の話だよ。 京都開催の宝塚記念は珍しい。そりゃ元々阪神…

24年日本ダービーを振り返る~運を引き寄せたリアル・競馬場の達人の神業~

『ダービーは一番運がいい馬が勝つ』とはよく言ったものだと思う。 もちろんどのレースも運が…

24年オークスを振り返る~『受けの競馬』になった桜の女王~

競馬の祭典・日本ダービーで最後に逃げ切った馬は誰かお分かりだろうか。 まー、ダービーで逃…

24年NHKマイルCを振り返る~不運もあった珍しい不利~

NHKマイルCというレースは難しい。 いや、俺何年か前に予想か回顧で書いたな。最近記憶力がア…

24年桜花賞を振り返る~勝負を分けた雷神とレジェンドの驚異的先読み~

レース前から話題の多い桜花賞だった。 ルメールが先週のドバイで不運にも落馬し負傷。チェル…

24年フェブラリーSを振り返る~勝負を分けたハイペースに潜む思惑と誤算~

岩手の英雄メイセイオペラがフェブラリーSを勝ってから、もう25年経つのだそうだ。 最近めっ…

23年ホープフルSを振り返る~名伯楽の厳しいコメントと真意~

美浦に数々の伝説を残した故・境勝太郎元調教師は、現役トレーナー時代によく小島太元調教師、当時は騎手のことを批判していた。 「太のおかげで何億損したか分からない」は有名な話だが、それでも小島太元調教師を乗せ続けた。お互い通じ合うというか、信頼関係があるからこそ為せる話だと思う。 近年、マスコミを通じて調教師が騎乗ミスと語る例はだいぶ少なくなった。たまに「ジョッキーが何を考えているか分かりません」などというコメントが載る場合があるが、かなり珍しい例と言っていい。 実際のとこ

23年有馬記念を振り返る~名手が覆した歴史と復活したレジェンド~

競馬がある程度整備されているコースで行われている以上、内と外、有利不利がないコースは存在…

23年ジャパンCを振り返る~底を見せない怪物の圧勝劇と1コーナーの激闘~

『世界に通用する強い馬づくり』 今から50年近く前に提唱され始めた言葉だ。競馬後進国である…

23年秋華賞を振り返る~緻密な逆算と枠順が生んだ差~

「乗るほうも緊張するだろうけど、一緒に乗る俺たちも緊張するもんだよ」 だいぶ昔の話だが、…

23年宝塚記念を振り返る~20秒で変わった不利なポジションとベストポジション~

過去10年のデータって普段見るだろうか? 見てないって人間は、たまには見てみるといい。え、…

スプリンターズSを振り返る~短距離王者を沈めた台風と枠順抽選会~

枠順が決まってから、俺たちはコメントを取らないといけないんだよ。まー、陣営の表情は一喜一…

ユニコーンSを振り返る~偶然が積み重なり回避された大事故~

最初に断っておくが、今日の回顧はショッキングな画像が含まれている。 正直、今回の回顧に関…

根岸Sを振り返る~意識の高さが生み出した一つの幸運~

16年連続だ。 何がって、根岸Sの逃げ馬連続敗退記録だよ。 一般的に芝よりダートのほうが前残りになりやすいと言われる。そりゃそうだよな、切れ味よりパワー、持久力が問われるわけだから、当然芝よりダートのほうが差しにくい。 なのに根岸Sはとにかく逃げ馬が止まる。最後に勝ったのは05年メイショウボーラー。ただでさえ逃げ切れないレースで、2着に7馬身差つけて逃げ切った当時のボーラーの怪物ぶりが光る。 さて、なんでそんなことが起きるかというと、東京ダート1400mのコース形態が