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【宝塚記念2024】京都芝2200mの特徴と馬場傾向(トラックバイアス)

宝塚記念の好走傾向=(やや外)先行有利

宝塚記念(※京都芝2200m) 過去5年好走馬直線進路

直線平均進路:6.3頭目÷大外平均:10.4頭目=馬群内直線位置:60%
4角平均位置:4.6番手÷出走平均数:15.8頭=馬群内道中位置:29%
好走馬上がり3F平均タイム=35.55秒

春のGⅠ戦線クライマックスのビッグレース。ファン投票で出走馬が決まる大舞台には毎年強豪馬が揃い、白熱した戦いが見られる。
目立つのは上がり最速馬が馬券に多く絡んでいること、また他の上がり上位馬もそれに次いで好走していることから上がりスピードの重要性が見て取れる。
しかし、そのタイムの平均は35.55秒とかなりかかっているため、脚を溜めて最後に速い上がりで突き抜けるようなレースではなく、それぞれが体力を削りながら最後にしぶとく脚を伸ばして残るといった形になりやすい。

しかし今年は阪神競馬場のリフレッシュ工事のため、宝塚記念は京都芝2200mで代替開催される。コースの違い、それに伴った展開などの違いを説明していこう。

エリザベス女王杯をサンプルに見ていこう

宝塚記念が京都で最後に代替開催されたのは2006年。しかも開催は1度しかないためサンプルとして比較しにくい。そこで普段は京都芝2200mで開催されるものの、一昨年まで3年間は阪神芝2200mで代替開催されていた「真逆の関係性」であるエリザベス女王杯をサンプルに考えてみよう。

エリザベス女王杯開催別ラップ比較

過去7年間の京都開催の場合、600mが36.20秒でその後も12.5秒以上刻み続けるゆったりとしたラップ推移で終盤に一気の加速があるのに対し、2020~2022年の3年間実施した阪神代替開催は600m34.77秒、特に600m通過の瞬間が11.40秒と終盤のような厳しいラップを刻んでいる。中盤のも12秒台中盤を刻みながら目立った加速点がないため、速いスピードとそれを持続するタフさが求められてしまう。

阪神/京都 芝2200mコースレイアウト

阪神芝2200mのスタートは4角奥の引き込み線で、そこから1角までの距離は525mある。さらに直線は途中まで下り坂であるといったことから前半のスピードがつきやすい。反対に京都芝2200mは直線中頃からスタートして397mで1角に到達する。しかも直線は平坦で加速点がない。
さらに終盤は直線が短い故に3角から持続的なスパートを強いられる阪神と、3角に下り坂がありながらも直線が広く長いためになるべく加速を遅らせて爆発させたい京都では中盤での息の入れ方が変わる。
加速してして減速が少ない阪神と、加速点がなくてすぐにコーナーを迎える京都では、画面越しからは感じない正反対な特徴があるのだ。

比較的「内有利」傾向

エリザベス女王杯(京都芝2200m) 過去5年好走馬直線進路

京都芝2200mで行われたエリザベス女王杯の過去5年分(2013年/2019~2016年)の好走馬は直線内から5.7頭目あたりを走っていて、割合では馬群の39%に値する。馬場の改修前後では芝の状態が若干違い昨秋は馬場の傷みが強かったものの枠順的には内有利と言える結果であり、好走馬も馬群の内を抜けてくるようなレースだったため、コース自体が内有利であると言えるだろう。

京都芝2200mは特殊コース

エリザベス女王杯リピーター 一覧

2020年から阪神開催の3回を含む10年間の好走馬を見ると、京都開催では必ずと言っていいほど前年の好走馬がリピーターとして好走している。いわゆるリピーターコースと認めていいはずだ。
興味深いのは阪神開催になって、リピーターは2020年の2頭のみ。これら2頭も頭もこの時代の牝馬戦線では実力最上位クラスだったため、単なるリピーターとして括りにくいため評価が難しく、これを除けば「京都こそリピーター」という狙い方で間違い無いのではないか。

注目馬

◎ベラジオオペラ
前走大阪杯で悲願のGⅠ制覇。チャレンジC含めて阪神芝2000mやマイラータイプが集まるスプリングS(中山芝1800m)で活躍が目立つためにタイトなラップを刻むスピード系のレースが合いそうだが、2走前は京都記念(京都芝2200m)を上がり最速で②着、直線の長い東京/阪神外回りを上がり上位で好走しているため、脚を溜めてキレ脚勝負でも対応は可能だろう。展開や馬場が悪く敗因がはっきりした皐月賞(⑩着)を除けば全て掲示板と実力の高さは世代でもトップクラスだろう。脂の乗った今の当馬の勢いは止められない。

▲ルージュエヴァイユ
前走大阪杯③着は勝ち馬にタイム差なしの惜しい競馬。それでいてベラジオオペラと人気が離れているのならば馬券妙味は高い。それだけでなくエリザベス女王杯では他馬が3角終わりから動き出すのに動じずタイミングを図るように内から差す競馬で京都独特のコース形態や展開をしっかり理解した走りをしていたように見えた。リピーターコースなのであればGⅠ好走馬のこちらも押さえておきたい。

▲プラダリア
京都芝2200mでの好走経験はもちろんのこと、芝2200mの距離、京都外回りをそれぞれ得意としていて、この舞台は距離やコース形態的に「ちょうど良い」と言えるだろう。特に昨年の京都大賞典では今でも重賞で活躍し続けているボッケリーニ、ディープボンド、マイネルウィルトスを相手に勝ち切っているところに実力の高さも感じる。ルージュエヴァイユ同様「適性あるのに人気なし」はリピーターコースにおいて狙うべき馬。

★最終予想はX(旧Twitter)で公開予定です。


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