チャンピオンズカップ(GⅠ)回顧(今後の予想に向けた重要な要素を紹介・解説)
ジュンライトボルトの末脚が爆発し、石川騎手のGⅠレース初勝利で幕を閉じた今年のチャンピオンズカップ。皆様の予想はいかがでしたか?
私は見当違いの予想で大外れ、、参考にして下さった方々には大変申し訳なく思っております💦
しかしこういう時こそ、振り返りが重要です。
ジュンライトボルトの勝因は?テーオーケインズの敗因は?次走以降の注目馬等中心に考察していきたいと思います。
結果を元に理由を考えることで、多くのパターンを学び、予想のバリエーションを増やすことができます。あなたにとって新たな発見に繋がる機会にして下さい。
それでは考察していきましょう。
~ジュンライトボルトの勝因とは?~
前走同様素晴らしい末脚を繰り出して、芝路線からダート路線に切り替えてからわずか4戦目での戴冠。テーオーケインズとは未対戦で未知の魅力に溢れた同馬がなぜ勝つことが出来たのか?4つのポイントを紹介していきます。
1、能力比較
2、適性
3、状態
4、展開
1、能力比較
上記で記載したようにテーオーケインズとは未対戦な上、ダートの一線級との対戦もなく、非常に能力比較が難しい馬でした。前走のシリウスSでは勝ちっぷりが良かったものの、上がりタイムが37秒6。同条件の平安Sを59キロを背負って勝ったテーオーケインズの勝ちタイムから、同じ良馬場で0秒9遅い上、35秒9という上がりと比較しても1秒7も開きがあり、しかもシリウスSよりも1キロ増と、どうみても分が悪いように思えた。その中で強調できる点を一つ見つけました。ダート路線に転向後の近2走の映像を見たのですが、舌を出して走っていました。以前の芝レースの映像も見たのですが、舌を出している映像は確認できませんでした。舌を出すのは”遊びながら走っている" 場合や、”口を割った(折り合いを欠く等)タイミングで舌が飛び出してしまった”場合、”馬が息苦しく感じている”等で良くないマイナス材料です。
実際、楽勝で勝っていた近走の内容から、息苦しいとか折り合いを欠いたようには見えなかったので、余裕があり遊びながら走っていた可能性が高いかなと思います。全力で走っていなかったとすれば、上記のタイムは縮めることが可能と推測出来ますし、ダートで底を見せてない・実力を出し切っていないと考えれば、テーオーケインズに引けを取らない能力があるかもしれないと考えることが出来ました。今はJRAのホームページやYouTube、netkeiba.com等の競馬情報サイトでもほとんどのレース映像が確認できます。成績から限界能力値を探るには、過去のレース映像にヒントがあるかもしれませんので、時間のある方は見ることをお勧めします。
2、適性
ダート経験がわずか3戦でオール連対。適性がないと出来ない芸当であることは間違いないですが、勝ち切るまでの適性は果たしてどこにあったのでしょうか?
私は走法にあると考えます。
この馬は頭が高い走法です。頭が高い馬は、ピッチ走法寄りでパワーに長けた馬が多く、ダートに向いています。芝のオープンで1番人気にもなった同馬が勝ちきれないレースが続いたのは、オープンレベルでの瞬発力不足からくるものだと考えます。
もう一つはコース適正です。シリウスSが行われた中京のダートは外差しが利きにくいコース設定の中、4コーナーで加速して大外から差し切るあたり、適性は高いと考えられます。未勝利戦を除いて、勝ち鞍は全て左周りに偏っていることからも中京競馬場での適性も高いと考えられました。
以上のことから、他馬よりもレース適性は高水準だと判断出来るでしょう。
3、状態
調教内容は、ダートへの路線変更後は同じ過程を踏んでおり、1週前にCWで併せ馬、その数日後に軽めにCWか坂路で流して、最終追切でポリトラック追いをしている。過去の調教内容を見ると、最後の3ハロンで速いタイムを出す調整をしている。こういう調教内容の馬は、上り特化型と考えて良い。タイムで推測すると、ダートに変わってからの調整の中では、今回が一番良い時計が出ており、最終追切も早い時計が出るポリトラックとは言え、上り10秒9でまとめており、調子は前回と同様もしくはそれ以上と考えることが出来る。そして特に注目したいのは、最終追切の調教映像から感じる、馬のスピード感や雰囲気である。ジュンライトボルトの調教映像を見ていると、動きが軽やかで自らグイグイと前に進んでいて、とてもやる気が感じられる動きをしていました。このように、動きが軽やか・楽に走っているように見えるのに時計が速い・脚の蹴りが力強い等が見られれば、調子が良いと考えて良いでしょう。予想の上で、馬の調子を判断するには最終追切の映像を見ることが、ヒントになることがとても多いです。「この馬スピード感がある!」「一緒に走っている馬を楽に抜いていった!」とか自分で見た感覚で判断してみて下さい。もしあなたの目に良く映った馬が全然人気がなかったら、、!!高配当や万馬券を獲る為の一歩となることでしょう!
4、展開
最後に展開ですが、上がり特化型にはおあつらえ向きの展開になったのは間違いないでしょう。まず勝ちタイムが1分51秒9で、過去10年で見ても1番遅いタイムでの決着となりました。持ち時計がないこの馬にとっては、早い時計の決着にならなかったのがプラスに働いたに違いありません。追走が楽な分、最後の直線まで脚を溜めることができましたので、一番の武器を思う存分発揮出来ました。テーオーケインズが伸びあぐねたことも味方しましたが、掲示板に来ているのはジュンライトボルト以外は前で競馬をした馬が占めていることからもわかる通り、前残りの競馬でした。その中で差し切ったことはとても価値がありますし、展開に関係なく勝つ力があったということ。前走から上がりタイムを大幅に伸ばした潜在能力は見抜けた方は素晴らしい馬眼をしていますね。
スローペースになれば早い上がりを使える馬が上位に来ることが多いので、逃げそうな馬がいない・絶対的人気馬にマークが集中して先行馬のマークが薄れそう・いつもスローで逃げる逃げ馬がいる等々、馬場が良くてペースが上がらなそうな時は、上がりの早い馬にスポットライトを当ててみましょう。
以上ジュンライトボルトの勝因として考えられるものを挙げてみました。
~テーオーケインズの敗因は?~
単勝1.5倍の断然の一番人気での敗戦。全国の多くの競馬ファンが肩を落としました。前哨戦も危なげない勝ち方で、相手関係を考えても連覇が濃厚と見られていた中で敗因を探すのも難しいですよね。そんな中で、敗因として考えられることをピックアップしました。
1、状態
2、スタート
3、気性
1、状態
まずは状態面を振り返るとこのようなデータが出てきました。
調教内容ですが、同コースの平安S時と比較すると、平安S時は1週前追切がCWの馬なり、ラスト3ハロン(ラスト1ハロン)36秒7ー(11秒3)。今回は同じくCWですが、一杯に追って38秒2ー(11秒6)。全体時計は約1秒今回の方が速いですが、平安Sと比べて明らかにラストの上がりが掛かっています。しかも一杯に追ってです。好調時には程遠い状態だった可能性があります。最終追切は平安Sとほぼ同じですが、注目すべきは1週前追切です。予想する私たちは、どうしても最終追切に目が行ってしまいがちですが、調整過程において1週前に仕上げてレース前は軽めというのが順調な調整過程です。以上により、平安Sよりパフォーマンスを落とす可能性が高かったと考えても良さそうです。
2、スタート
今回スタートが悪く出負けしました。この要素はレース前に判断することが難しいですが、過去のレースぶりからテーオーケインズにとっての不安要素だったと判断できます。2走前の帝王賞・昨年のJBCクラシックと共に出遅れて敗れています。出遅れから前半無理して先団まで盛り返して位置を取りに行き、最終コーナーも外を回すと末が甘くなる。これがテーオーケインズ凡走パターンかもしれません。また出遅れる馬は繰り返すことが多いので過信しすぎないようにしましょう。
3、気性
ゲート時もそうなのですが、少し落ち着きがないところがあります。
勝ち負け勝ち負けと戦績が示すように、好調が持続しないタイプかもしれません。こういう馬は、調教や雰囲気で掴めることが多いので、調教の動きが前走より物足りない・パドックで大人しい・入れ込んでる・踏み込みが甘い等見つけることが出来れば、凡走のヒントが見つかるかもしれません。
初心者の方は判断出来ないと思いますので、最初は成績を見てムラがないか、いつも人気になっているのに圧勝したり凡走したりを繰り返してる馬がいないかをチェックしてみましょう。
以上テーオーケインズの敗因を探ってみました。
こう見ると凡走も頷けますね!高配当ゲットには穴馬を見つける競馬脳も必要ですが、人気馬を消す競馬脳も必要です。こういう要素に気づけるようになったらもっと予想が面白くなりますよ!
~次走以降の注目馬は~
★サンライズホープ
砂を被ると嫌がる性格から先行することが好走の条件だったが、前走は追い込んで差し切る脚質転換に成功。外からスムーズに捲って砂を被らずに走れたことが好走の要因だったが、今回は2番枠から向こう正面までは内で砂を被る展開。スローペースで大外ぶん回しと最悪の展開に泣いた。砂被りの弱点を克服しつつある点・展開不向きの点・まだ5歳と老け込む歳ではない点・人気になりずらい馬という点含め次走以降注目。
★ハピ
近走は横山典騎手が上手く内に潜り込んで着を拾っている内容。馬込みを気にしない点や相手なりに走る点は大いに評価できるが、次走以降人気になりそうなだけに、外枠に入った場合は逆に危ない人気馬として注意したい。
いかがでしたか?
結果を振り返ることで、次の予想に繋げていくことが重要です。もちろん勝因や敗因は一つではありませんし、色々な要素が組み合わさっています。多くの知識やパターンを知りそれらを組み合わせて考えることで、より競馬が面白くなります。
この分析で得た知識によって、あなたの競馬脳が少しでも進化したのであれば幸いです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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