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橈骨遠位端骨折、レントゲン読影まで🦴

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はじめて読んで下さった方、初めまして!
スポーツドクターを目指しております、けいと申します。

今回は救急外来でもよく遭遇する橈骨遠位端骨折に関してまとめてみました!


橈骨遠位端骨折の疫学

女性では立位からの転倒などの低エネルギー外傷で多く発生します。男性の場合は交通外傷などの高エネルギー外傷で発生することが多いです。
おそらく女性なら方が骨粗鬆症の影響があり、低エネルギーでの骨折多いのではないかと推測されます。
骨脆弱性骨折(骨粗鬆症の影響で生じる低エネルギー外傷での骨折)での頻度は大腿骨近位部骨折、椎体圧迫骨折に次ぐ第3位であるため救急外来での遭遇する頻度の高い骨折です。
転倒時に防御反応として手が出る50歳〜70歳で好発します。転倒時に手が出ないと大腿骨近位部を骨折してしまいます。

緊急手術の適応

開放骨折の場合は緊急手術が行われます。抗菌薬治療、手術室での洗浄とデブリドマン、創外固定を行います。正中神経や尺骨神経が損傷されている場合も準緊急での手術となります。

画像診断

診断に必要な画像は手関節の患側の正面像と側面像です。
整復後には転位の評価のため上記の2方向に加えて回内45°と回外45°を撮影します。
橈骨の形状は個人差が大きいため診断後には健側の2方向と手術が検討される症例ではCTを撮影します。
したがって病院の設備にもよりますが、まずは患側2方向で診断し、整復を試みた後に回内と回外位と健側とCTを撮影するのがスムーズなのかなと思います。

画像評価

骨折評価のパラメーターとしては下記の3つがあります。

  • Palmar tilt

  • Radial inclination

  • Ulnar variance


1つずつ説明していきます。
Palmar tiltはレントゲン側面像で評価します。橈骨の長軸の垂線と橈骨遠位端の関節面のなす角です。平均値は11°で正常値は1°から21°です。
次はRadial inclinationです。こちらは正面蔵で評価します。橈骨長軸の垂線と、橈骨遠位関節面とのなす角です。13度から30°が正常範囲内です。整復の際は15°以上を目指します。最後がUlnar varianceです。橈骨茎状突起と尺骨関節面との距離が健側と比較して5mm以内となるように整復を目指します。

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