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若年性脳卒中の原因と鑑別

key points

・50歳以下の脳卒中は10%にも満たないが、特殊な疾患が原因のことがある

・原疾患への対応が必要であるため、原疾患の検索が必要

・鑑別は卵円孔開存、抗リン脂質抗体症候群、脳動脈解離、もやもや病、高安動脈炎、感染性心内膜炎

前回に続き若年性脳卒中の原因と鑑別に関してまとめていきます。

動脈解離

脳血管の動脈解離は脳卒中の原因となります。欧米人は内頸動脈に多いのに対して、日本人は椎骨動脈に発生することが多いです。
椎骨動脈解離が発生する原因は、Marfan症候群や繊維筋性異形成症などの結合組織異常をきたす疾患。ゴルフやカイロプラクティス時の回旋運動など外傷が原因となることがあります。
発生時に血管の解離に伴う疼痛を訴えることが多いです。
診断はMRAやCTAなどの画像診断で行います。

脳動静脈奇形

脳動静脈奇形は妊娠初期の胎児期に脳内の動脈と静脈が直接吻合してしまったことが原因の先天性の疾患です。
動脈と静脈が直接吻合されているため、圧力の高い血流が直接静脈に流入します。それが原因で脳出血のリスクが高いです。

もやもや病

両側の内頸動脈の終末が狭窄・閉塞が原因でもやもや血管とよばれる微細な血管が発達する疾患です。
アジア人に多い疾患であり、名前からわかる通り日本で発見された疾患です。発見されるタイミングは二峰性です。5歳~10歳では啼泣をきっかけに発症する虚血症状が多いです。30歳~40歳では脳出血による発症が多いです。

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