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乾杯するその前に…


2019年5月某日。
私は横浜駅にいた。けれど、降り立って速攻こう呟いた。



「……あっ(゜-゜)……ヤバいかも(;'∀')」







今の私は都会と真反対の田舎に住んでいる。

車が無いと生活が不便で仕方ないぐらいと言えばわかりやすい。
一家に一台ではなく18歳以上で自動車の運転免許証を持っているなら一人一台の生活が当たり前
……と言えばどれほどの田舎具合かわかるだろう。

そんな私も数年前は都心でがっつり仕事をしていた。

電車で1時間以上揺られるのは普通で時には千葉の沼津から神奈川の川崎の端っこまで移動したときもあった。(東京はスルーな日)
現在は諸々の事情で自分の生まれ育った地元の田舎でのんびりと暮らしている。



2019年の5月。
たまたま横浜へ行く用事が出来たので、都心で働いていた時仲の良かった同僚と連絡をとった。

メールでの連絡。

同僚は快くOKと返信してくれた。

同僚と言っても私より年下。
私が入社時は彼女が先輩だった。
辞めたのは私が断然早かった(笑)
そして今も彼女は私が辞めた会社に在籍して仕事を続けている。

……とは言うもの、世の流れ。

 私が当時勤めていた会社は、私が退社してから5年もしない内に会社内外でいろいろあり、現在は大手グループ企業の傘下に入っている。
 会社の事業は継続しているが面白いことに私が会社を辞める前に入社したメンバーは会社に残り、その後入社した人はあまり残っていないそうだ。
 どちらかというと仕事をすれば休日は好きに取れば良い会社だったので最大のメリットはそこだったのだろうと今なら思う。


 何はともあれ、私は現在住んでいる関西の田舎から横浜という都会へ行くことになった。
 新幹線の移動であったため、のんびりと時間の合間に同僚とメールで連絡を取りながら変わりゆく景色を眺めていた。


 横浜駅に着くとそそくさとホテルがある出口へ向かって、荷物を持ちながらテクテク歩く。
 今のコロナ禍の状況でないあの時の横浜の人の多さと景色は私にとって、良くも悪くも刺激的だった。


『あっ、コレあったけ?(*'▽')』
『おぉ~ちょっと便利になっている。えぇやん♪えぇやん♪(≧▽≦)』
『うぉおおお、やっぱウィンドウショッピングは楽しいぃ~!\(^o^)/』


などと、口には出さないがテンションは高く、知らない人がみれば妙に楽しそうだなと思うくらい足取り軽やかだったと思う。









数分後にピンチになるとは知らずに









一通り、駅構内をさっくり歩き、待ち合わせ時間前にホテルにチェックインすべく出入り口を出た。
そして横浜駅出入口の景色を見て呟いた。
それが冒頭の一言だ。





「……あっ(゜-゜)……ヤバいかも(;'∀')」







私は都心での街歩きの仕方をすっかり忘れてしまっていた。

(つづく)









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