子供だましに憧れる

こんばんは。

“魔の2歳児”とはよく言ったもので、突如として現れるイヤイヤの地雷を踏みさえしなければ、2歳前後の幼児は、大人を魅了してやまない呪文を数々唱える魔法使いだと思う。

保育園の帰り、自宅の玄関をあけるとき、いつからか娘に「ひらけ~ゴマ!」と呪文を唱えてもらうのが恒例となった。

右手を振り上げ、「ハッ」と扉に魔法をかける素振りに合わせて、わたしが扉を開ける。まさに“子供だまし”なのだけど、娘は満足そうに開いた扉へ入っていく。

あぁ、きっと娘に見えている世界には、あたりまえに魔法が溢れているのだと感じる。

わたしには平凡なこの景色も、娘の目には、それはそれは色鮮やかに映っているのだろう。なぜ、神様は幼い頃に見た色とりどりの記憶を残してくださらなかったのか。たとえ子供だましであっても、自分が魔法使いになれる世界に、また身を置いてみたい。

そんな思いから、多くの大人が知恵を出しあって、世界各地にテーマパークが出来上がっていったのだ(そんなわけあるかい!)、と言われたら信じてしまうくらい、いま、子供だましに憧れる自分がいます。

誰か、わたしの「ハッ」に合わせて、美味しい晩ご飯を出してくれーい!


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