ピアノが弾けない

今日は、(正確に言うと昨日は)、三宮にあるストリートピアノを弾きに行ってきた。
三宮にある、三井住友銀行の前に、スタインウェイのグランドピアノが置いてある。このピアノは、周囲に知る人ぞ知る高級店が立ち並ぶ中に、ひっそりと置かれている。 少し開放的な空間に、今日もピアノの音色が響いている。

私はピアノを弾くことが大好きだ。
そんなにうまくもないのに、なんだか弾いていると落ち着くと言うか、そして弾けなくなり苛立ち、ストレスが溜まり、それを発散する術は、ピアノ練習すると言うことにしか残っていないと言う とんでもないサイクルにはまってしまう。

今日もピアノは鳴り響いていた。
小学生に入ったくらいの子が、その小さな手を一生懸命に広げ曲を弾いていた。 素晴らしい音色だった。

私はピアノの椅子へ腰をかけた。
さて何を弾こうか…そうだこの曲にしよう。 そう思って最初に弾き始めたのは、「君とみた海」 と言う合唱曲の伴奏だった。
この曲は伴奏と言いながら、伴奏だけでも音楽として成り立っているように感じる。 それが何かいいんだなぁ。 この曲は合唱曲としてだけでなくピアノ曲として楽しむことができると言うことである。同じ曲を2つの面から眺めることが。

この曲には特徴的な6連符の旋律がある。 難易度もなかなかに高い曲だ。私はもうこの曲を満足に弾くことができなかった。 もう何ヶ月ピアノを弾いていないんだろうか。もう指が思ったようには動かない。そうだ今日は一段と寒かったんだ。寒くて、手がかじかんで、だから弾くことができないんだ。

そんなふうに、寒さのせいにして、だから私はピアノが弾けないんだ。

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